解析者: Cris Nowell Pantanilla   

 プラットフォーム:

Windows 2000, Windows XP, Windows Server 2003

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:

  • マルウェアタイプ:
    トロイの木馬型

  • 破壊活動の有無:
    なし

  • 暗号化:
     

  • 感染報告の有無 :
    はい

  概要

トレンドマイクロは、このマルウェアをNoteworthy(要注意)に分類しました。

このマルウェアは、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の金正日(キム・ジョンイル)総書記死去のニュースに便乗したスパム攻撃に用いられています。

マルウェアは、スパムメールの添付ファイルとしてコンピュータに侵入します。

実行されると、マルウェアは、侵入したコンピュータにインストールされている "Adobe Acrobat" のバージョンを確認します。バージョンが9.4以前である場合、以下の脆弱性を利用してファイルを作成し実行します。

  • CVE-2010-2883
  • CVE 2011-0611

マルウェアは、無害なPDFファイルを作成し開き、ユーザに自身の不正活動が気付かれないようにします。

マルウェアは、作成されたファイルを実行します。

  詳細

ファイルサイズ 421,149 bytes
タイプ PDF
発見日 2011年12月20日
ペイロード ファイルの作成

インストール

マルウェアは、以下のコンポーネントファイルを作成します。

  • %User Profile%\Local Settings\fabc.scr
  • %User Profile%\Local Settings\log1.txt
  • %User Profile%\Local Settings\abc.scr - BKDR_FYNLOS.A

(註:%User Profile% フォルダは、Windows 98 および MEの場合、"C:\Windows\Profiles\<ユーザ名>"、Windows NTでは、"C:\WINNT\Profiles\<ユーザ名>"、Windows 2000, XP, Server 2003の場合は、"C:\Documents and Settings\<ユーザ名>" です。)

マルウェアは、以下の無害なファイルを作成します。

  • %User Profile%\Local Settings\BriefintroductionofKim-Jong-il.pdf

(註:%User Profile% フォルダは、Windows 98 および MEの場合、"C:\Windows\Profiles\<ユーザ名>"、Windows NTでは、"C:\WINNT\Profiles\<ユーザ名>"、Windows 2000, XP, Server 2003の場合は、"C:\Documents and Settings\<ユーザ名>" です。)

作成活動

マルウェアは、作成されたファイルを実行します。

その他

このマルウェアは、以下のスパムメールの添付ファイルとしてコンピュータに侵入します。

マルウェアは、以下のような無害なPDFファイルを作成し開き、ユーザに自身の不正活動が気付かれないようにします。

また、マルウェアは実行されると、侵入したコンピュータにインストールされているAdobe Acrobatのバージョンを確認します。バージョンが9.4以前である場合、以下の脆弱性を利用してファイルを作成し実行します。

さらに、マルウェアは、作成したファイル "fabc.scr" と "log1.txt" を合わせて "abc.scr" を作成し、この統合されたファイルを実行します。

  対応方法

対応検索エンジン: 9.200
初回 VSAPI パターンバージョン 8.656.04
初回 VSAPI パターンリリース日 2011年12月20日
VSAPI OPR パターンバージョン 8.657.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2011年12月21日

手順 1

Windows XP および Windows Server 2003 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

この「TROJ_PIDIEF.EGQ」が作成、あるいは、ダウンロードした以下のファイルを検索し、検索した場合は削除してください。

手順 3

最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、ウイルス検索を実行してください。「TROJ_PIDIEF.EGQ」と検出したファイルはすべて削除してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。

手順 4

以下の修正パッチをダウンロードし適用します。この脆弱性に対する修正パッチを適用するまで、該当製品の使用をお控えください。この製品の製造元が公開する正式な修正パッチをダウンロードし適用することをお勧めします。

日本語情報はこちらをご参照ください。


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