WORM_OSCARBOT
Windows 2000, Windows XP, Windows Server 2003
マルウェアタイプ:
ワーム
破壊活動の有無:
なし
暗号化:
感染報告の有無 :
はい
概要
トレンドマイクロでは、2007年にワーム「OSCARBOT」の始めての亜種に注目していました。「OSCARBOT」は、Windows NT、Windows 2000およびWindows XPに存在するWindows ASN .1 の脆弱性を利用して拡散します。他の「OSCARBOT」の亜種は、以下の不正活動のいずれかで拡散します。
- Internet Relay Chat (IRC)を介して拡散
- インスタントメッセンジャ(IM)を介して拡散
- リムーバブルドライブを介して拡散
ワームの主な目的は、特定のIRCサーバおよびチャンネルに接続する手法で、感染コンピュータ上でコマンドを実行することです。接続すると、チャンネルに発行されたコマンドを受信し、感染コンピュータ上でこれらのコマンドを実行します。実行されるコマンドには様々な種類がありますが、以下のいずれかを含むことがあります。
- ファイルのダウンロードまたはアップロード
- SYN攻撃の実行
- DDoS(Distributed Denial of Service : 分散型サービス拒否)攻撃の実行
- インスタントメッセンジャ「MSNメッセンジャー」「AIMメッセンジャー」を介した自身の拡散
- 「Protected Storage」機能で保存されたパスワードの収集
詳細
インストール
ワームは、以下のファイルを作成します。
- %User Temp%\rmme{4 numbers}.bat
(註:%User Temp%はWindowsの種類とインストール時の設定などにより異なります。標準設定では、Windows 98 および MEの場合、"C:\Windows\Temp"、Windows NT の場合、"C:\Profiles\<ユーザー名>\TEMP"、Windows 2000、XP、Server 2003 の場合、"C:\Documents and Settings\<ユーザー名>\Local Settings\TEMP" です。)
ワームは、感染したコンピュータ内に以下のように自身のコピーを作成します。
- %Application Data%\afd.exe
(註:%Application Data%フォルダは、 Windows 2000、XP、Server 2003 の場合 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data" 、 Windows NTの場合 "C:\WINNT\Profiles\<ユーザ名>\Application Data"、Windows 98 および MEの場合、"C:\Windows\Profiles\<ユーザ名>\Application Data" です。)
自動実行方法
ワームは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。
HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
Cftmon32 = "%Application Data%\afd.exe"
HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows NT\CurrentVersion\Terminal Server\
Install\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
Cftmon32 = "%Application Data%\afd.exe"
他のシステム変更
ワームは、以下のレジストリ値を作成し、Windowsのファイアウォールを回避します。
HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\SharedAccess\Parameters\
FirewallPolicy\StandardProfile\AuthorizedApplications\
List
{malware path}\{malware name}.exe = "{malware path}\{malware name}.exe:*:Enabled:Cftmon32"
HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\SharedAccess\Parameters\
FirewallPolicy\StandardProfile\AuthorizedApplications\
List
{malware path}\{malware name}.exe = "{malware path}\{malware name}.exe:*:Enabled:1"
HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\SharedAccess\Parameters\
FirewallPolicy\DomainProfile\AuthorizedApplications\
List
{malware path}\{malware name}.exe = "{malware path}\{malware name}.exe:*:Enabled:1"
感染活動
ワームは、すべてのリムーバブルドライブ内に以下のフォルダを作成します。
- Folder
- Folder\SubFolder
ワームは、すべてのリムーバブルドライブ内に以下として自身のコピーを作成します。
- Folder\SubFolder\file.exe
バックドア活動
ワームは、以下のいずれかのIRCサーバに接続します。
- one.{BLOCKED}t.com
対応方法
トレンドマイクロのお客様:
最新のバージョン(パターンファイル および エンジン)を導入したセキュリティ対策製品を用い、ウイルス検索を実行してください。検出したファイルはすべて「削除」し、検出したウイルスはすべて「駆除」してください。削除対象となるファイルには、トロイの木馬型不正プログラムやスクリプト系、上書き感染型ウイルス(overwriting virus)、ジョーク・プログラムなど「駆除」できない不正プログラムがあげられ、これらのファイルを検出した場合は、すべて「削除」してください。
インターネットをご利用の皆様:
- トレンドマイクロの「オンラインスキャン」を使って、あなたの PC がウイルスに侵されていないかどうかを簡単にチェックすることが可能です。オンラインスキャンはあなたのコンピュータの中に不正なプログラムが存在するかどうかをチェックします。
- 今日、PCやネットワークをセキュリティ上の脅威から守り、安全なIT環境を維持するためには、セキュリティ製品を活用することが最も有効な方法となっています。トレンドマイクロは、一般の個人ユーザだけでなく、企業ユーザやインターネット・サービス・プロバイダ(ISP)向けに、ウイルス対策製品やコンテンツセキュリティ対策をご提供しています。トレンドマイクロの製品・サービスについては、こちらをご参照ください。
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