解析者: Mark Joseph Manahan   

 別名:

Backdoor:Win32/Caphaw.D (Microsoft), Trojan-Ransom.Win32.Foreign.ybs (Kaspersky), a variant of Win32/Kryptik.ASIB trojan (Eset)

 プラットフォーム:

Windows 2000, Windows Server 2003, Windows XP (32-bit, 64-bit), Windows Vista (32-bit, 64-bit), Windows 7 (32-bit, 64-bit)

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:

  • マルウェアタイプ:
    ワーム

  • 破壊活動の有無:
    なし

  • 暗号化:
    はい

  • 感染報告の有無 :
    はい

  概要

感染経路 インターネットからのダウンロード, リムーバブルドライブを介した感染活動, インスタントメッセンジャ(IM)を介した感染活動

トレンドマイクロは、このワームをNoteworthy(要注意)に分類しました。

ワームは、感染活動を行うために、Skypeを利用しスパムメッセージを送信します。送信されるスパムメッセージは、リンクを含んでおり、このワームが自動的にダウンロードされることとなります。またワームは、感染コンピュータのセキュリティを侵害するバックドア機能も備えています。

ワームは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

ワームは、不正リモートユーザからのコマンドを実行し、感染コンピュータを改ざんします。 ワームは、特定のWebサイトにアクセスし、情報を送受信します。

ワームは、ルートキット機能を備えており、自身に関連したプロセスおよびファイルを隠匿し、ユーザによる検出および削除を避けます。

  詳細

ファイルサイズ 380,928 bytes
タイプ EXE
メモリ常駐 はい
発見日 2013年1月18日
ペイロード URLまたはIPアドレスに接続, システムセキュリティへの感染活動

侵入方法

ワームは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

ワームは、感染したコンピュータ内に以下として自身のコピーを作成し、実行します。

  • %Application Data%\{random folder found}\{filename found in %System%}

(註:%System%フォルダはWindowsの種類とインストール時の設定などにより異なります。標準設定では "C:\Windows\System32" です。)

ワームは、以下のファイルを作成します。

  • {removable drive letter}:\{random folder name}\$REChCLE.BIN
  • {removable drive letter}:\{random folder name}\thLmbs.db
  • {removable drive letter}:\{random folder name}\vagefile.sys
  • {removable drive letter}:\{random folder name}\desktopfini
  • {removable drive letter}:\{random folder name}\readme.tat

自動実行方法

ワームは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
{random CLSID} = "%Application Data%\{random folder found}\{filename found in %System%}"

バックドア活動

ワームは、不正リモートユーザからの以下のコマンドを実行します。

  • Remote Desktop / Remote Access
  • Download & Upload Files
  • Update And Uninstall self
  • Download and Load Additional Plugins
       >Disk Propagation - {Hostname}/files/010-update-vl0d3/dsp.psd
       >Messenger Propagation - {Hostname}/files/010-update-vl0d3/msg.gsm
       >BackSocks - {Hostname}/files/010-update-vl0d3/Bot.dll
  • Redirect network traffic
  • Monitor Browser Activity

ワームは、以下のWebサイトにアクセスし、情報を送受信します。

  • https://{BLOCKED}s.cc/ping.html
  • https://{BLOCKED}s.su/ping.html
  • https://{BLOCKED}s.su/ping.html
  • https://{BLOCKED}ections.cc/ping.html
  • https://{BLOCKED}ections.su/ping.html
  • https://{BLOCKED}ctions.su/ping.html

ルートキット機能

ワームは、ルートキット機能を備えており、自身に関連したプロセスおよびファイルを隠匿し、ユーザによる検出および削除を避けます。

情報漏えい

ワームは、以下の情報を収集します。

  • Installed Applications
  • Directory and File List
  • Drive Informations
  • Network Information
  • Username
  • Computername
  • OS Version
  • Hardware Information
  • Running Processes

その他

ワームは、リムーバブルドライブ内の自身のコピーに誘導するショートカットファイル(拡張子LNK)も作成します。なお、作成したLNKファイル名には、リムーバブルドライブ内に存在するフォルダ名を使用し、ユーザに作成したLNKファイルをクリックさせようとします。リムーバブルドライブ内の自身のコピーに誘導するLNKファイルは、以下のファイル名を利用します。

  • <リムーバブルドライブ内で確認したランダムなフォルダ>\<ランダムな名前>.<ランダムな拡張子>

ワームが実行するコマンドは、以下のとおりです。

  • デスクトップのリモート操作/リモートアクセス
  • ファイルのダウンロードおよびアップロード
  • 自身の更新およびアップデート
  • 追加のプラグインのダウンロードおよび読み込み
    • ディスクを介した感染:<ホスト名>/files/010-update-vl0d3/dsp.psd
    • メッセンジャーを介した感染:<ホスト名>/files/010-update-vl0d3/msg.gsm
    • BackSock:<ホスト名>/files/010-update-vl0d3/Bot.dll
  • ネットワークトラフィックの転送
  • インターネット活動の監視

ワームが収集する情報は、以下のとおりです。

  • インストールされているアプリケーション
  • ディレクトリおよびファイルのリスト
  • ドライブに関する情報
  • ネットワークに関する情報
  • ユーザ名
  • コンピュータ名
  • オペレーティングシステム(OS)のバージョン
  • ハードウェアに関する情報
  • 実行中のプロセス

  対応方法

対応検索エンジン: 9.300
初回 VSAPI パターンバージョン 9.662.09
初回 VSAPI パターンリリース日 2013年1月18日
VSAPI OPR パターンバージョン 9.663.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2013年1月18日

手順 1

Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

このマルウェアのパス名およびファイル名を確認します。
最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用いてウイルス検索を実行してください。「WORM_BUBLIK.GX」で検出したパス名およびファイル名を確認し、メモ等をとってください。

手順 3

Windowsをセーフモードで再起動します。

[ 詳細 ]

手順 4

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • {random CLSID} = "%Application Data%\{random folder found}\{filename found in %System%}"

手順 5

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性の場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。  
  • {removable drive letter}:\{random folder name}\$REChCLE.BIN
  • {removable drive letter}:\{random folder name}\thLmbs.db
  • {removable drive letter}:\{random folder name}\vagefile.sys
  • {removable drive letter}:\{random folder name}\desktopfini
  • {removable drive letter}:\{random folder name}\readme.tat

手順 6

コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「WORM_BUBLIK.GX」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


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