解析者: Janus Agcaoili   

 別名:

Backdoor:Win32/Zapchast (Microsoft)

 プラットフォーム:

Windows

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:
 情報漏えい:

  • マルウェアタイプ:
    ワーム

  • 破壊活動の有無:
    なし

  • 暗号化:
    はい

  • 感染報告の有無 :
    はい

  概要

感染経路 他のマルウェアからの作成, インターネットからのダウンロード, リムーバブルドライブを介した感染活動

ワームは、情報を収集し自身のサーバに報告します。

ワームは、リムーバブルドライブを介してコンピュータに侵入します。 ワームは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

ワームは、不正リモートユーザからのコマンドを実行し、感染コンピュータを改ざんします。 ただし、情報公開日現在、このWebサイトにはアクセスできません。

  詳細

ファイルサイズ 684,665 bytes
タイプ EXE
ファイル圧縮 AutoIt
メモリ常駐 はい
発見日 2016年7月1日
ペイロード 情報収集, URLまたはIPアドレスに接続

侵入方法

ワームは、リムーバブルドライブを介してコンピュータに侵入します。

ワームは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

ワームは、以下のファイルを作成します。

  • %Application Data%\system.exe.ini <- configuration file

(註:%Application Data%フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data"、Windows Vista 、 7 、8、8.1 、Server 2008 および Server 2012の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming" です。.)

ワームは、感染したコンピュータ内に以下のように自身のコピーを作成します。

  • %Application Data%\system.exe

(註:%Application Data%フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data"、Windows Vista 、 7 、8、8.1 、Server 2008 および Server 2012の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming" です。.)

ワームは、以下の Mutex を作成し、メモリ上で自身の重複実行を避けます。

  • appdatasystem.exe

自動実行方法

ワームは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
system.exe = "%Application Data%\system.exe"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
system.exe = "%Application Data%\system.exe"

ワームは、Windows起動時に自動実行されるよう<User Startup>フォルダ内に以下のファイルを作成します。

  • %User Startup%\system.exe <- copy of itself

(註:%User Startup%フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常、"C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Start Menu\Programs\Startup" 、Windows Vista 、 7 、8、8.1 、Server 2008 および Server 2012の場合、" C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming\Microsoft\Windows\Start Menu\Programs\Startup" です。.)

他のシステム変更

ワームは、以下のファイルを削除します。

  • {.vbs file in root directories}

感染活動

ワームは、すべてのリムーバブルドライブ内に以下として自身のコピーを作成します。

  • {Removable Drive Letter}:\system.exe

バックドア活動

ワームは、不正リモートユーザからの以下のコマンドを実行します。

  • Download and execute files
  • Execute arbitrary codes or shell commands
  • Uninstall itself
  • Update itself
  • Terminate itself
  • Gather credentials from the following and sends to its C&C server:
    • DUC Registry
    • Filezilla registry and XML files

ワームは、以下のWebサイトにアクセスし、不正リモートユーザからのコマンドを送受信します。

  • mda.{BLOCKED}p.org:88

ただし、情報公開日現在、このWebサイトにはアクセスできません。

ワームが作成する以下のファイルは、環境設定ファイルです。

  • %Application Data%\system.exe.ini

ワームがWindows起動時に自動実行されるよう<User Startup>フォルダ内に作成する以下のファイルは、自身のコピーです。

  • %User Startup%\system.exe

ワームは、不正リモートユーザからの以下のコマンドを実行します。

  • ファイルのダウンロードおよび実行
  • 任意のコードおよびシェルコマンドの実行
  • 自身のアンインストール
  • 自身の更新
  • 自身の削除
  • 以下の場所から認証情報を収集し、C&Cサーバへ送信
    • DUC のレジストリ
    • Filezilla のレジストリおよびXML ファイル

ワームは、シェルコマンドを実行しファイアウォール保護機能を回避します。

  • "%System%\netsh.exe" firwall add allowedprogram "%Application Data%\system.exe" "system.exe" ENABLE

(註:%Application Data%フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data"、Windows Vista 、 7 、8、8.1 、Server 2008 および Server 2012の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming" です。.)

ワームは、以下の情報を収集し自身のサーバに報告します。

  • コンピュータ名
  • ユーザ名
  • 国/地域
  • ボリュームシリアル番号
  • オペレーティング・システム(OS)のバージョン
  • アクティブなウィンドウ

その他

ワームは、リムーバル内に作成された自身のコピーを隠し属性に設定します。

ワームは、リムーバルドライブ内の自身のコピーに誘導するショートカットファイルを作成します。作成された.LNKファイルは、ファイル名にリムーバルドライブ内のファイル名を使用します。その後、元のフォルダを隠し属性に設定することにより、ユーザに作成したLNKファイルをクリックさせようとします。

ワームは、ルートキット機能を備えていません。

ワームは、脆弱性を利用した感染活動を行いません。

  対応方法

対応検索エンジン: 9.800
初回 VSAPI パターンバージョン 12.624.05
初回 VSAPI パターンリリース日 2016年7月1日
VSAPI OPR パターンバージョン 12.625.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2016年7月2日

手順 1

Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

このマルウェアもしくはアドウェア等の実行により、手順中に記載されたすべてのファイル、フォルダおよびレジストリキーや値がコンピュータにインストールされるとは限りません。インストールが不完全である場合の他、オペレーティングシステム(OS)の条件によりインストールがされない場合が考えられます。手順中に記載されたファイル/フォルダ/レジストリ情報が確認されない場合、該当の手順の操作は不要ですので、次の手順に進んでください。

手順 3

Windowsをセーフモードで再起動します。

[ 詳細 ]

手順 4

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • system.exe = "%Application Data%\system.exe"
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • system.exe = "%Application Data%\system.exe"

手順 5

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性に設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • %Application Data%\system.exe.ini
  • {Removable Drive Letter}:\{existing file name and extension}.lnk

手順 6

コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「WORM_BLADABINDI.JBQ」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。

手順 7

  1. コマンドプロンプトを起動します。
    • Windows 2000、XP および Server 2003 の場合:
      [スタート]-[ファイル名を指定して実行]を選択し、cmd と入力し、Enter を押します。
    • Windows Vista、7、Server 2008 の場合:
      [スタート]をクリックし、検索入力欄に cmd と入力し、Enter を押します。
    • Windows 8、8.1 および Server 2012 の場合:
      [スタート]-[プログラムとファイルの検索]に cmd と入力し、Enter を押します。画面の左下隅を右クリックし、[コマンド プロンプト]を選択します。
      cmd は半角英数字で入力する必要があります(大文字/小文字は区別されません)。
  2. コンソールウィンドウに以下を入力します。
  3. ATTRIB [+R | -R] [+A | -A ] [+S | -S] [+H | -H] [+I | -I] [ドライブ:][パス][ファイル名] [/S [/D] [/L]]

    各コマンドの意味は以下のとおりです。
    +:属性の設定
    -:属性の解除
    R:読み取り専用属性
    A:アーカイブ属性
    S:システムファイル属性
    H:隠しファイル属性
    I:非インデックス対象ファイル属性
    [drive:][path][filename]
    [ドライブ:][パス][ファイル名]:attribで処理するファイルの指定
    /S:現在のフォルダとすべてのサブフォルダ内で一致するファイルの処理
    /D:フォルダも処理
    /L:Symbolic Link(シンボリックリンク)のターゲットに対するシンボリックリンク属性での動作

    コマンド例:
    Dドライブ内のサブフォルダを含むすべてのフォルダおよびファイルの隠しファイル属性を解除する場合。
    • ATTRIB -H D:\* /S /D
  4. 他のドライブやディレクトリ内のフォルダおよびファイルに対して、手順 3.)を繰り返してください。

手順 8

ファイルをバックアップを用いて修復します。マイクロソフト製品に関連したファイルのみに修復されます。このマルウェアが同社製品以外のプログラムをも削除した場合には、該当プログラムを再度インストールする必要があります。


ご利用はいかがでしたか? アンケートにご協力ください