解析者: Michael Cabel   

 プラットフォーム:

Windows 2000, Windows XP, Windows Server 2003

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:

  • マルウェアタイプ:
    ワーム

  • 破壊活動の有無:
    なし

  • 暗号化:
    なし

  • 感染報告の有無 :
    はい

  概要

感染経路 共有ネットワークフォルダを介した感染活動

ワームは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

ただし、情報公開日現在、このWebサイトにはアクセスできません。

  詳細

使用ポート Port 5190 (unassigned)
ファイルサイズ 183,520 bytes
タイプ EXE
メモリ常駐 はい
発見日 2010年10月14日

侵入方法

ワームは、ネットワーク共有フォルダを経由してコンピュータに侵入します。

ワームは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

ワームは、感染したコンピュータ内に以下のように自身のコピーを作成します。

  • %System%\{Malware File Name}.EXE

(註:%System%フォルダはWindowsの種類とインストール時の設定などにより異なります。標準設定では "C:\Windows\System32" です。)

自動実行方法

ワームは、自身をシステムサービスとして登録し、Windows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\dfcsvc
Type = "110"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\dfcsvc
Start = "2"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\dfcsvcx
ErrorControl = "0"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\dfcsvc
ImagePath = "{Malware File Name}.EXE /dfcsvc"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\dfcsvc
DisplayName = "Distributed File Controller"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\dfcsvc
DependOnService = "RpcSS"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\dfcsvc
DependOnGroup = "0x0000"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\dfcsvc
ObjectName = "LocalSystem"

ワームは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
Osa32 = "{Malware File Name}.EXE"

ワームは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を変更します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Microsoft\
Windows NT\CurrentVersion\Winlogon
GinaDll = "ntgina.dll"

(註:変更前の上記レジストリ値は、「MSGINA.DLL」となります。)

他のシステム変更

ワームは、インストールの過程で、以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Microsoft\
Windows NT\CurrentVersion\Winlogon
Ram32Data = ""

HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Microsoft\
Windows NT\CurrentVersion\Winlogon
Ram32ID = ""

HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Microsoft\
Windows NT\CurrentVersion\Winlogon
Ram32Group = ""

ワームは、以下のレジストリ値を作成し、Windowsのファイアウォールを回避します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\SharedAccess\Parameters\
FirewallPolicy\StandardProfile\AuthorizedApplications\
List
{Malware Path and File Name} = "{Malware Path and File Name}:*:Enabled:{Malware File Name}"

感染活動

ワームは、ネットワーク上から以下のネットワーク共有フォルダを検索し、そのフォルダ内に自身のコピーを作成します。

  • ADMIN$\System32\NTOSA32.EXE
  • ADMIN$\System32\NTGINA.DLL

バックドア活動

ワームは、以下のポートを開き、リモートコマンドを待機します。

  • TCP 5190

ワームは、以下のWebサイトにアクセスし、不正リモートユーザからのコマンドを送受信します。

  • {BLOCKED}.{BLOCKED}.130.5

ただし、情報公開日現在、このWebサイトにはアクセスできません。

作成活動

ワームは、以下のファイルを作成します。このファイルは、キー入力操作情報を収集するために利用されます。

  • %System%\NTGINA.DLL - also detected as WORM_ANIG.DUKKS

(註:%System%フォルダはWindowsの種類とインストール時の設定などにより異なります。標準設定では "C:\Windows\System32" です。)

情報収集

ワームは、以下のファイル内に収集した情報を保存します。

  • %System%\NTKBH32.DLL

(註:%System%フォルダはWindowsの種類とインストール時の設定などにより異なります。標準設定では "C:\Windows\System32" です。)

その他

ワームは、作成した実行ファイル(拡張子EXE)がWindows起動時に自動実行されるようリモートで以下のレジストリ値を作成します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
Osa32 = "NTOSA32.exe"

またワームは、作成したDLLファイルがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を作成します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\Winlogon
GinaDll = "ntgina.dll"

  対応方法

対応検索エンジン: 9.200
初回 VSAPI パターンバージョン 7.536.13
初回 VSAPI パターンリリース日 2010年10月14日

手順 1

Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

このマルウェアのパス名およびファイル名を確認します。
最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用いてウイルス検索を実行してください。「WORM_ANIG.DUKKS」で検出したパス名およびファイル名を確認し、メモ等をとってください。

手順 3

回復コンソールを使用して、WORM_ANIG.DUKKS として検出されるファイルを確認し、削除します。

[ 詳細 ]

手順 4

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • Osa32 = "{Malware File Name}.EXE"
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\SharedAccess\Parameters\FirewallPolicy\StandardProfile\AuthorizedApplications\List
    • {Malware Path and File Name} = "{Malware Path and File Name}:*:Enabled:{Malware File Name}"
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\Winlogon
    • Ram32Data = ""
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\Winlogon
    • Ram32ID = ""
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\Winlogon
    • Ram32Group = ""

手順 5

変更されたレジストリ値を修正します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\Winlogon
    • From: GinaDll = "ntgina.dll"
      To: GinaDll = "MSGINA.DLL"

手順 6

このレジストリキーを削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services
    • dfcsvc

手順 7

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性に設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • %System%\NTKBH32.DLL

手順 8

最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、ウイルス検索を実行してください。「WORM_ANIG.DUKKS」と検出したファイルはすべて削除してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


ご利用はいかがでしたか? アンケートにご協力ください