解析者: John Rainier Navato   

 別名:

Worm.VBS.Dinihou.e (KASPERSKY)

 プラットフォーム:

Windows

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:
 情報漏えい:

  • マルウェアタイプ:
    ワーム

  • 破壊活動の有無:
    なし

  • 暗号化:
     

  • 感染報告の有無 :
    はい

  概要

感染経路 インターネットからのダウンロード, 他のマルウェアからの作成

ワームは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

ワームは、不正リモートユーザからのコマンドを実行し、感染コンピュータを改ざんします。 ただし、情報公開日現在、このWebサイトにはアクセスできません。

  詳細

ファイルサイズ 73,223 bytes
タイプ VBS
発見日 2024年6月13日
ペイロード ファイルの作成, システムのレジストリの変更, URLまたはIPアドレスに接続

侵入方法

ワームは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

ワームは、感染したコンピュータ内に以下として自身のコピーを作成し、実行します。

  • %User Temp%\{Malware File Name}.vbs

(註:%User Temp%フォルダは、現在ログオンしているユーザの一時フォルダです。Windows 2000(32-bit)、XP、Server 2003(32-bit)の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザー名>\Local Settings\Temp"です。また、Windows Vista、7、8、8.1、2008(64-bit)、2012(64-bit)、10(64-bit)の場合、通常 "C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local\Temp" です。)

ワームは、以下のプロセスを追加します。

  • %System%\wscript.exe //B "%User Temp%\{Malware File Name}.vbs"

(註:%User Temp%フォルダは、現在ログオンしているユーザの一時フォルダです。Windows 2000(32-bit)、XP、Server 2003(32-bit)の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザー名>\Local Settings\Temp"です。また、Windows Vista、7、8、8.1、2008(64-bit)、2012(64-bit)、10(64-bit)の場合、通常 "C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local\Temp" です。)

自動実行方法

ワームは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
{Malware File Name} = wscript.exe //B "%User Temp%\{Malware File Name}.vbs"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
{Malware File Name} = wscript.exe //B "%User Temp%\{Malware File Name}.vbs"

ワームは、Windows起動時に自動実行されるよう<User Startup>フォルダ内に以下のファイルを作成します。

  • %User Startup%\{Malware File Name}.vbs

(註:%User Startup%フォルダは、現在ログオンしているユーザのスタートアップフォルダです。Windows 98およびMEの場合、通常 "C:\Windows\Profiles\<ユーザ名>\Start Menu\Programs\Startup" です。Windows NTの場合、通常 "C:\WINNT\Profiles\<ユーザ名>\Start Menu\Programs\Startup" です。Windows 2003(32-bit)、XP、2000(32-bit)の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Start Menu\Programs\Startup" です。Windows Vista、7、8、 8.1、2008(64-bit)、2012(64-bit)、10(64-bit)の場合、通常 "C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming\Microsoft\Windows\Start Menu\Programs\Startup" です。)

他のシステム変更

ワームは、以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\{Malware File Name}
(Default) = {true or false} - {Date of first execution on the system}

感染活動

ワームは、すべてのリムーバブルドライブ内に以下として自身のコピーを作成します。

  • {Drive Letter}:\{Malware File Name}.vbs → attributes set to System & Hidden

マルウェアは、感染コンピュータ上にフォルダやファイルに偽装したショートカットファイル(拡張子「LNK」)を作成して自身のコピーへ誘導します。

バックドア活動

ワームは、不正リモートユーザからの以下のコマンドを実行します。

  • "execute" → Executes arbitrary command from the C&C server
  • "update" → Updates malware code and restart the malware
  • "uninstall" → Uninstalls the malware
  • "send" → Downloads a file from the C&C server, saves it in a specified directory and run it
  • "site-send" → Downloads a file from the C&C server and run it
  • "recv" → Sends a file from a specified URL to the C&C server
  • "enum-driver " → Retrieves list of drives
  • "enum-faf" → Retrieves information about files and folders in a specified directory
  • "enum-process" → Retrieves information about running processes
  • "cmd-shell" → Executes a command using Command Prompt and retrieves its output
  • "delete" → Deletes a file or folder
  • "exit-process" → Forcefully terminates a process and all its children
  • "sleep" → Running script sleeps for a specified amount of time

ワームは、以下のWebサイトにアクセスし、不正リモートユーザからのコマンドを送受信します。

  • http://{BLOCKED}ip.biz:82/

ただし、情報公開日現在、このWebサイトにはアクセスできません。

ルートキット機能

ワームは、ルートキット機能を備えていません。

情報漏えい

ワームは、以下の情報を収集します。

  • Computer name
  • Username
  • OS name
  • Volume serial number
  • Antivirus programs installed in the system

その他

ワームは、以下のレジストリキーを追加します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\{Malware File Name}

ワームは、以下を実行します。

  • It sets the attributes of non-LNK files and folders in the infected drive to System & Hidden

マルウェアは、脆弱性を利用した感染活動を行いません。

<補足>
インストール

ワームは、感染したコンピュータ内に以下として自身のコピーを作成し、実行します。

  • %User Temp%\{マルウェアのファイル名}.vbs

ワームは、以下のプロセスを追加します。

  • %System%\wscript.exe //B "%User Temp%\{マルウェアのファイル名}.vbs"

感染活動

ワームは、すべてのリムーバブルドライブ内に以下として自身のコピーを作成します。

  • {ドライブ文字}:\{マルウェアのファイル名}.vbs → 属性をシステムファイル属性および隠しファイル属性に設定する

バックドア活動

ワームは、不正リモートユーザからの以下のコマンドを実行します。

  • "execute" → C&Cサーバからの任意のコマンドを実行する
  • "update" → マルウェアコードを更新し、マルウェアを再起動する
  • "uninstall" → マルウェアをアンインストールする
  • "send" → C&Cサーバからファイルをダウンロードし、指定されたディレクトリ内に保存して実行する
  • "site-send" → C&Cサーバからファイルをダウンロードして実行する
  • "recv" → 指定されたURLからC&Cサーバにファイルを送信する
  • "enum-driver " → ドライブの一覧を取得する
  • "enum-faf" → 指定されたディレクトリ内のファイルおよびフォルダに関する情報を取得する
  • "enum-process" → 実行中のプロセスに関する情報を取得する
  • "cmd-shell" → コマンドプロンプトを使用してコマンドを実行し、その出力を取得する
  • "delete" → ファイルまたはフォルダを削除する
  • "exit-process" → プロセスおよびその子プロセスすべてを強制終了する
  • "sleep" → 実行中のスクリプトを指定された時間スリープさせる

ワームは、以下のWebサイトにアクセスし、不正リモートユーザからのコマンドを送受信します。

  • http://{BLOCKED}ip.biz:82/

情報漏えい

ワームは、以下の情報を収集します。

  • コンピュータ名
  • ユーザ名
  • オペレーティングシステム(OS)の名前
  • ボリュームシリアル番号
  • コンピュータ内にインストールされているウイルス対策製品

その他

ワームは、以下を実行します。

  • 感染したドライブ内のショートカットファイル(拡張子「LNK」)以外のファイルおよびフォルダの属性をシステムファイル属性および隠しファイル属性に設定します。

  対応方法

対応検索エンジン: 9.800
初回 VSAPI パターンバージョン 19.402.05
初回 VSAPI パターンリリース日 2024年6月13日
VSAPI OPR パターンバージョン 19.403.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2024年6月14日

手順 1

トレンドマイクロの機械学習型検索は、マルウェアの存在を示す兆候が確認された時点で検出し、マルウェアが実行される前にブロックします。機械学習型検索が有効になっている場合、弊社のウイルス対策製品はこのマルウェアを以下の機械学習型検出名として検出します。

    • Downloader.VBS.TRX.XXVBS82EFF050

手順 2

Windows 7、Windows 8、Windows 8.1、および Windows 10 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 3

このマルウェアもしくはアドウェア等の実行により、手順中に記載されたすべてのファイル、フォルダおよびレジストリキーや値がコンピュータにインストールされるとは限りません。インストールが不完全である場合の他、オペレーティングシステム(OS)の条件によりインストールがされない場合が考えられます。手順中に記載されたファイル/フォルダ/レジストリ情報が確認されない場合、該当の手順の操作は不要ですので、次の手順に進んでください。

手順 4

Windowsをセーフモードで再起動します。

[ 詳細 ]

手順 5

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • {Malware File Name} = wscript.exe //B %User Temp%\{Malware FIle Name}.{Malware FIle Extension}
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • {Malware File Name} = wscript.exe //B %User Temp%\{Malware FIle Name}.{Malware FIle Extension}
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\{Malware File Name}
    • (Default) = {true or false} - {Date of first execution on the system}

手順 6

このレジストリキーを削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\{Malware File Name}

手順 7

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性の場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • %User Temp%\{Malware FIle Name}.{Malware FIle Extension}
  • %User Startup%\{Malware FIle Name}.{Malware FIle Extension}
  • {Infected Drive}:\{Malware File Name}.vbs
  • {Infected Drive}:\{Created LNK files}

手順 8

  1. コマンドプロンプトを起動します。
    • Windows 2000、XP および Server 2003 の場合:
      [スタート]-[ファイル名を指定して実行]を選択し、cmd と入力し、Enter を押します。
    • Windows Vista、7、Server 2008 の場合:
      [スタート]をクリックし、検索入力欄に cmd と入力し、Enter を押します。
    • Windows 8、8.1 および Server 2012 の場合:
      [スタート]-[プログラムとファイルの検索]に cmd と入力し、Enter を押します。画面の左下隅を右クリックし、[コマンド プロンプト]を選択します。
      cmd は半角英数字で入力する必要があります(大文字/小文字は区別されません)。
  2. コンソールウィンドウに以下を入力します。
  3. ATTRIB [+R | -R] [+A | -A ] [+S | -S] [+H | -H] [+I | -I] [ドライブ:][パス][ファイル名] [/S [/D] [/L]]

    各コマンドの意味は以下のとおりです。
    +:属性の設定
    -:属性の解除
    R:読み取り専用属性
    A:アーカイブ属性
    S:システムファイル属性
    H:隠しファイル属性
    I:非インデックス対象ファイル属性
    [drive:][path][filename]
    [ドライブ:][パス][ファイル名]:attribで処理するファイルの指定
    /S:現在のフォルダとすべてのサブフォルダ内で一致するファイルの処理
    /D:フォルダも処理
    /L:Symbolic Link(シンボリックリンク)のターゲットに対するシンボリックリンク属性での動作

    コマンド例:
    Dドライブ内のサブフォルダを含むすべてのフォルダおよびファイルの隠しファイル属性を解除する場合。
    • ATTRIB -H D:\* /S /D
  4. 他のドライブやディレクトリ内のフォルダおよびファイルに対して、手順 3.)を繰り返してください。

手順 9

コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「Worm.VBS.DUNIHI.NBJ」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。

手順 10

最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、ウイルス検索を実行してください。「Worm.VBS.DUNIHI.NBJ」と検出したファイルはすべて削除してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


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