解析者: JasperM   

 プラットフォーム:

Windows 2000, XP, Server 2003

 危険度:
 感染確認数:
 システムへの影響:
 情報漏えい:

  • マルウェアタイプ:
    スパイウェア

  • 破壊活動の有無:
    なし

  • 暗号化:
    なし

  • 感染報告の有無 :
    はい

  概要

スパイウェアは、他のマルウェアもしくはグレイウェア、または不正リモートユーザによるスパムメールに添付され、コンピュータに侵入します。

スパイウェアは、ランダムにポートを開き、不正リモートユーザが感染コンピュータに接続できるようにします。接続されると、不正リモートユーザは、感染コンピュータ上でのコマンド実行が可能となります。

スパイウェアは、Internet Explorer(IE)のゾーン設定を変更します。

スパイウェアは、ユーザ名およびパスワードといったオンラインバンキングに関連した個人情報を収集します。これにより、収集された情報は不正リモートユーザにより悪用される可能性があります。 スパイウェアは、特定の銀行および金融機関のWebサイトで利用されるユーザ名やパスワードなどの個人情報を収集します。

  詳細

ファイルサイズ 120,832 bytes
タイプ PE
メモリ常駐 はい
発見日 2010年8月13日
ペイロード ファイルのダウンロード, システムセキュリティへの感染活動

侵入方法

スパイウェアは、他のマルウェアもしくはグレイウェア、または不正リモートユーザによるスパムメールに添付され、コンピュータに侵入します。

スパイウェアは、以下のリモートサイトからダウンロードされ、コンピュータに侵入します。

  • https://{BLOCKED}.{BLOCKED}.146.14/box2/master.tmp

インストール

スパイウェアは、以下のフォルダを追加します。

  • %Application Data%\jh87uhnoe3
  • %Windows%\jh87uhnoe3

(註:%Application Data%フォルダは、 Windows 2000、XP、Server 2003 の場合 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data" 、 Windows NTの場合 "C:\WINNT\Profiles\<ユーザ名>\Application Data"、Windows 98 および MEの場合、"C:\Windows\Profiles\<ユーザ名>\Application Data" です。. %Windows%はWindowsの種類とインストール時の設定などにより異なります。標準設定では、Windows9x、Me、XP、Server 2003の場合、"C:\Window"、WindowsNT および 2000の場合、"C:\WINNT" です。)

他のシステム変更

スパイウェアは、インストールの過程で、以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Microsoft\
Windows NT\CurrentVersion\Network
PID = {machine name}_{random}

スパイウェアは、インストールの過程で、以下のレジストリキーを追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Explorer\
{19127AD2-394B-70F5-C650-B97867BAA1F7}

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Explorer\
{4B19E1F3-5B47-C615-C75A-E0FD63DB477F}

HKEY_USERS\.DEFAULT\Software\
Microsoft\Windows\CurrentVersion\
Explorer\{19127AD2-394B-70F5-C650-B97867BAA1F7}

HKEY_USERS\.DEFAULT\Software\
Microsoft\Windows\CurrentVersion\
Explorer\{4B19E1F3-5B47-C615-C75A-E0FD63DB477F}

バックドア活動

スパイウェアは、ランダムにポートを開き、不正リモートユーザが感染コンピュータ上にアクセスするのを可能にします。接続されると、不正リモートユーザは、感染コンピュータ上でコマンドを実行します。

Webブラウザのホームページおよび検索ページの変更

スパイウェアは、IEのゾーン設定を変更します。

情報漏えい

スパイウェアは、感染したコンピュータ上でInternet Explorer(IE)の使用状況を監視します。スパイウェアは、特にIEのアドレスバーまたはタイトルバー情報を監視しますが、ユーザが銀行関連Webサイトを閲覧しそのサイトのアドレスバーまたはタイトルバーに以下の文字列が含まれていた場合、正規Webサイトを装った偽のログインページを作成します。

  • www.gruposantander.es
  • *chase.com*
  • www.firstcitizens.com
  • online.wellsfargo.com

スパイウェアは、ユーザ名およびパスワードといったオンラインバンキングに関連した個人情報を収集します。これにより、収集された情報は不正リモートユーザにより悪用される可能性があります。

スパイウェアは、以下のWebサイトにアクセスし、自身の環境設定ファイルをダウンロードします。

  • https://{BLOCKED}.{BLOCKED}.146.12/box1/1.gif

スパイウェアは、以下の銀行もしくは金融機関で利用される個人情報を収集します。

  • Santader
  • Wellsfargo
  • First Citizens Bank
  • Chase

情報収集

収集した情報は、以下のファイルに保存されます。

  • %Application Data%\jh87uhnoe3\ewfrvbb.nls
  • %Windows%\jh87uhnoe3\ewfrvbb.nls

(註:%Application Data%フォルダは、 Windows 2000、XP、Server 2003 の場合 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data" 、 Windows NTの場合 "C:\WINNT\Profiles\<ユーザ名>\Application Data"、Windows 98 および MEの場合、"C:\Windows\Profiles\<ユーザ名>\Application Data" です。. %Windows%はWindowsの種類とインストール時の設定などにより異なります。標準設定では、Windows9x、Me、XP、Server 2003の場合、"C:\Window"、WindowsNT および 2000の場合、"C:\WINNT" です。)

スパイウェアは、HTTPポスト を介して、収集した情報を以下のURLに送信します。

  • https://{BLOCKED}.{BLOCKED}.146.14/box2/update.php

ハッシュ値情報

スパイウェアは、以下のMD5ハッシュ値を含んでいます。

  • c82098119fd39530e09214625bf35097

スパイウェアは、以下のSHA1ハッシュ値を含んでいます

  • a50d7c4bbc503b0de7944e4099a560dd76e466fe

  対応方法

対応検索エンジン: 8.900
VSAPI OPR パターンバージョン 7.383.80
VSAPI OPR パターンリリース日 2010年8月14日

手順 1

Windows XP および Windows Server 2003 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\Network
    • PID={machine name}_{random}

手順 3

変更されたレジストリ値を修正します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\Winlogon
    • From: Userinit = %System%\userinit.exe,%WINDOWS%\host32.exe,
      To: Userinit = %System%\userinit.exe,

手順 4

このレジストリキーを削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer
    • {19127AD2-394B-70F5-C650-B97867BAA1F7}
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer
    • {4B19E1F3-5B47-C615-C75A-E0FD63DB477F}
  • In HKEY_USERS\.DEFAULT\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer
    • {19127AD2-394B-70F5-C650-B97867BAA1F7}
  • In HKEY_USERS\.DEFAULT\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer
    • {4B19E1F3-5B47-C615-C75A-E0FD63DB477F}

手順 5

最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、ウイルス検索を実行してください。「TSPY_ZBOT.TER」と検出したファイルはすべて削除してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


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