解析者: Christopher Daniel So   

 プラットフォーム:

Windows 2000, Windows Server 2003, Windows XP (32-bit, 64-bit), Windows Vista (32-bit, 64-bit), Windows 7 (32-bit, 64-bit)

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:
 情報漏えい:

  • マルウェアタイプ:
    スパイウェア

  • 破壊活動の有無:
    なし

  • 暗号化:
     

  • 感染報告の有無 :
    はい

  概要

スパイウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

スパイウェアは、作成されたファイルを実行します。

  詳細

ファイルサイズ 430,592 bytes
タイプ EXE
メモリ常駐 なし
発見日 2014年5月13日

侵入方法

スパイウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

スパイウェアは、感染したコンピュータ内に以下のように自身のコピーを作成します。

  • %User Temp%\{random folder}\{random file name}.exe

(註:%User Temp%フォルダはWindowsの種類とインストール時の設定などにより異なります。標準設定では、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、"C:\Documents and Settings\<ユーザー名>\Local Settings\Temp"、Windows Vista および 7 の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local\Temp" です。)

スパイウェアは、以下のフォルダを作成します。

  • %User Temp%\{random folder}

(註:%User Temp%フォルダはWindowsの種類とインストール時の設定などにより異なります。標準設定では、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、"C:\Documents and Settings\<ユーザー名>\Local Settings\Temp"、Windows Vista および 7 の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local\Temp" です。)

自動実行方法

スパイウェアは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
{random string} = ""%User Temp%\{random folder}\{random file name}.exe""

スパイウェアは、作成されたコンポーネントをシステムサービスとして登録し、Windows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\{random file name 2}
Tag = "1"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\{random file name 2}
DisplayName = "{malware file name}.exe"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\{random file name 2}
Start = "0"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\{random file name 2}
ImagePath = "\SystemRoot\System32\Drivers\{random file name 2}.sys"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\{random file name 2}
Group = "Boot Bus Extender"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\{random file name 2}
Type = "1"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\{random file name 2}
ErrorControl = "0"

スパイウェアは、作成されたコンポーネントをシステムサービスとして登録し、Windows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリキーを追加します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\{random file name 2}

他のシステム変更

スパイウェアは、以下のレジストリキーを追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
{random key}

スパイウェアは、以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\SharedAccess\Parameters\
FirewallPolicy\StandardProfile
DisableNotifications = "0"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\SharedAccess\Parameters\
FirewallPolicy\StandardProfile\GloballyOpenPorts\
List
5165:TCP = "5165:TCP:*:Enabled:TCP 5165"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\SharedAccess\Parameters\
FirewallPolicy\StandardProfile\GloballyOpenPorts\
List
4733:UDP = "4733:UDP:*:Enabled:UDP 4733"

作成活動

スパイウェアは、以下のファイルを作成します。

  • %System%\Drivers\{random file name 2}.sys

(註:%System%フォルダはWindowsの種類とインストール時の設定などにより異なります。標準設定では "C:\Windows\System32" です。)

スパイウェアは、作成されたファイルを実行します。

  対応方法

対応検索エンジン: 9.700
初回 VSAPI パターンバージョン 10.728.05
初回 VSAPI パターンリリース日 2014年4月15日
VSAPI OPR パターンバージョン 10.729.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2014年4月16日

手順 1

Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

このマルウェアのパス名およびファイル名を確認します。
最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用いてウイルス検索を実行してください。「TSPY_ZBOT.SMJD」で検出したパス名およびファイル名を確認し、メモ等をとってください。

手順 3

このマルウェアは、通常モードまたはセーフモード下での検出および削除手順では、マルウェアを完全に削除することができない場合があります。そのため、以下の方法で Windows の回復コンソールを使用し、コンピュータを再起動してください。

•Windows 2000、XP および Server 2003 の場合

  1. Windows のインストール CD を使用して、コンピュータを再起動します。
  2. [セットアップへようこそ] 画面で、修復の R キーを押します。 (註: Windows2000 の場合、R キーを入力後 C キーを入力し、[修復オプション]から[回復コンソール]を選択します。)
  3. キーボードを選択します。
  4. 修復する Windows がインストールされているドライブを選択します(通常は 1 を選択します)。
  5. 管理者のパスワードを入力し、Enter を押します。管理者パスワードがない場合は、何も入力せずに Enter を押します。
  6. コマンドプロンプトに、以下のコマンドを入力し、Enter を押してください。
    SET AllowAllPaths = TRUE
    del "%System%\Drivers\{random file name 2}.sys"
  7. コマンドプロンプトに exit と入力し、コンピュータを再起動してください。

•Windows Vista および 7 の場合

  1. Windows のインストール DVD を使用して、コンピュータを再起動します。
  2. 再起動するかどうかの確認画面が表示されたら、いずれかのキーを入力し、表示される指示に従います。
  3. Windows のインストールDVDによっては、インストールする言語の選択が必要になる場合があります。 Windows のインストール画面で、言語、ロケール情報およびキーボードの種類と入力方法を選択します。[コンピュータを修復する]をクリックします。
  4. コンピュータを修復します。[次へ]-[コンピューターの修復]をクリックします。
  5. [システム回復オプション]で、[Windows の起動に伴う修復用の回復ツールを使用します。修復するオペレーティングシステムを選択してください。]を選択し、該当のオペレーティングシステムを選びます。そして[次へ]をクリックします。
  6. [スタートアップ修復]画面が表示された場合、[キャンセル]-[はい]-[完了]をクリックします。
  7. [システム回復オプション]メニューで、[コマンドプロンプト]をクリックします。
  8. 以下のコマンドを入力し、Enter を押します。
    del "%System%\Drivers\{random file name 2}.sys"
    ※Windows 7 の場合、すべてのローカルドライブは、通常よりひとつ多く割り当てられています。例:C:ドライブは、D:ドライブとなります。
  9. コマンドプロンプトに exit と入力し、Enter を押して、コマンドプロンプトを閉じます。
  10. [再起動]をクリックしてコンピュータを通常どおり再起動してください。

手順 4

Windowsをセーフモードで再起動します。

[ 詳細 ]

手順 5

以下のレジストリキーを削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft
    • {random key}
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services
    • {random file name 2}

手順 6

以下のレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • {random string} = ""%User Temp%\{random folder}\{random file name}.exe""
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\SharedAccess\Parameters\FirewallPolicy\StandardProfile
    • DisableNotifications = "0"
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\SharedAccess\Parameters\FirewallPolicy\StandardProfile\GloballyOpenPorts\List
    • 4733:UDP = "4733:UDP:*:Enabled:UDP 4733"
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\SharedAccess\Parameters\FirewallPolicy\StandardProfile\GloballyOpenPorts\List
    • 5165:TCP = "5165:TCP:*:Enabled:TCP 5165"

手順 7

以下のフォルダを検索し削除します。

[ 詳細 ]
註:このフォルダは、隠しフォルダとして設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • %User Temp%\{random folder}

手順 8

コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「TSPY_ZBOT.SMJD」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


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