解析者: Sabrina Lei Sioting   

 プラットフォーム:

Windows 2000, XP, Server 2003

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:

  • マルウェアタイプ:
    スパイウェア

  • 破壊活動の有無:
    なし

  • 暗号化:
    なし

  • 感染報告の有無 :
    はい

  概要

スパイウェアは、ユーザ名およびパスワードといったオンラインバンキングに関連した個人情報を収集します。これにより、収集された情報は不正リモートユーザにより悪用される可能性があります。

スパイウェアは、"Outpost Personal Firewall" および "ZoneLabs Firewall Client" に関連する以下のプロセスの存在を確認します。 上記のプロセスのいずれかの存在を確認すると、スパイウェアは、そのプロセスを終了します。これにより、確実に自身を実行します。

  詳細

ファイルサイズ 122,368 bytes
メモリ常駐 はい
発見日 2010年8月23日

インストール

スパイウェアは、<Windowsシステムフォルダ>に自身のコピーを作成し、作成したコピーの末尾に判別不可能なコードを追記します。これにより、検出を避けます。作成したコピーには、以下のファイル名が用いられます。

  • sdra64.exe

スパイウェアは、以下の無害なファイルを作成します。

  • %system%\lowsec\user.ds - used to save the gathered information
  • %system%\lowsec\local.ds - copy of the encrypted downloaded file

スパイウェアは、以下のフォルダの属性をシステムフォルダおよび隠しフォルダに設定します。これにより、自身のコンポーネントの検出および削除を避けます。

  • %system%\lowsec

スパイウェアは、以下の Mutex を作成し、メモリ上で自身の重複実行を避けます。

  • _AVIRA_2108
  • _AVIRA_2109

スパイウェアは、以下のプロセスに自身を組み込み、システムのプロセスに常駐します。

  • Winlogon.exe
  • Svchost.exe

自動実行方法

スパイウェアは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を変更します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows NT\CurrentVersion\Winlogon
Userinit = %System%\userinit.exe, %System%\sdra64.exe,

(註:変更前の上記レジストリ値は、「%System%\Userinit.exe」となります。)

他のシステム変更

スパイウェアは、インストールの過程で以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows NT\CurrentVersion\Network
UID = {computer name}_{random numbers}

情報漏えい

スパイウェアは、ユーザ名およびパスワードといったオンラインバンキングに関連した個人情報を収集します。これにより、収集された情報は不正リモートユーザにより悪用される可能性があります。

スパイウェアは、以下のWebサイトにアクセスし、自身の環境設定ファイルをダウンロードします。

  • http://{BLOCKED}z.com/bla/cf.bin

なお、このファイルの内容である監視Webサイトのリストは、常時変更されます。

情報収集

収集した情報は、以下のファイルに保存されます。

  • %system%\lowsec\user.ds

その他

情報公開日現在、スパイウェアの感染活動は確認されていません。

スパイウェアは、 Outpost Personal FirewallおよびZoneLabs Firewall Clientに関連する以下のプロセスの存在を確認します。

  • outpost.exe
  • zlclient.exe

解析の結果、スパイウェアによるバックドア活動は確認されませんでした。

  対応方法

対応検索エンジン: 8.900
VSAPI パターンファイル: 07.402.12
VSAPI パターンリリース日: 2010年8月23日
VSAPI パターンリリース日: 8/23/2010 12:00:00 AM

手順 1

このマルウェアのパス名およびファイル名を確認します。
最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用いてウイルス検索を実行してください。「TSPY_ZBOT.PLL」で検出したパス名およびファイル名を確認し、メモ等をとってください。

手順 2

Windows XP および Windows Server 2003 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 3

回復コンソールを使用して、TSPY_ZBOT.PLL として検出されるファイルを確認し、削除します。

[ 詳細 ]

手順 4

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\Network
    • UID={computer name}_{random numbers}

手順 5

変更されたレジストリ値を修正します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

 
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\Winlogon
    • From: Userinit=%System%\userinit.exe, %System%\sdra64.exe,
      To: %System%\Userinit.exe

手順 6

最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、ウイルス検索を実行してください。「TSPY_ZBOT.PLL」と検出したファイルはすべて削除してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


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