解析者: Nikko Tamana   

 別名:

Troj/Zbot-DQX (Sophos), Trojan-Spy.Win32.Zbot (Ikarus), Trojan-Spy.Win32.Zbot.ijqh (Kaspersky), a variant of Win32/Injector.Autoit.EO trojan, a variant of Win32/Injector.Autoit.EO trojan (NOD32), Trojan.Zbot (Norton)

 プラットフォーム:

Windows 2000, Windows Server 2003, Windows XP (32-bit, 64-bit), Windows Vista (32-bit, 64-bit), Windows 7 (32-bit, 64-bit)

 危険度:
 感染確認数:
 システムへの影響:
 情報漏えい:

  • マルウェアタイプ:
    スパイウェア

  • 破壊活動の有無:
    なし

  • 暗号化:
    はい

  • 感染報告の有無 :
    はい

  概要

感染経路 他のマルウェアからの作成, インターネットからのダウンロード

スパイウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

スパイウェアは、すべての実行中プロセスに組み込まれ、システムのプロセスに常駐します。

スパイウェアは、ワーム活動の機能を備えていません。

スパイウェアは、バックドア活動の機能を備えていません。

スパイウェアは、Internet Explorer(IE)のセキュリティ設定を変更します。これにより、スパイウェアは、悪意のあるWebサイトへのアクセスが可能になり、感染コンピュータはさらなる脅威にさらされることとなります。

スパイウェアは、実行後、自身を削除します。

  詳細

ファイルサイズ 417,949 bytes
タイプ EXE
メモリ常駐 はい
発見日 2013年1月23日
ペイロード URLまたはIPアドレスに接続, 情報収集, システムセキュリティへの感染活動

侵入方法

スパイウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

スパイウェアは、感染したコンピュータ内に以下として自身のコピーを作成し、実行します。

  • %Application Data%\{random folder 1}\{random}.exe

(註:%Application Data%フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data"、Windows Vista および 7 の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming" です。)

スパイウェアは、以下のファイルを作成します。

  • %Application Data%\{random folder 2}\{random}.{random ext}
  • %Application Data%\Microsoft\Address Book\{username}.wab
  • %Application Data%\Microsoft\Address Book\{username}.wab~
  • %User Temp%\tmp{random values}.bat - Deletes the initial executed copy of malware

(註:%Application Data%フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data"、Windows Vista および 7 の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming" です。. %User Temp%フォルダはWindowsの種類とインストール時の設定などにより異なります。標準設定では、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、"C:\Documents and Settings\<ユーザー名>\Local Settings\Temp"、Windows Vista および 7 の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local\Temp" です。)

スパイウェアは、以下のフォルダを作成します。

  • %Application Data%\{random folder 1}
  • %Application Data%\{random folder 2}
  • %Application Data%\Microsoft\Address Book

(註:%Application Data%フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data"、Windows Vista および 7 の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming" です。)

スパイウェアは、すべての実行中プロセスに組み込まれ、システムのプロセスに常駐します。

自動実行方法

スパイウェアは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
{GUID} = "%Application Data%\{random folder 1}\{random}.exe"

他のシステム変更

スパイウェアは、以下のレジストリキーを追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
{random}

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
WAB

スパイウェアは、以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
WAB\WAB4\Wab File Name
(Default) = "%Application Data%\Microsoft\Address Book\{username}.wab"

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
{random}
{random 1} = "{random characters}"

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Internet Explorer\Privacy
CleanCookies = "0"

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
{random}
{random 2} = "{random characters}"

スパイウェアは、以下のレジストリ値を変更します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Internet Settings\
Zones\0
1609 = "0"

(註:変更前の上記レジストリ値は、「1」となります。)

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Internet Settings\
Zones\1
1406 = "0"

(註:変更前の上記レジストリ値は、「1」となります。)

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Internet Settings\
Zones\1
1609 = "0"

(註:変更前の上記レジストリ値は、「1」となります。)

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Internet Settings\
Zones\2
1609 = "0"

(註:変更前の上記レジストリ値は、「1」となります。)

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Internet Settings\
Zones\3
1406 = "0"

(註:変更前の上記レジストリ値は、「1」となります。)

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Internet Settings\
Zones\3
1609 = "0"

(註:変更前の上記レジストリ値は、「1」となります。)

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Internet Settings\
Zones\4
1406 = "0"

(註:変更前の上記レジストリ値は、「3」となります。)

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Internet Settings\
Zones\4
1609 = "0"

(註:変更前の上記レジストリ値は、「1」となります。)

スパイウェアは、以下のレジストリ値を作成し、Windowsのファイアウォールを回避します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\SharedAccess\Parameters\
FirewallPolicy\StandardProfile\AuthorizedApplications\
List
%Windows%\explorer.exe = "%Windows%\explorer.exe:*:Enabled:Windows Explorer"

感染活動

スパイウェアは、ワーム活動の機能を備えていません。

バックドア活動

スパイウェアは、バックドア活動の機能を備えていません。

Webブラウザのホームページおよび検索ページの変更

スパイウェアは、IEのゾーン設定を変更します。

情報漏えい

スパイウェアは、以下のWebサイトにアクセスし、自身の環境設定ファイルをダウンロードします。

  • http://{BLOCKED}ain.com/config/config.php
  • http://{BLOCKED}12mne.com/plugins/config/index.php

情報収集

スパイウェアは、HTTPポスト を介して、収集した情報を以下のURLに送信します。

  • http://{BLOCKED}12mne.com/plugins/adm/gate.php

その他

スパイウェアは、実行後、自身を削除します。

スパイウェアが作成するファイルは、以下のとおりです。

  • %Application Data%\<ランダムなフォルダ2>\<ランダム>.<ランダムな拡張子>
  • %Application Data%\Microsoft\Address Book\<ユーザ名>.wab
  • %Application Data%\Microsoft\Address Book\<ユーザ名>.wab~
  • %User Temp%\tmp<ランダムな値>.bat - 最初に実行された自身のコピーを削除する

この環境設定ファイルには、スパイウェアが自身のコピーの更新版をダウンロードするURLおよびスパイウェアが収集した情報を送信するURLが含まれている可能性があります。また、スパイウェアが情報を収集する、対象となるオンラインバンクのWebサイトや金融関連のWebサイトのURLを含む可能性もあります。監視するWebサイトのリストであるこのファイルの内容は、常に変更される可能性があることにご注意ください。

また、スパイウェアは、感染コンピュータから以下の情報を収集する可能性があります。

  • クッキーファイル内の情報(URL)
  • Eメールに関連する情報(アカウント名、Eメールアドレス、パスワード、サーバのデータ、サーバのポート)
  • ユーザのWindowsアドレス帳ファイル(拡張子WAB)内に保存されたEメールに関連する情報

マルウェアは、ルートキット機能を備えていません。

マルウェアは、脆弱性を利用した感染活動を行いません。

  対応方法

対応検索エンジン: 9.300
初回 VSAPI パターンバージョン 9.676.02
初回 VSAPI パターンリリース日 2013年1月23日
VSAPI OPR パターンバージョン 9.677.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2013年1月24日

手順 1

Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

Windowsをセーフモードで再起動します。

[ 詳細 ]

手順 3

このレジストリキーを削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft
    • WAB

手順 4

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • {GUID} = "%Application Data%\{random folder 1}\{random}.exe"
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Internet Explorer\Privacy
    • CleanCookies = "0"
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\SharedAccess\Parameters\FirewallPolicy\StandardProfile\AuthorizedApplications\List
    • %Windows%\explorer.exe = "%Windows%\explorer.exe:*:Enabled:Windows Explorer"

手順 5

以下のフォルダを検索し削除します。

[ 詳細 ]
フォルダが隠しフォルダ属性に設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • %Application Data%\{random folder 1}
  • %Application Data%\{random folder 2}
  • %Application Data%\Microsoft\Address Book

手順 6

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性に設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • %User Temp%\tmp{random values}.bat

手順 7

Internet Explorer(IE)のセキュリティ設定を修正します。

[ 詳細 ]

手順 8

コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「TSPY_ZBOT.MNL」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。

註:

このスパイウェアがインストールの過程で追加する以下のレジストリキーには、参照可能な値が存在しないため、ユーザの手動検索によって確認することができません。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\{random}

そのため、ユーザがデータのバックアップを行なっている場合にのみ、保存されている前データと比較することでこのスパイウェアによって追加された{random}を確認することが可能となります。なお、追加されたキー「{random}」は、コンピュータに悪影響を与えるものではないため、削除する必要はありません。


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