解析者: Christopher Daniel So   

 プラットフォーム:

Windows 2000, XP, Server 2003

 危険度:
 感染確認数:
 システムへの影響:
 情報漏えい:

  • マルウェアタイプ:
    スパイウェア

  • 破壊活動の有無:
    なし

  • 暗号化:
    はい

  • 感染報告の有無 :
    はい

  概要

ユーザが監視サイトのいずれかにアクセスすると、スパイウェアは、キー入力操作情報を収集します。 スパイウェアは、特定の銀行および金融機関のWebサイトで利用されるユーザ名やパスワードなどの個人情報を収集します。

  詳細

ファイルサイズ 150,528 bytes
タイプ PE
メモリ常駐 はい
発見日 2010年11月8日

感染ポイント

スパイウェアは、以下のWebサイトからダウンロードされたファイルとして、コンピュータに侵入します。

  • http://{BLOCKED}nc.asia/t1me/timesync1.exe

インストール

スパイウェアは、以下のファイルを作成します。

  • %User Profile%\Application Data\{random folder name 1}\{random file name 1}.exe
  • %User Profile%\Application Data\{random folder name 2}\{random file name 2}

(註:%User Profile% フォルダは、Windows 98 および MEの場合、"C:\Windows\Profiles\<ユーザ名>"、Windows NTでは、"C:\WINNT\Profiles\<ユーザ名>"、Windows 2000, XP, Server 2003の場合は、"C:\Documents and Settings\<ユーザ名>" です。)

スパイウェアは、以下のフォルダを作成します。

  • %User Profile%\Application Data\{random folder name 1}
  • %User Profile%\Application Data\{random folder name 2}

(註:%User Profile% フォルダは、Windows 98 および MEの場合、"C:\Windows\Profiles\<ユーザ名>"、Windows NTでは、"C:\WINNT\Profiles\<ユーザ名>"、Windows 2000, XP, Server 2003の場合は、"C:\Documents and Settings\<ユーザ名>" です。)

スパイウェアは、以下のプロセスに自身を組み込み、システムのプロセスに常駐します。

  • explorer.exe
  • rdpclip.exe
  • ctfmon.exe
  • wscntfy.exe
  • taskeng.exe
  • taskhost.exe
  • dwm.exe

自動実行方法

スパイウェアは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
{random CLSID} = %User Profile%\Application Data\{random folder name 1}\{random file name 1}.exe

他のシステム変更

スパイウェアは、インストールの過程で、以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
{random key}

情報漏えい

スパイウェアは、以下のWebサイトにアクセスし、自身の環境設定ファイルをダウンロードします。

  • http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.143.131/~regularsys/t1me/cash1.bin

ユーザが監視サイトのいずれかにアクセスすると、スパイウェアは、キー入力操作情報を収集します。

スパイウェアは、Webサイトにアクセスしてファイルをダウンロードします。ダウンロードされたファイルには、自身のコピーの更新版ファイルのダウンロード元および収集した情報の送信先が記載されています。なお、上記でダウンロードされたファイルは、環境設定ファイルで、このスパイウェアが情報収集の際に対象とする以下の金融関連Webサイトのリストを含んでいます。

  • *.westpac.com.au/*
  • *.com.au/DAIB/*
  • *.adcu.com.au/mvp352/*
  • *.netteller.com.au/*
  • *.humebuild.com.au/*
  • *.hbs.net.au/hbsv47/*
  • */hbsv47/*
  • */Citrix/*
  • *citrix*
  • *factor2.inetbank.net.au/*
  • *.teacherscreditunion.com.au/*
  • *.accu.com.au/*
  • *.qpcu.org.au/myviewpoint/*
  • */myviewpoint/*
  • *.cuviewpoint.net/*
  • */ntv47.asp?WCI=login*
  • */ntv45.asp?WCI=login*
  • */ntv451.asp?WCI=login*
  • *cu.com.au/*
  • *union.com.au/*
  • https://online.mecu.com.au*Balance*
  • https://online.mecu.com.au*funds*
  • https://online.westpac.com.au*startpage*
  • https://online.westpac.com.au*bpd_pygetdetails*
  • https://ibs.bankwest.com.au*Balances*
  • https://ibs.bankwest.com.au/*/DailyLimits*
  • https://www.bendigobank.com.au/banking/BBLIBanking*
  • https://www.bendigobank.com.au/*/ReduceLimitSetup*
  • https://internetbanking.suncorpbank.com.au/*Accounts*
  • https://internetbanking.suncorpbank.com.au/*DailyLimit*
  • http*internetbanking.suncorpbank.com.au*
  • https://online.westpac.com.au/esis/Login/SrvPage*
  • http*secure.ampbanking.com/au/Logon*
  • http*online.qccu.com.au/*

ダウンロードされたファイルには、自身のコピーの更新版ファイルのダウンロード元および収集した情報の送信先が記載されています。

なお、このファイルの内容である監視Webサイトのリストは、常時変更されます。

スパイウェアは、以下の銀行もしくは金融機関で利用される個人情報を収集します。

  • AMP
  • Bankwest Online Banking
  • Bendigo Bank
  • Mecu
  • NetTeller
  • Suncorp Bank
  • Westpac

情報収集

スパイウェアは、HTTPポスト を介して、収集した情報を以下のURLに送信します。

  • http://{BLOCKED}nc.asia/t1me/gat3.php

その他

解析の結果、スパイウェアによるバックドア活動は確認されませんでした。

ハッシュ値情報

スパイウェアは、以下のMD5ハッシュ値を含んでいます。

  • 27f090cdcf338f4a90f73e3cc4c928a4

スパイウェアは、以下のSHA1ハッシュ値を含んでいます

  • 16365441da6d48b3772df4a353e9dc932745bb90

  対応方法

対応検索エンジン: 8.900
VSAPI パターンファイル: 7.602.01
VSAPI パターンリリース日: 2010年11月8日
VSAPI パターンリリース日: 11/8/2010 12:00:00 AM

手順 1

Windows XP および Windows Server 2003 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

スタートアップディスク、または、回復コンソールを用いて、「TSPY_ZBOT.III」として検出されたファイルを確認し削除します。

[ 詳細 ]

手順 3

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • {random CLSID}=%User Profile%\Application Data\{random folder name 1}\{random file name 1}.exe

手順 4

このレジストリキーを削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft
    • {random key}

手順 5

以下のフォルダを検索し削除します。

[ 詳細 ]
フォルダが隠しフォルダ属性に設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • %User Profile%\Application Data\{random folder name 1}
  • %User Profile%\Application Data\{random folder name 2}

手順 6

最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、ウイルス検索を実行してください。「TSPY_ZBOT.III」と検出したファイルはすべて削除してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


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