解析者: Roland Marco Dela Paz   

 プラットフォーム:

Windows 2000, XP, Server 2003

 危険度:
 感染確認数:
 システムへの影響:
 情報漏えい:

  • マルウェアタイプ:
    スパイウェア

  • 破壊活動の有無:
    なし

  • 暗号化:
    はい

  • 感染報告の有無 :
    はい

  概要

スパイウェアは、特定の銀行および金融機関のWebサイトで利用されるユーザ名やパスワードなどの個人情報を収集します。 スパイウェアは、特定のソフトウェアのCDキー、シリアルナンバーもしくはアプリケーションのプロダクトIDを収集します。収集された情報は、それら情報を入手したサイバー犯罪者に悪用される恐れがあります。

  詳細

ファイルサイズ 146,944 bytes
タイプ EXE
メモリ常駐 はい
発見日 2010年9月22日
ペイロード ファイルのダウンロード

感染ポイント

スパイウェアは、以下のWebサイトからダウンロードされたファイルとして、コンピュータに侵入します。

  • http://{BLOCKED}uadg.com/eso/isp.exe

インストール

スパイウェアは、以下のフォルダを追加します。

  • %Application Data%\{random1}
  • %Application Data%\{random2}

(註:%Application Data%フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data"、Windows Vista および 7 の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming" です。)

スパイウェアは、以下のプロセスに自身を組み込み、システムのプロセスに常駐します。

  • explorer.exe
  • taskhost.exe
  • taskeng.exe
  • Dwm.exe
  • wscntfy.exe
  • ctfmon.exe
  • rdpclip.exe

自動実行方法

スパイウェアは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
{GUID of mount point of %Windows%} = %Application Data%\{random1}\{random}.exe

スパイウェアは、以下のファイルを作成します。

  • %Application Data%\{random1}\{random}.exe - copy of itself
  • %Application Data%\{random2}\{random} - contains encrypted stolen data

(註:%Application Data%フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data"、Windows Vista および 7 の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming" です。)

他のシステム変更

スパイウェアは、以下のレジストリキーを追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft
{random} =

スパイウェアは、以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Internet Explorer\PhishingFilter
Enabled = 0

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
InternetExplorer\PhishingFilter
EnabledV8 = 0

スパイウェアは、以下のレジストリ値を作成し、Windowsのファイアウォールを回避します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\SharedAccess\Parameters\
FirewallPolicy\StandardProfile\AuthorizedApplications\
List
%WINDOWS%\\EXPLORER.EXE = %WINDOWS%\EXPLORER.EXE:*:Enabled:Windows Explorer

情報漏えい

スパイウェアは、感染したコンピュータ上でInternet Explorer(IE)の使用状況を監視します。スパイウェアは、特にIEのアドレスバーまたはタイトルバー情報を監視しますが、ユーザが銀行関連Webサイトを閲覧しそのサイトのアドレスバーまたはタイトルバーに以下の文字列が含まれていた場合、正規Webサイトを装った偽のログインページを作成します。

  • *barclays.es*
  • *caixacatalunya.com/*/Home/*,,00.html
  • *caixacatalunya.com/*/benvinguda*
  • *caixacatalunya.com/*/bienvenida*
  • *caixapenedes.com*
  • *cajalaboral.com*acceso_es.js
  • *cajalaboral.com*home.aspx
  • *cam.es*form_camdirecto.js
  • *cam.es*inicio.aspx
  • *iurisbank.com/isum/Main?ISUM_SCR=login*
  • *iurisbank.com/js/checkUsuPass.js
  • *iurisbank.com/js/interface.js
  • *ruralvia.com/isum/Main?ISUM_SCR=login*
  • *ruralvia.com/js/checkUsuPass.js
  • *ruralvia.com/js/interface.js
  • http*empresas.gruposantander.es*login.js
  • http*empresas.gruposantander.es/WebEmpresas/servlet/webempresas.servlets.CompressJSP?JSP=nueva_imagen/inicio.jsp*
  • http*inversis.com*
  • http*inversis.com*/js/inversiones/common.js
  • https://login.facebook.com/*

スパイウェアは、以下のWebサイトにアクセスし、自身の環境設定ファイルをダウンロードします。

  • http://{BLOCKED}lans.ru/eso/esa.sp
  • http://{BLOCKED}ksfg.ru/eso/esa.sp
  • http://{BLOCKED}seao.com/eso/esa.sp

スパイウェアは、以下の銀行もしくは金融機関で利用される個人情報を収集します。

  • Barclays
  • Caja Laboral
  • IS Bank
  • Santander

スパイウェアは、特定のソフトウェアのCDキー、シリアルナンバーもしくはアプリケーションのプロダクトIDを収集します。

情報の送信先

上記ファイルは、HTTPポストを介し、以下のURLに送信されます。

  • http://{BLOCKED}otor.ru/esp/gujoh.php
  • http://{BLOCKED}otor.ru/esp/gujoh.php

その他

このスパイウェアのコードから、スパイウェアは、以下の機能を備えています。

  • This malware is also capable of stealing information such as Personal Certificates(MY), Flashplayer data, and Internet session cookies. It also steals FTP credentials for the following FTP applications: flashxp, ghisler, ipswitch, filezilla, ftpfar, winscp, ftpcommander, coreftp, and smartftp.

ハッシュ値情報

スパイウェアは、以下のMD5ハッシュ値を含んでいます。

  • f3a49e29fdef2471816220aa373be16b

スパイウェアは、以下のSHA1ハッシュ値を含んでいます

  • 7c74039292fd16346136c1c5fced563465cef702

  対応方法

対応検索エンジン: 8.900

手順 1

Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

Windowsをセーフモードで再起動します。

[ 詳細 ]

手順 3

以下のフォルダを検索し削除します。

[ 詳細 ]
註:このフォルダは、隠しフォルダとして設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。 %Application Data%\{random1}
%Application Data%\{random2}

手順 4

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Internet Explorer\PhishingFilter
    • Enabled=0
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\InternetExplorer\PhishingFilter
    • EnabledV8=0
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\SharedAccess\Parameters\FirewallPolicy\StandardProfile\AuthorizedApplications\List
    • %WINDOWS%\EXPLORER.EXE =%WINDOWS%\EXPLORER.EXE:*:Enabled:Windows Explorer
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • {GUID of mount point of %Windows%} =%Application Data%

手順 5

このレジストリキーを削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
    • {random}

手順 6

最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、ウイルス検索を実行してください。「TSPY_ZBOT.EZQE」と検出したファイルはすべて削除してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


ご利用はいかがでしたか? アンケートにご協力ください