TSPY_POSLOGR.A
Windows 2000, Windows Server 2003, Windows XP (32-bit, 64-bit), Windows Vista (32-bit, 64-bit), Windows 7 (32-bit, 64-bit)
マルウェアタイプ:
スパイウェア
破壊活動の有無:
なし
暗号化:
感染報告の有無 :
はい
概要
トレンドマイクロは、このスパイウェアをNoteworthy(要注意)に分類しました。
このスパイウェアは、2014年8月に確認されたPOS(販売時点情報管理)システムを対象としたマルウェア「Backoff」の攻撃に関連しています。スパイウェアは、感染した端末から金融情報を収集する機能を備えています。このスパイウェアに感染したコンピュータのユーザは、突然銀行口座から現金が流出する被害に見舞われる可能性があります。
スパイウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。
スパイウェアは、不正リモートユーザからのコマンドを実行し、感染コンピュータを改ざんします。 スパイウェアは、特定のWebサイトにアクセスし、情報を送受信します。
スパイウェアは、ユーザのキー入力操作情報を記録し、情報を収集します。
詳細
侵入方法
スパイウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。
インストール
スパイウェアは、感染したコンピュータ内に以下のように自身のコピーを作成します。
- %Application Data%\OracleJava\javaw.exe
- %Application Data%\winserv.exe - deleted afterwards
(註:%Application Data%フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data"、Windows Vista および 7 の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming" です。)
スパイウェアは、以下のフォルダを作成します。
- %Application Data%\OracleJava
(註:%Application Data%フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data"、Windows Vista および 7 の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming" です。)
スパイウェアは、以下の Mutex を作成し、メモリ上で自身の重複実行を避けます。
- nUndsa8301nskal
- nuyhnJmkuTgD
スパイウェアは、リモートスレッドを組み込み、システムのプロセスに常駐します。
- explorer.exe
自動実行方法
スパイウェアは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。
HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
Windows NT Service = "%Application Data%\OracleJava\javaw.exe"
他のシステム変更
スパイウェアは、インストールの過程で、以下のレジストリ値を追加します。
HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion
identifier = "{random characters as ID}" such as "EdPjBTx"
バックドア活動
スパイウェアは、不正リモートユーザからの以下のコマンドを実行します。
- Download updated copy
- Terminate itself
- Uninstall itself
- Download and execute arbitrary files
- Upload log files
スパイウェアは、以下のWebサイトにアクセスし、情報を送受信します。
- http://{BLOCKED}workx86.ru/windows/updcheck.php
- http://{BLOCKED}workx86.com/windows/updcheck.php
- http://{BLOCKED}workx64.com/windows/updcheck.php
情報漏えい
スパイウェアは、以下の情報を収集します。
- User name
- Computer name
- Malware version name (e.g. goo)
- Malware built version
スパイウェアは、ユーザのキー入力操作情報を記録し、情報を収集します。
情報収集
スパイウェアは、以下のファイル内に収集した情報を保存します。
- %Application Data%\OracleJava\Log.txt - contains logged active window, installations, keystrokes and mouse activities with corresponding date and time
(註:%Application Data%フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data"、Windows Vista および 7 の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming" です。)
その他
スパイウェアは、以下のファイルを作成します。
- %Application Data%\OracleJava\Local.dat - temporarily stores all found track data
- %Application Data%\nsskrnl - encrypted copy of the malware
(註:%Application Data%フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data"、Windows Vista および 7 の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming" です。)
スパイウェアが感染したコンピュータ内に作成する以下の自身のコピーは、その後削除されます。
- %Application Data%\winserv.exe
このスパイウェアが実行する不正リモートユーザのコマンドは以下の通りです。
- 更新されたコピーのダウンロード
- 自身の終了
- 自身のアンインストール
- 任意のファイルのダウンロードおよび実行
このスパイウェアが収集する情報は以下の通りです。
- ユーザ名
- コンピュータ名
- マルウェアのバージョン名
- マルウェアの製造バージョン(例:goo)
スパイウェアが作成した以下のファイルは、暗号化された自身のコピーです。
- %Application Data%\mskrnl
スパイウェアは、以下のプロセスでメモリの調査を実行、トラックデータを確認して、その情報をC&Cサーバに送信します。
- alg.exe
- chrome.exe
- csrss.exe
- devenv.exe
- explorer.exe
- firefox.exe
- iexplore.exe
- LogonUI.exe
- lsass.exe
- mysqld.exe
- services.exe
- smss.exe
- spoolsv.exe
- taskhost.exe
- winlogon.exe
- wmiprvse.exe
- wuauclt.exe
スパイウェアは、以下の情報をC&Cサーバに送信します。
&op=1&id={identifier found in registry}&ui={username} @ {computer name}&wv={Windows version}&gr={malware version name}&bv={built version}&data={encrypted data}
対応方法
手順 1
Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。
手順 2
このマルウェアもしくはアドウェア等の実行により、手順中に記載されたすべてのファイル、フォルダおよびレジストリキーや値がコンピュータにインストールされるとは限りません。インストールが不完全である場合の他、オペレーティングシステム(OS)の条件によりインストールがされない場合が考えられます。手順中に記載されたファイル/フォルダ/レジストリ情報が確認されない場合、該当の手順の操作は不要ですので、次の手順に進んでください。
手順 3
Windowsをセーフモードで再起動します。
手順 4
このレジストリ値を削除します。
警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。
- In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion
- identifier = "{random characters as ID}"
- identifier = "{random characters as ID}"
- In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
- Windows NT Service = "%Application Data%\OracleJava\javaw.exe"
- Windows NT Service = "%Application Data%\OracleJava\javaw.exe"
手順 5
以下のファイルを検索し削除します。
- %Application Data%\OracleJava\Local.dat
- %Application Data%\OracleJava\Log.txt
- %Application Data%\nsskrnl
手順 6
以下のフォルダを検索し削除します。
- %Application Data%\OracleJava
手順 7
コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「TSPY_POSLOGR.A」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。
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