解析者: Noel Anthony Llimos   

 別名:

Trojan.Win32.Yakes.wxoh (Kaspersky), Trojan:Win32/Tiggre!rfn (Microsoft)

 プラットフォーム:

Windows

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:
 情報漏えい:

  • マルウェアタイプ:
    スパイウェア/情報窃取型

  • 破壊活動の有無:
    なし

  • 暗号化:
    はい

  • 感染報告の有無 :
    はい

  概要

感染経路 他のマルウェアからの作成, インターネットからのダウンロード

トレンドマイクロは、このマルウェアをNoteworthy(要注意)に分類しました。

2018年8月、トレンドマイクロは、ボットネット「CUTWAIL」からの日本のユーザを対象としたスパムメール送信活動を確認しました。スパムメールには、IQYファイルを悪用する手法が採用されていました。

このマルウェアは、上述のスパムメール送信活動で最終的にダウンロードされるペイロードのひとつです。

スパイウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

  詳細

ファイルサイズ 176,640 bytes
タイプ EXE
メモリ常駐 はい
発見日 2018年8月7日
ペイロード URLまたはIPアドレスに接続, ファイルのダウンロード, ファイルの作成

侵入方法

スパイウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

スパイウェアは、感染したコンピュータ内に以下のように自身のコピーを作成します。

  • %Program Files%\Windows NT\{random filename}.exe
      (Note: Creation of this copy is triggered when the affected system is shutting down)

(註:%Program Files%フォルダは、デフォルトのプログラムファイルフォルダです。Windows 2000、Server 2003、XP(32-bit),Vista(32-bit)、7(32-bit)、8(32-bit)の場合、通常 "C:\Program Files"です。また、Windows XP(64-bit)、Vista(64-bit)、7(64-bit)、8(64-bit)の場合、通常 "C:\Program Files(x86)" です。)

スパイウェアは、以下のプロセスを追加します。

  • explorer.exe

スパイウェアは、以下の Mutex を作成し、メモリ上で自身の重複実行を避けます。

  • Uz{Random Hex}

スパイウェアは、以下のプロセスにコードを組み込みます。

  • The created "explorer.exe" by this malware

自動実行方法

スパイウェアは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
{random string} = "%Application Data%\{random string}.lnk"

    (Note: Creation of this registry entry is triggered when the affected system is shutting down)

他のシステム変更

スパイウェアは、以下のレジストリキーを追加します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\{Random Key}

スパイウェアは、以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\{random key}
(Default) = {Hex Values}

情報漏えい

スパイウェアは、以下の情報を収集します。

  • Machine Name
  • OS Information (Version, Product ID, Name, Install Date)
  • Explorer File Information
  • Volume Serial Number
  • Network Configuration (IP address, Socket, Ports)
  • Keyboard Layout

情報収集

スパイウェアは、HTTPポスト を介して、収集した情報を以下のURLに送信します。

  • https://{BLOCKED}exir.com/auth/tver={value}&vcmd={value}&cc={value}&hh={hex values}&ipcnf={IP address}+&sckport={value}&pros={value}&keret={value};&email={value}

その他

スパイウェアは、以下のWebサイトにアクセスしてインターネット接続を確認します。

  • www.google.com

<補足>
インストール

スパイウェアは、感染したコンピュータ内に以下のように自身のコピーを作成し、実行します。

  • %Program Files%\Windows NT\{ランダムなファイル名}.exe
    (注:このコピーは、感染コンピュータがシャットダウンされる際に作成されます。)

スパイウェアは、以下の Mutex を作成し、メモリ上で自身の重複実行を避けます。

  • Uz{ランダムな16進数の値}

スパイウェアは、作成した以下のプロセスにコードを組み込みます。

  • explorer.exe

自動実行方法

スパイウェアは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

  • HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\ Windows\CurrentVersion\Run {ランダムな文字列} = "%Application Data%\{ランダムな文字列}.lnk"

(注:このレジストリ値は、感染コンピュータがシャットダウンされる際に作成されます。)

情報漏えい

スパイウェアは、以下の情報を収集します。

  • コンピュータ名
  • オペレーティング・システム(OS)の情報(バージョン、製品ID, 製品名, インストール日)
  • explorer.exeファイルの情報
  • ボリュームシリアルの番号
  • ネットワーク環境(IPアドレス、ソケット、ポート)
  • キーボードの配置

その他

スパイウェアは、以下のWebサイトにアクセスして情報を送受信します。

  • https://{BLOCKED}exir.com/auth/
  • {ランダムに生成されたドメイン}.com
  • {ランダムに生成されたドメイン}.net

スパイウェアは、以下を実行します。

  • 自身の更新
  • 自身がVMWareによる仮想環境下で実行されていることを確認した場合、不正活動を続行しない
  • Google Chrome および Mozilla Firefox のキャッシュが保存されたファイルを削除する

スパイウェアは、C&Cサーバからの応答に基づき、以下のいずれかを実行します。

  • スリープおよび次の応答まで待機
  • 他の不正ファイルをダウンロードするURLの受信

作成する自身のコピーのファイル名に、以下の文字列とランダムな文字を組み合わせたものが利用されます。

  • def
  • dns
  • exec
  • hlp
  • logon
  • mem
  • mixer
  • mon
  • pack
  • play
  • setup
  • srv
  • user
  • video
  • win

(注:なお、作成する自身のコピーのファイル名として純粋にランダムな文字の組み合わせが利用されることもあります。)

  対応方法

対応検索エンジン: 9.850
初回 VSAPI パターンバージョン 14.426.06
初回 VSAPI パターンリリース日 2018年8月6日
VSAPI OPR パターンバージョン 14.427.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2018年8月7日

手順 1

Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

このマルウェアもしくはアドウェア等の実行により、手順中に記載されたすべてのファイル、フォルダおよびレジストリキーや値がコンピュータにインストールされるとは限りません。インストールが不完全である場合の他、オペレーティングシステム(OS)の条件によりインストールがされない場合が考えられます。手順中に記載されたファイル/フォルダ/レジストリ情報が確認されない場合、該当の手順の操作は不要ですので、次の手順に進んでください。

手順 3

Windowsをセーフモードで再起動します。

[ 詳細 ]

手順 4

このレジストリキーを削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • {random string} = "%Application Data%\{random string}.lnk"
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE
    • {Random Key}

手順 5

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\{random key}
    • (Default) = {Hex Values}

手順 6

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性に設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。  
  • %Program Files%\Windows NT\{random filename}.exe

手順 7

コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「TSPY_BEBLOH.YMNPV」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


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