解析者: Michael Jay Villanueva   

 プラットフォーム:

Windows

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:
 情報漏えい:

  • マルウェアタイプ:
    トロイの木馬型

  • 破壊活動の有無:
    なし

  • 暗号化:
    なし

  • 感染報告の有無 :
    はい

  概要

感染経路 他のマルウェアからの作成

マルウェアは、他のマルウェアに作成され、コンピュータに侵入します。

マルウェアは、特定のWebサイトにアクセスし、情報を送受信します。

  詳細

ファイルサイズ 61,440 bytes
タイプ EXE
メモリ常駐 はい
発見日 2017年5月7日
ペイロード URLまたはIPアドレスに接続, システムセキュリティへの感染活動

侵入方法

マルウェアは、以下のマルウェアに作成され、コンピュータに侵入します。

インストール

マルウェアは、以下のファイルを作成します。

  • {Current Malware Path, Name, and Extension}.mui <- contains the Tor URL

マルウェアは、以下の Mutex を作成し、メモリ上で自身の重複実行を避けます。

  • Global\{GUID generated using the affected system's computer name}

自動実行方法

マルウェアは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
Local Security Authority = "%Windows%\lsasvs.exe"

その他

マルウェアは、以下のWebサイトにアクセスし、情報を送受信します。

  • {BLOCKED}nxf743znk7.onion
  • {BLOCKED}igdz4q7f6q.onion
  • {BLOCKED}ms2ivmt5og.onion

マルウェアが自身の不正活動を実行するためには、以下のコンポーネントが必要になります。

  • {Current Malware Path}\TaskHost\Tor\taskhosts.exe <- Tor client to access Tor URL
  • {Current Malware Path}\lsass.bin <- contains the TOR client package and its components

マルウェアが作成する以下のファイルには匿名通信システム「Tor」のURLが含まれています。

  • <現在のマルウェアのパス、名称、拡張子>.mui

マルウェアは、以下の Mutex を作成し、メモリ上で自身の重複実行を避けます。

  • Global\<感染PCのコンピュータ名を利用し生成したGUID>

マルウェアが不正活動を実行するためには、以下のコンポーネントが必要になります。

  • <現在のマルウェアのパス>\TaskHost\Tor\taskhosts.exe
    これは、匿名通信システム「Tor」のWebサイトに接続するためのクライアントです。
  • <現在のマルウェアのパス>\lsass.bin
    これには、「Tor」のクライアントパッケージおよびコンポーネントが含まれています。

マルウェアは以下を実行します。

  • binコンポーネントから「Tor」クライアントをインストールする
  • 接続する度に毎回24時間スリープ状態となる
  • 「Everyone グループ」に標準アクセス権を付与する
  • マルウェアは、以下のファイルを実行します。
    • <現在のマルウェアのパス>\Taskhcst.exe
      (これも「WORM_WCRY.H」によって作成されるファイルで、「RANSOM_WCRY.H」として検出される)
  • 任意のシェルコードを実行する
  • すべての接続の遅延時間を変更する
  • 任意のファイルをダウンロードして実行する
    • FTP、HTTP、HTTPSプロトコル経由でダウンロードURLを受信する
    • ダウンロードしたファイルの拡張子が「.jpg」の場合は、「.exe」として保存し実行する
    • ダウンロードしたファイルの拡張子が 「.png」の場合は、 「.dll」として保存しライブラリとしてロードする

マルウェアは、ルートキット機能を備えていません。

マルウェアは、脆弱性を利用した感染活動を行いません。

  対応方法

対応検索エンジン: 9.850
初回 VSAPI パターンバージョン 13.410.05
初回 VSAPI パターンリリース日 2017年5月16日
VSAPI OPR パターンバージョン 13.411.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2017年5月17日

手順 1

Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

このマルウェアもしくはアドウェア等の実行により、手順中に記載されたすべてのファイル、フォルダおよびレジストリキーや値がコンピュータにインストールされるとは限りません。インストールが不完全である場合の他、オペレーティングシステム(OS)の条件によりインストールがされない場合が考えられます。手順中に記載されたファイル/フォルダ/レジストリ情報が確認されない場合、該当の手順の操作は不要ですので、次の手順に進んでください。

手順 3

Windowsをセーフモードで再起動します。

[ 詳細 ]

手順 4

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

 
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • Local Security Authority = "%Windows%\lsasvs.exe"

手順 5

以下のフォルダを検索し削除します。

[ 詳細 ]
註:このフォルダは、隠しフォルダとして設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • {Current Malware Path}\TaskHost

手順 6

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性の場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • {Current Malware Path, Name, and Extension}.mui
  • {Current Malware Path}\lsass.bin
  • {Current Malware Path}\taskhcst.exe

手順 7

コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「TROJ_WCRY.H」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


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