解析者: Christopher Daniel So   

 別名:

TrojanDownloader:Win32/Tracur.Q (Microsoft), Trojan.Win32.Menti.gqyv (Kaspersky)

 プラットフォーム:

Windows 2000, Windows XP, Windows Server 2003

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:

  • マルウェアタイプ:
    トロイの木馬型

  • 破壊活動の有無:
    なし

  • 暗号化:
    はい

  • 感染報告の有無 :
    はい

  概要

マルウェアは、他のマルウェアに作成され、コンピュータに侵入します。 マルウェアは、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることにより、コンピュータに侵入します。

  詳細

ファイルサイズ 不定
タイプ PE
メモリ常駐 はい
発見日 2011年6月26日
ペイロード ファイルのダウンロード

侵入方法

マルウェアは、他のマルウェアに作成され、コンピュータに侵入します。

マルウェアは、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることにより、コンピュータに侵入します。

インストール

マルウェアは、感染したコンピュータ内に以下のように自身のコピーを作成します。

  • %System%\{random file name}.exe
  • %System%\midimap32.exe

(註:%System%はWindowsの種類とインストール時の設定などにより異なります。標準設定では、Windows 98 および MEの場合、"C:\Windows\System"、Windows NT および 2000 の場合、"C:\WinNT\System32"、Windows XP および Server 2003 の場合、"C:\Windows\System32" です。)

マルウェアは、以下のファイルを作成します。

  • %System%\avmeter32.dll - detected by Trend Micro as TROJ_TRACUR.VY
  • %System%\shmedia32.dll - detected by Trend Micro as TROJ_TRACUR.VY
  • %System%\shmedia32.exe - detected by Trend Micro as TROJ_TRACUR.VY
  • %User Profile%\Application Data\SysWin\lsass.exe - detected by Trend Micro as TROJ_TRACUR.VY

(註:%System%はWindowsの種類とインストール時の設定などにより異なります。標準設定では、Windows 98 および MEの場合、"C:\Windows\System"、Windows NT および 2000 の場合、"C:\WinNT\System32"、Windows XP および Server 2003 の場合、"C:\Windows\System32" です。. %User Profile% フォルダは、Windows 98 および MEの場合、"C:\Windows\Profiles\<ユーザ名>"、Windows NTでは、"C:\WINNT\Profiles\<ユーザ名>"、Windows 2000, XP, Server 2003の場合は、"C:\Documents and Settings\<ユーザ名>" です。)

マルウェアは、以下の無害なファイルを作成します。

  • %System%\1652938413

(註:%System%はWindowsの種類とインストール時の設定などにより異なります。標準設定では、Windows 98 および MEの場合、"C:\Windows\System"、Windows NT および 2000 の場合、"C:\WinNT\System32"、Windows XP および Server 2003 の場合、"C:\Windows\System32" です。)

マルウェアは、以下のフォルダを作成します。

  • %User Profile%\Application Data\SysWin

(註:%User Profile% フォルダは、Windows 98 および MEの場合、"C:\Windows\Profiles\<ユーザ名>"、Windows NTでは、"C:\WINNT\Profiles\<ユーザ名>"、Windows 2000, XP, Server 2003の場合は、"C:\Documents and Settings\<ユーザ名>" です。)

自動実行方法

マルウェアは、自身をシステムサービスとして登録し、Windows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\{random key}
DisplayName = "Performance Logs and Alerts"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\{random key}
ErrorControl = 0

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\{random key}
ImagePath = "%System%\{random file name}.exe"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\{random key}
Start = 2

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\{random key}
Type = 10

マルウェアは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を変更します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows NT\CurrentVersion\Windows
AppInit_DLLs = "%System%\shmedia32.dll"

(註:変更前の上記レジストリ値は、「""」となります。)

マルウェアは、以下のレジストリキーを追加し、自身をBrowser Helper Object(BHO)として登録します。これにより、Internet Explorer(IE)が起動するとマルウェアが自動実行されます。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Explorer\
Browser Helper Objects\{05B1982F-0479-4E6F-9CA5-E8F41FAE4907}

HKEY_CLASSES_ROOT\CLSID\{05B1982F-0479-4E6F-9CA5-E8F41FAE4907}

マルウェアは、以下のレジストリ値を追加し、自身をBrowser Helper Object(BHO)として登録します。これにより、Internet Explorer(IE)が起動するとマルウェアが自動実行されます。

HKEY_CLASSES_ROOT\CLSID\{05B1982F-0479-4E6F-9CA5-E8F41FAE4907}\
InprocServer32
(Default) = "%System%\avmeter32.dll"

マルウェアは、自身をシステムサービスとして登録し、Windows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリキーを追加します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\{random key}

他のシステム変更

マルウェアは、以下のレジストリキーを追加します。

HKEY_CLASSES_ROOT\.fsharproj

HKEY_CLASSES_ROOT\Cfbbbjkdkl

HKEY_CLASSES_ROOT\CLSID\{8efad686-2433-4cc7-9f23-929dfe22d792}

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Tracing\FWCFG

マルウェアは、以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Identities
Curr version = "35"

HKEY_CURRENT_USER\Identities
Last Date = "{date of last execution}"

HKEY_CURRENT_USER\Identities
Send Inst = "ok"

HKEY_CURRENT_USER\Identities
Inst Date = "{date of installation}"

HKEY_CURRENT_USER\Identities
Popup count = "0"

HKEY_CURRENT_USER\Identities
Popup time = "0"

HKEY_CURRENT_USER\Identities
Popup date = "0"

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Internet Explorer\Main
XMLHTTP_UUID_Default = {random numbers}

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Tracing\FWCFG
EnableFileTracing = 0

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Tracing\FWCFG
EnableConsoleTracing = 0

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Tracing\FWCFG
FileTracingMask = ffff0000

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Tracing\FWCFG
ConsoleTracingMask = ffff0000

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Tracing\FWCFG
MaxFileSize = 100000

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Tracing\FWCFG
FileDirectory = "%windir%\tracing"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Explorer
982bc1da = {random numbers}

マルウェアは、以下のレジストリ値を作成し、Windowsのファイアウォールを回避します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\SharedAccess\Parameters\
FirewallPolicy\StandardProfile\AuthorizedApplications\
List
%System%\{random file name}.exe = "%System%\{random file name}.exe:*:Enabled:Windows Update Service"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\SharedAccess\Parameters\
FirewallPolicy\DomainProfile\AuthorizedApplications\
List
%System%\{random file name}.exe = "%System%\{random file name}.exe:*:Enabled:Windows Update Service"

ダウンロード活動

マルウェアは、以下のWebサイトから自身のコピーの更新版ファイルをダウンロードします。

  • http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.153.48/{random string}
  • http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.1.173/{random string}
  • http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.1.174/{random string}

マルウェアは、以下のファイル名でダウンロードしたファイルを保存します。

  • %Windows%\{random file name}wow.exe - detected by Trend Micro as TROJ_TRACUR.VY

(註:%Windows%はWindowsの種類とインストール時の設定などにより異なります。標準設定では、Windows9x、Me、XP、Server 2003の場合、"C:\Window"、WindowsNT および 2000の場合、"C:\WINNT" です。)

  対応方法

対応検索エンジン: 8.900
初回 VSAPI パターンバージョン 8.250.03
初回 VSAPI パターンリリース日 2011年6月26日

手順 1

Windows XP および Windows Server 2003 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

スタートアップディスク、または、回復コンソールを用いて、「TROJ_TRACUR.VY」として検出されたファイルを確認し削除します。

[ 詳細 ]

手順 3

このレジストリキーを削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_CLASSES_ROOT
    • .fsharproj
  • In HKEY_CLASSES_ROOT
    • Cfbbbjkdkl
  • In HKEY_CLASSES_ROOT\CLSID
    • {05B1982F-0479-4E6F-9CA5-E8F41FAE4907}
  • In HKEY_CLASSES_ROOT\CLSID
    • {8efad686-2433-4cc7-9f23-929dfe22d792}
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services
    • {random key}
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\Browser Helper Objects
    • {05B1982F-0479-4E6F-9CA5-E8F41FAE4907}
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Tracing
    • FWCFG

手順 4

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_CURRENT_USER\Identities
    • Curr version="35"
  • In HKEY_CURRENT_USER\Identities
    • Last Date="{date of last execution}"
  • In HKEY_CURRENT_USER\Identities
    • Send Inst="ok"
  • In HKEY_CURRENT_USER\Identities
    • Inst Date="{date of installation}"
  • In HKEY_CURRENT_USER\Identities
    • Popup count="0"
  • In HKEY_CURRENT_USER\Identities
    • Popup time="0"
  • In HKEY_CURRENT_USER\Identities
    • Popup date="0"
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Internet Explorer\Main
    • XMLHTTP_UUID_Default={random numbers}
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer
    • 982bc1da={random numbers}
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • {random file name}wow.exe="%Windows%\{random file name}wow.exe"
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\SharedAccess\Parameters\FirewallPolicy\StandardProfile\AuthorizedApplications\List
    • %System%\{random file name}.exe="%System%\{random file name}.exe:*:Enabled:Windows Update Service"
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\SharedAccess\Parameters\FirewallPolicy\DomainProfile\AuthorizedApplications\List
    • %System%\{random file name}.exe="%System%\{random file name}.exe:*:Enabled:Windows Update Service"

手順 5

変更されたレジストリ値を修正します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\Windows
    • From: AppInit_DLLs="%System%\shmedia32.dll"
      To: AppInit_DLLs=""

手順 6

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性に設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。 %System%\1652938413

手順 7

以下のフォルダを検索し削除します。

[ 詳細 ]
註:このフォルダは、隠しフォルダとして設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。 %User Profile%\Application Data\SysWin

手順 8

最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、ウイルス検索を実行してください。「TROJ_TRACUR.VY」と検出したファイルはすべて削除してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


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