解析者: Roland Marco Dela Paz   

 別名:

Trojan:Win32/Reveton.A (Microsoft); Mal/ZboCheMan-A (Sophos)

 プラットフォーム:

Windows 2000, Windows XP, Windows Server 2003

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:

  • マルウェアタイプ:
    トロイの木馬型

  • 破壊活動の有無:
    なし

  • 暗号化:
    はい

  • 感染報告の有無 :
    はい

  概要

トレンドマイクロは、このマルウェアをNoteworthy(要注意)に分類しました。

これは、「Scotland Yard(ロンドン警視庁)」からの脅迫的なメッセージを装っていますが、実際はユーザのコンピュータを乗っ取り、これを解除するために金銭を要求するランサムウェアです。

マルウェアは、実行されると、自身を組み込んだ "explorer.exe" の他のインスタンスを実行します。マルウェアは、プロセス "notepad.exe" を起動し、このプロセスに自身のコードを組み込みます。これにより、システムのプロセスに常駐します。"notepad.exe"に組み込まれたコードは、感染ユーザのデスクトップを使用できないようにします。また、インターネットブラウザを開き、特定のWebサイトに接続します。

マルウェアは、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることにより、コンピュータに侵入します。

マルウェアは、Internet Explorer(IE)のゾーン設定を変更します。

  詳細

ファイルサイズ 不定
タイプ DLL
メモリ常駐 はい
発見日 2012年2月14日
ペイロード デスクトップの無効, プロセスの強制終了, URLまたはIPアドレスに接続

侵入方法

マルウェアは、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることにより、コンピュータに侵入します。

インストール

マルウェアは、以下のファイルを作成します。

  • %User Startup%\{malware filename}.lnk - autostart component

(註:%User Startup%フォルダは、Windows 98 および ME の場合、通常、"C:\Windows\Profiles\<ユーザ名>\Start Menu\Programs\Startup"、Windows NT の場合、"C:\WINNT\Profiles\<ユーザ名>\Start Menu\Programs\Startup" および "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Start Menu\Programs\Startup" です。)

他のシステム変更

マルウェアは、インストールの過程で、以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Internet Explorer\Main
NoProtectedModeBanner = "1"

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Policies\
System
DisableTaskMgr = "1"

プロセスの終了

マルウェアは、感染コンピュータ上で確認した以下のサービスを終了します。

  • avp.exe

Webブラウザのホームページおよび検索ページの変更

マルウェアは、IEのゾーン設定を変更します。

その他

マルウェアは、実行されると、自身を組み込んだ "explorer.exe" の他のインスタンスを実行します。マルウェアは、プロセス "notepad.exe" を起動し、このプロセスに自身のコードを組み込みます。これにより、システムのプロセスに常駐します。

"notepad.exe"に組み込まれたコードは、感染ユーザのデスクトップを使用できないようにします。また、インターネットブラウザを開き、以下のWebサイトに接続します。

  • http://<省略>.<省略>.163.204/

上記のWebサイトは、使用出来なくなったコンピュータを修復するために特定の金額を支払うようユーザに促します。

ただし、情報公開日現在、このWebサイトにはアクセスできません。

  対応方法

対応検索エンジン: 9.200
初回 VSAPI パターンバージョン 8.778.01
初回 VSAPI パターンリリース日 2012年2月15日
VSAPI OPR パターンバージョン 8.779.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2012年2月16日

手順 1

Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

Windowsをセーフモードで再起動します。

[ 詳細 ]

手順 3

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性に設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • %User Startup%\{malware filename}.lnk

手順 4

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Internet Explorer\Main
    • NoProtectedModeBanner = "1"
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Policies\System
    • DisableTaskMgr = "1"

手順 5

Internet Explorer(IE)のセキュリティ設定を修正します。

[ 詳細 ]

手順 6

コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「TROJ_RANSOM.BNW」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


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