解析者: MarfelTi   

 別名:

Trojan:Win32/FakeSysdef (Microsoft); Trojan.Win32.FraudPack.csve (Kaspersky); Troj/FakeAV-DOF (Sophos)

 プラットフォーム:

Windows 2000, Windows XP, Windows Server 2003

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:

  • マルウェアタイプ:
    トロイの木馬型

  • 破壊活動の有無:
    なし

  • 暗号化:
    はい

  • 感染報告の有無 :
    はい

  概要

トレンドマイクロは、このマルウェアをNoteworthy(要注意)に分類しました。その理由として、ユーザに特定のWebサイトから偽のウイルス対策製品の購入するよう促し、クレジットカード番号といった個人情報を要求する点が挙げられます。

マルウェアは、フォルダ " %Start Menu%" および "%Desktop%" 内のファイルを、自身が作成したフォルダ "%User Temp%\smtmp" へ移動します。フォルダ " %Start Menu%" 内のファイルは、サブフォルダ "%User Temp%\smtmp\1" へ、フォルダ " %Desktop%" 内のファイルは、サブフォルダ "%User Temp%\smtmp\2" へ移動されます。

マルウェアは、フォルダ "%User Temp%\smtmp" 内に移動したファイルの属性を隠しファイルの属性に変更します。これにより、ファイルが削除されたように装います。

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。 ただし、情報公開日現在、このWebサイトにはアクセスできません。

マルウェアは、実行後、自身を削除します。

マルウェアは、ユーザの感染を通知する偽の警告を表示します。また、感染したコンピュータの偽のスキャン結果を表示します。スキャンが完了すると、ユーザに製品の購入を要求します。ユーザが偽の製品を購入しようとすると、ユーザを特定のWebサイトに誘導してクレジットカード番号といった個人情報を要求します。

  詳細

ファイルサイズ 510,464 bytes
タイプ EXE
メモリ常駐 はい
発見日 2011年5月12日

侵入方法

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

ただし、情報公開日現在、このWebサイトにはアクセスできません。

インストール

マルウェアは、以下のファイルを作成します。

  • %System Root%:\Documents and Settings\All Users\Application Data\{random file name}.exe - detected as TROJ_FAKEAV.SM29

(註:%System Root%は、標準設定では "C:" です。また、オペレーティングシステムが存在する場所です。)

マルウェアは、以下のコンポーネントファイルを作成します。

  • %Desktop%\Windows Recovery.lnk - non-malicious shortcut file
  • %Start Menu%\Programs\Windows Recovery\Uninstall Windows Recovery.lnk - non-malicious shortcut file
  • %Start Menu%\Programs\Windows Recovery\Windows Recovery.lnk - non-malicious shortcut file
  • %System Root%\Documents and Settings\All Users\Application Data\{random file name} - non-malicious file

(註: %Desktop%フォルダは、Windows 98 および MEの場合、通常 "C:\Windows\Profiles\<ユーザ名>\デスクトップ" です。 Windows NTの場合、"C:\WINNT\Profiles\<ユーザ名>\デスクトップ"、Windows 2000、XP、Server 2003の場合は "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\デスクトップ" です。. %Start Menu%フォルダは、通常、Windows 98 および MEの場合、"C:\Windows\Profiles\<ユーザ名>\Start Menu" 、Windows NTの場合、"C:\WINNT\Profiles\<ユーザ名>\Start Menu "、Windows 2000、XP、Server 2003の場合、"C:\Windows\Start Menu" および "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Start Menu " です。. %System Root%は、標準設定では "C:" です。また、オペレーティングシステムが存在する場所です。)

マルウェアは、感染したコンピュータ内に以下のように自身のコピーを作成します。

  • %System Root%:\Documents and Settings\All Users\Application Data\{random file name}.exe

(註:%System Root%は、標準設定では "C:" です。また、オペレーティングシステムが存在する場所です。)

マルウェアは、以下のフォルダを作成します。

  • %Start Menu%\Programs\Windows Recovery
  • %User Temp%\smtmp

(註: %Start Menu%フォルダは、通常、Windows 98 および MEの場合、"C:\Windows\Profiles\<ユーザ名>\Start Menu" 、Windows NTの場合、"C:\WINNT\Profiles\<ユーザ名>\Start Menu "、Windows 2000、XP、Server 2003の場合、"C:\Windows\Start Menu" および "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Start Menu " です。. %User Temp%はWindowsの種類とインストール時の設定などにより異なります。標準設定では、Windows 98 および MEの場合、"C:\Windows\Temp"、Windows NT の場合、"C:\Profiles\<ユーザー名>\TEMP"、Windows 2000、XP、Server 2003 の場合、"C:\Documents and Settings\<ユーザー名>\Local Settings\TEMP" です。)

自動実行方法

マルウェアは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
{random file name} = "%System Root%\Documents and Settings\All Users\Application Data\{random file name}.exe"

他のシステム変更

マルウェアは、以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software
75fa38b7-8b94-4995-ad32-52e938867954 = ""

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Policies\
ActiveDesktop
NoChangingWallPaper = "1"

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Policies\
System
DisableTaskMgr = "1"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\policies\
system
DisableTaskMgr = "1"

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Policies\
Associations
LowRiskFileTypes = "/{hq:/s`s:/ogn:/uyu:/dyd:/c`u:/bnl:/ble:/sdf:/lrh:/iul:/iulm:/fhg:/clq:/kqf:/`wh:/lqf:/lqdf:/lnw:/lq2:/l2t:/v`w:/rbs:"

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Policies\
Attachments
SaveZoneInformation = "1"

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Policies\
Explorer
NoDesktop = "1"

マルウェアは、以下のレジストリ値を変更します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Internet Explorer\Download
CheckExeSignatures = "no"

(註:変更前の上記レジストリ値は、「yes」となります。)

その他

マルウェアは、実行後、自身を削除します。

偽セキュリティソフト型不正プログラムによる不正活動

マルウェアは、ユーザの感染を通知する偽の警告を表示します。また、感染したコンピュータの偽のスキャン結果を表示します。スキャンが完了すると、ユーザに製品の購入を要求します。ユーザが偽の製品を購入しようとすると、ユーザを特定のWebサイトに誘導してクレジットカード番号といった個人情報を要求します。

マルウェアは、フォルダ " %Start Menu%" および "%Desktop%" 内のファイルを、自身が作成したフォルダ "%User Temp%\smtmp" へ移動します。フォルダ " %Start Menu%" 内のファイルは、サブフォルダ "%User Temp%\smtmp\1" へ、フォルダ " %Desktop%" 内のファイルは、サブフォルダ "%User Temp%\smtmp\2" へ移動されます。

マルウェアは、フォルダ "%User Temp%\smtmp" 内に移動したファイルの属性を隠しファイルの属性に変更します。これにより、ファイルが削除されたように装います。

マルウェアは、以下のメッセージを表示します。

マルウェアは、以下のウィンドウを表示し、コンピュータをスキャニングしているように装います。

マルウェアは、以下のウィンドウを表示し、コンピュータのエラーを修復しているように装います。

以下のウィンドウが表示されます。そして偽のシステムエラーについての概要を示し、偽のウイルス対策製品を購入するかどうかユーザに確認します。

ユーザが、製品の起動に同意すると、以下のWebサイトへ誘導されます。

  • https://www.{BLOCKED}s-recovery.com/secure/payments/

ただし、情報公開日現在、このWebサイトにはアクセスできません。

  対応方法

対応検索エンジン: 8.900
VSAPI OPR パターンバージョン 8.155.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2011年5月14日

手順 1

Windows XP および Windows Server 2003 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

この「TROJ_FAKEAV.ORT」が作成、あるいは、ダウンロードした以下のファイルを検索し、検索した場合は削除してください。

    TROJ_FAKEAV.SM29

手順 3

Windowsをセーフモードで再起動します。

[ 詳細 ]

手順 4

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • {random file name} = "Ͽstem RootϿDocuments and Settings\All Users\Application Data\{random file name}.exe"
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software
    • 75fa38b7-8b94-4995-ad32-52e938867954
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Policies\ActiveDesktop
    • NoChangingWallPaper = "1"
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Policies\System
    • DisableTaskMgr = "1"
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\policies\system
    • DisableTaskMgr = "1"
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Policies\Associations
    • LowRiskFileTypes = "/{hq:/s`s:/ogn:/uyu:/dyd:/c`u:/bnl:/ble:/sdf:/lrh:/iul:/iulm:/fhg:/clq:/kqf:/`wh:/lqf:/lqdf:/lnw:/lq2:/l2t:/v`w:/rbs:"
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Policies\Attachments
    • SaveZoneInformation = "1"
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Policies\Explorer
    • NoDesktop = "1"

手順 5

変更されたレジストリ値を修正します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Internet Explorer\Download
    • From: CheckExeSignatures = "no"
      To: CheckExeSignatures = "yes"

手順 6

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性の場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • %Desktop%\Windows Recovery.lnk
  • %Start Menu%\Programs\Windows Recovery\Uninstall Windows Recovery.lnk
  • %Start Menu%\Programs\Windows Recovery\Windows Recovery.lnk
  • %System Root%\Documents and Settings\All Users\Application Data\{random file name}

手順 7

以下のフォルダを検索し削除します。

[ 詳細 ]
註:このフォルダは、隠しフォルダとして設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • %Start Menu%\Programs\Windows Recovery
  • %User Temp%\smtmp

手順 8

コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「TROJ_FAKEAV.ORT」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。

 註:手順 7を行う前に、以下の手順を行ってください。

  • このワームが移動したファイルを復元します。
    1,フォルダ "%User Temp%\smtmp" を開き、ファイルをコピーします。
    • サブフォルダ "%User Temp%\smtmp\1"の場合、コピーしたファイルは、フォルダ " %Start Menu%" へ復元します。
    • サブフォルダ "%User Temp%\smtmp\2"の場合、コピーしたファイルは、フォルダ " %Desktop%" へ復元します。
  • 以下の手順で隠しファイルを表示するように設定してください。
    1,[スタート]-[プログラム]-[アクセサリ]-[コマンドプロンプト]をクリックし、コマンドプロンプトを開きます。
    2,コンピュータのすべてのドライブに対し、以下の指示を入力します。

    attrib -h ";{drive letter}:\*.* /s /d

    3,以下の指示を入力し、コマンドプロンプト閉じます。

    exit

  • このマルウェアによって作成された以下のフォルダ内のファイルがすべて復元、コピーされた後、このフォルダを削除します。
    • %User Temp%\smtmp


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