解析者: Jaime Benigno Reyes   

 別名:

Trojan-Ransom.Win32.Blocker.grqn (Kaspersky)

 プラットフォーム:

Windows

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:
 情報漏えい:

  • マルウェアタイプ:
    トロイの木馬型

  • 破壊活動の有無:
    なし

  • 暗号化:
     

  • 感染報告の有無 :
    はい

  概要

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

マルウェア マルウェアは、自身(コンピュータに侵入して最初に自身のコピーを作成した マルウェア )を削除します。

  詳細

ファイルサイズ 286,720 bytes
タイプ EXE
メモリ常駐 はい
発見日 2015年3月19日

侵入方法

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

マルウェアは、以下のフォルダを追加します。

  • %System Root%\{8 alphanumeric characters}

(註:%System Root%フォルダは、オペレーティングシステム(OS)が存在する場所で、いずれのOSでも通常、 "C:" です。.)

マルウェアは、以下のファイルを作成します。

  • HELP_DECRYPT.HTML
  • HELP_DECRYPT.PNG
  • HELP_DECRYPT.TXT
  • HELP_DECRYPT.URL

マルウェアは、感染したコンピュータ内に以下のように自身のコピーを作成します。

  • %System Root%\{8 alphanumeric characters}\{8 alphanumeric characters}.exe
  • %Application Data%\{8 alphanumeric characters}.exe

(註:%System Root%フォルダは、オペレーティングシステム(OS)が存在する場所で、いずれのOSでも通常、 "C:" です。.. %Application Data%フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data"、Windows Vista 、 7 、8、8.1 、Server 2008 および Server 2012の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming" です。.)

自動実行方法

マルウェアは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
{7 alphanumeric characters} = "%System Root%\{8 alphanumeric characters}\{8 alphanumeric characters}.exe"

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
{8 alphanumeric characters} = "%Application Data%\{8 alphanumeric characters}.exe"

マルウェアは、<Common Startup>フォルダ内に以下のように自身のコピーを作成します。これにより、Windows起動時に自身のコピーの自動実行が可能となります。

  • %User Startup%\{8 alphanumeric characters}.exe

(註:%User Startup%フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常、"C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Start Menu\Programs\Startup" 、Windows Vista 、 7 、8、8.1 、Server 2008 および Server 2012の場合、" C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming\Microsoft\Windows\Start Menu\Programs\Startup" です。.)

他のシステム変更

マルウェアは、以下のファイルを改変します。

  • database files
  • web files
  • MS Office files
  • video
  • images
  • script files
  • text files
  • other non-binary files

マルウェアは、以下のレジストリキーを追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\{32 alphanumeric characters}

HKEY_CURRENT_USER\Software\{32 alphanumeric characters}\
{16 alphanumeric characters}

マルウェアは、以下のレジストリ値を変更します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\BITS
Start = "4"

(註:変更前の上記レジストリ値は、「"3"」となります。)

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\ERSvc
Start = "4"

(註:変更前の上記レジストリ値は、「"2"」となります。)

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\wscsvc
Start = "4"

(註:変更前の上記レジストリ値は、「"2"」となります。)

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\wuauserv
Start = "4"

(註:変更前の上記レジストリ値は、「"2"」となります。)

その他

マルウェアは、以下のWebサイトにアクセスして感染コンピュータのIPアドレスを収集します。

  • http://ip-addr.es/

マルウェアは、以下の不正なWebサイトにアクセスします。

  • http://{BLOCKED}ook.net/img1.php?{letter}={random}
  • http://{BLOCKED}lyblocks.com/404.php
  • http://{BLOCKED}lyblocks.com/img4.php?{letter}={random}
  • http://{BLOCKED}rdening.com/img3.php?{letter}={random}
  • http://{BLOCKED}and-charm.com/img3.php?{letter}={random}
  • http://{BLOCKED}c.net/img3.php?{letter}={random}
  • http://{BLOCKED}and-charm.com/img3.php?{letter}={random}

マルウェア は、自身(コンピュータに侵入して最初に自身のコピーを作成した マルウェア )を削除します。

  対応方法

対応検索エンジン: 9.750
初回 VSAPI パターンバージョン 11.548.04
初回 VSAPI パターンリリース日 2015年3月19日
VSAPI OPR パターンバージョン 11.549.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2015年3月20日

手順 1

Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

このマルウェアもしくはアドウェア等の実行により、手順中に記載されたすべてのファイル、フォルダおよびレジストリキーや値がコンピュータにインストールされるとは限りません。インストールが不完全である場合の他、オペレーティングシステム(OS)の条件によりインストールがされない場合が考えられます。手順中に記載されたファイル/フォルダ/レジストリ情報が確認されない場合、該当の手順の操作は不要ですので、次の手順に進んでください。

手順 3

このマルウェアのパス名およびファイル名を確認します。
最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用いてウイルス検索を実行してください。「TROJ_CRYPDEF.AA」で検出したパス名およびファイル名を確認し、メモ等をとってください。

手順 4

Windowsをセーフモードで再起動します。

[ 詳細 ]

手順 5

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

 
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • {7 alphanumeric characters} = "%System Root%\{8 alphanumeric characters}\{8 alphanumeric characters}.exe"
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • {8 alphanumeric characters} = "%Application Data%\{8 alphanumeric characters}.exe"

手順 6

変更されたレジストリ値を修正します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
事前に意図的に対象の設定を変更していた場合は、意図するオリジナルの設定に戻してください。変更する値が分からない場合は、システム管理者にお尋ねいただき、レジストリの編集はお客様の責任として行なって頂くようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\BITS
    • From: Start = "4"
      To: Start = "3"
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\ERSvc
    • From: Start = "4"
      To: Start = "2"
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\wscsvc
    • From: Start = "4"
      To: Start = "2"
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\wuauserv
    • From: Start = "4"
      To: Start = "2"

手順 7

以下のフォルダを検索し削除します。

[ 詳細 ]
註:このフォルダは、隠しフォルダとして設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • %System Root%\{8 alphanumeric characters}

手順 8

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性の場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • HELP_DECRYPT.HTML
  • HELP_DECRYPT.PNG
  • HELP_DECRYPT.TXT
  • HELP_DECRYPT.URL

手順 9

コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「TROJ_CRYPDEF.AA」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。

手順 10

以下のファイルをバックアップを用いて修復します。なお、マイクロソフト製品に関連したファイルのみ修復されます。このマルウェア/グレイウェア/スパイウェアが同社製品以外のプログラムをも削除した場合には、該当プログラムを再度インストールする必要があります。

  • database files
  • web files
  • MS Office files
  • video
  • images
  • script files
  • text files
  • other non-binary files

手順 11

インストールの過程で追加された以下のファイル/フォルダ/レジストリキーや値には、参照可能な値が存在しないため、ユーザの手動検索によって確認することができません。そのため、ユーザがシステム情報のバックアップを行なっている場合にのみ、保存されている前のデータと比較することで追加されたファイル/フォルダ/レジストリキーや値を確認することが可能となります。なお、追加されたコンポーネントは、コンピュータに悪影響を与えるものではないため、削除する必要はありません。

  • In HKEY_CURRENT_USER\Software
    • {32 alphanumeric characters}
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\{32 alphanumeric characters}
    • {16 alphanumeric characters}


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