解析者: Rhena Inocencio   

 別名:

Ransom:Win32/Empercrypt.A (Microsoft)

 プラットフォーム:

Windows

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:
 情報漏えい:

  • マルウェアタイプ:
    トロイの木馬型

  • 破壊活動の有無:
    なし

  • 暗号化:
    はい

  • 感染報告の有無 :
    はい

  概要

感染経路 インターネットからのダウンロード, 他のマルウェアからの作成

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

マルウェアは、特定のWebサイトにアクセスし、情報を送受信します。

  詳細

ファイルサイズ 322,560 bytes
タイプ EXE
メモリ常駐 はい
発見日 2016年1月25日
ペイロード 情報収集

侵入方法

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

マルウェアは、以下のコンポーネントファイルを作成します。

  • %AppDataLocal%\del.bat - used to delete the initial malware copy
  • %AppDataLocal%\bcd.bat - used to disable startup recovery options by executing the following commands:


    bcdedit /set {current} bootems no
    bcdedit /set {current} advancedoptions off
    bcdedit /set {current} optionsedit off
    bcdedit /set {current} bootstatuspolicy IgnoreAllFailures
    bcdedit /set {current} recoveryenabled off


  • %AppDataLocal%\time.e - infection timestamp
  • %AppDataLocal%\uac.exe - allows components to run with elevated rights
  • %System%\Tasks\uac - executes tue component bcd.bat

(註:%AppDataLocal%フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常、"C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data"、Windows Vista および 7 の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local" です。. %System%フォルダは、システムフォルダで、いずれのオペレーティングシステム(OS)でも通常、"C:\Windows\System32" です。.)

マルウェアは、感染したコンピュータ内に以下のように自身のコピーを作成します。

  • %AppDataLocal%\system.exe

(註:%AppDataLocal%フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常、"C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data"、Windows Vista および 7 の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local" です。)

自動実行方法

マルウェアは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
System = "%AppDataLocal%\system.exe"

マルウェアは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を変更します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows NT\CurrentVersion\Winlogon
Shell = "%AppDataLocal%\system.exe"

(註:変更前の上記レジストリ値は、「explorer.exe」となります。)

他のシステム変更

マルウェアは、以下のレジストリキーを追加します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows NT\CurrentVersion\Schedule\
TaskCache\Tasks\{GUID}

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows NT\CurrentVersion\Schedule\
TaskCache\Tree\uac

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows NT\CurrentVersion\Schedule\
TaskCache\Logon\{GUID}

マルウェアは、以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Control\Keyboard Layout
Scancode Map = "00000000 00000000 17000000 00003800 000038e0 00005be0 00005ce0 00003600 00001d00 00001de000000f000000010000001c0000003e0000003b00000044000000450000003d0000005de000000000"

This disables the following keys:

  • Enter
  • Escape
  • F1
  • F10
  • F3
  • F4
  • Left Alt
  • Left Ctrl
  • Left Windows
  • Num Lock
  • Right Alt
  • Right Ctrl
  • Right Shift
  • Right Windows
  • Tab

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows\CurrentVersion
rgd_bcd_condition = "1"

HKLM\SOFTWARE\Microsoft\
Windows NT\CurrentVersion\Schedule\
TaskCache\Tree\uac
Id = "{GUID}"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Policies\
System
EnableLUA = "0"

マルウェアは、以下のレジストリ値を変更します。

HKEY_CURRENT_USER\Control Panel\Accessibility\
StickyKeys
Flags = "506"

(註:変更前の上記レジストリ値は、「510」となります。)

その他

マルウェアは、以下のWebサイトにアクセスし、情報を送受信します。

  • http://{BLOCKED}r.in/news/gate.php?RIGHTS={user's rights}&WIN={windows version}&ID={unique ID}

マルウェアは、以下の拡張子をもつファイルを暗号化します。

  • dbf
  • arw
  • txt
  • doc
  • docm
  • docx
  • zip
  • rar
  • xlsx
  • xlsb
  • xlsm
  • pdf
  • jpg
  • jpe
  • jpeg
  • sql
  • mdf
  • accdb
  • mdb
  • odb
  • odm
  • odp
  • ods

  対応方法

対応検索エンジン: 9.800
初回 VSAPI パターンバージョン 12.296.03
初回 VSAPI パターンリリース日 2016年1月25日
VSAPI OPR パターンバージョン 12.297.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2016年1月26日

手順 1

Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

このマルウェアもしくはアドウェア等の実行により、手順中に記載されたすべてのファイル、フォルダおよびレジストリキーや値がコンピュータにインストールされるとは限りません。インストールが不完全である場合の他、オペレーティングシステム(OS)の条件によりインストールがされない場合が考えられます。手順中に記載されたファイル/フォルダ/レジストリ情報が確認されない場合、該当の手順の操作は不要ですので、次の手順に進んでください。

手順 3

Windowsをセーフモードで再起動します。

[ 詳細 ]

手順 4

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • System = "%AppDataLocal%\system.exe"
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion
    • rgd_bcd_condition = "1"
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\Schedule\TaskCache\Tree\uac
    • Id = "{GUID}"
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Policies\System
    • EnableLUA = "0"

手順 5

変更されたレジストリ値を修正します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
事前に意図的に対象の設定を変更していた場合は、意図するオリジナルの設定に戻してください。変更する値が分からない場合は、システム管理者にお尋ねいただき、レジストリの編集はお客様の責任として行なって頂くようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\Winlogon
    • From: Shell = "%AppDataLocal%\system.exe"
      To: Shell = "explorer.exe"
  • In HKEY_CURRENT_USER\Control Panel\Accessibility\StickyKeys
    • From: Flags = "506"
      To: Flags = "510"

手順 6

このレジストリキーを削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\Schedule\TaskCache\Tree
    • uac

手順 7

インストールの過程で追加された以下のファイル/フォルダ/レジストリキーや値には、参照可能な値が存在しないため、ユーザの手動検索によって確認することができません。そのため、ユーザがシステム情報のバックアップを行なっている場合にのみ、保存されている前のデータと比較することで追加されたファイル/フォルダ/レジストリキーや値を確認することが可能となります。なお、追加されたコンポーネントは、コンピュータに悪影響を与えるものではないため、削除する必要はありません。

  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\Schedule\TaskCache\Tasks
    • {GUID}
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\Schedule\TaskCache\Logon
    • {GUID}

手順 8

スケジュールされたタスクを削除します。

Windows 2000、XP および Server 2003 の場合:

  1. Windowsのスケジュールされたタスクを起動します。
    [スタート]-[すべてのプログラム]-[アクセサリ]-[システム ツール]-[タスク]を開きます。
  2. スケジュール欄に以下の値がある該当タスクを指定します。
    • %AppDataLocal%\bcd.bat
  3. 上記タスク上で右クリックし、[プロパティ]をクリックします。
  4. タブ[タスク]の「実行するファイル名」欄に、以下の文字列を含むかどうか確認します。
    Cmd /c /rd /s /q C:
  5. 上記文字列が確認された場合、該当タスクを削除します。

Windows Vista、7、Server 2008、8、8.1 および Server 2012 の場合:

  1. Windowsタスクスケジューラ画面を開きます。
    • Windows Vista、7 および Server 2008 の場合:
      • [スタート]を選択し、[検索]欄に"taskschd.msc"と入力して、Enterを押します。
    • Windows 8、8.1 および Server 2012 の場合:
      • 画面の左下隅を右クリックし、[実行]を選択し、"taskschd.msc"と入力。Enterを押します。
  2. 左側のパネルで、[タスクスケジューラライブラリ]をクリック。
  3. 上部中央のパネルで、[トリガー]欄に値を含む各タスクを確認します。
    • %AppDataLocal%\bcd.bat
  4. 中央下のパネルの[操作]タブをクリック。[詳細]欄で以下の文字列を確認します。
    Cmd /c /rd /s /q C:
  5. 上述の文字列が確認される場合、該当のタスクを削除します。

手順 9

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性に設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。  
  • %AppDataLocal%\time.e
  • %AppDataLocal%\del.bat
  • %AppDataLocal%\bcd.bat
  • %AppDataLocal%\uac.exe

手順 10

コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「RANSOM_EMPER.A」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


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