RANSOM_CRYPTOR.R038C0DBB18
Trojan-Ransom.Win32.Cryptor.bqk (KASPERSKY), Trojan:Win32/Occamy.B (MICROSOFT), W32/Filecoder.NOZ!tr (FORTINET)
Windows
マルウェアタイプ:
身代金要求型不正プログラム(ランサムウェア)
破壊活動の有無:
なし
暗号化:
なし
感染報告の有無 :
はい
概要
マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。
マルウェアは、Windowsのタスクスケジューラを用いて、「スケジュールされたタスク」を作成します。これにより、作成されたコピーが実行されます。
詳細
侵入方法
マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。
インストール
マルウェアは、異なるファイル名を用いて以下のフォルダ内に自身のコピーを作成します。
- %Application Data%\info.exe
(註:%Application Data%フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data"、Windows Vista 、 7 、8、8.1 、Server 2008 および Server 2012の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming" です。.)
マルウェアは、Windowsのタスクスケジューラを用いて、「スケジュールされたタスク」を作成します。これにより、作成されたコピーが実行されます。
マルウェアは、以下の Mutex を作成し、メモリ上で自身の重複実行を避けます。
- BleepingComputer_rapid
自動実行方法
マルウェアは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。
HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
Encrypter_074 = %Application Data%\info.exe
HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
userinfo = %Application Data%\recovery.txt
この「スケジュールされたタスク」により、以下の時間になるとマルウェアが実行されます。
- Every minute
- Upon login
他のシステム変更
マルウェアは、以下のレジストリ値を追加します。
HKEY_CURRENT_USER\Software\EncryptKeys
local_enc_private_key_len = {random data}
HKEY_CURRENT_USER\Software\EncryptKeys
local_enc_private_key = {random data}
HKEY_CURRENT_USER\Software\EncryptKeys
local_public_key_len = {random data}
HKEY_CURRENT_USER\Software\EncryptKeys
local_public_key = {random data}
プロセスの終了
マルウェアは、感染コンピュータ上で以下のプロセスが常駐されていることを確認した場合、そのプロセスを終了します。
- msftesql.exe
- sqlagent.exe
- sqlbrowser.exe
- sqlservr.exe
- sqlwriter.exe
- oracle.exe
- ocssd.exe
- dbsnmp.exe
- synctime.exe
- mydesktopqos.exe
- agntsvc.exeisqlplussvc.exe
- xfssvccon.exe
- mydesktopservice.exe
- ocautoupds.exe
- agntsvc.exeagntsvc.exe
- agntsvc.exeencsvc.exe
- firefoxconfig.exe
- tbirdconfig.exe
- ocomm.exe
- mysqld.exe
- mysqld-nt.exe
- mysqld-opt.exe
- dbeng50.exe
- sqbcoreservice.exe
- excel.exe
- infopath.exe
- msaccess.exe
- mspub.exe
- onenote.exe
- outlook.exe
- powerpnt.exe
- steam.exe
- thebat.exe
- thebat64.exe
- thunderbird.exe
- visio.exe
- winword.exe
- wordpad.exe
- taskmgr.exe
その他
マルウェアは、以下のセキュリティ対策製品が存在しているかを確認します。
- AVP.EXE
- ekrn.exe
- avgnt.exe
- ashDisp.exe
- NortonAntiBot.exe
- Mcshield.exe
- avengine.exe
- cmdagent.exe
- smc.exe
- persfw.exe
- pccpfw.exe
- fsguiexe.exe
- cfp.exe
- msmpeng.exe
ランサムウェアの不正活動
マルウェアは、ファイル名に以下の文字列を含むファイルの暗号化はしません。
- How Recovery Files.txt
- info.exe
- recovery.txt
マルウェアは、以下のフォルダ内で確認されたファイルの暗号化はしません。
- Windows
- intel
- nvidia
- ProgramData
- temp
マルウェアは、暗号化されたファイルのファイル名に以下の拡張子を追加します。
- .rapid
マルウェアが作成する以下のファイルは、脅迫状です。
- %Application Data%\recovery.txt
- {encrypted files directory}\How Recovery Files.txt
(註:%Application Data%フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data"、Windows Vista 、 7 、8、8.1 、Server 2008 および Server 2012の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming" です。.)
対応方法
手順 1
Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。
手順 2
このマルウェアもしくはアドウェア等の実行により、手順中に記載されたすべてのファイル、フォルダおよびレジストリキーや値がコンピュータにインストールされるとは限りません。インストールが不完全である場合の他、オペレーティングシステム(OS)の条件によりインストールがされない場合が考えられます。手順中に記載されたファイル/フォルダ/レジストリ情報が確認されない場合、該当の手順の操作は不要ですので、次の手順に進んでください。
手順 3
Windowsをセーフモードで再起動します。
手順 4
追加されたスケジュールタスクの削除:
Windows 2000、XP および Server 2003 の場合:
- スケジュールタスクを開きます。
[スタート]-[プログラム]-[アクセサリー]-[システムツール]-[タスク スケジューラ]をクリック - ダブルクリックでJOBファイルを開きます。
- JOBファイルにマルウェアのパスおよびファイルが含まれているかを確認します。
- 上記欄に該当する名前が含まれていた場合、問題のJOBファイルを削除します。
- 残りのJOBファイルに対して、2.)から4.)の手順を繰り返します。
Windows Vista、7、Server 2008、8、8.1 および Server 2012 の場合:
- タスクスケジューラを開きます。
- Windows Vista、7 および Server 2008 の場合:
[スタート]をクリック。[検索]入力欄に"taskschd.msc"と入力し、Enterを押します。 - Windows 8、8.1 および Server 2012 の場合:
画面の左隅を右クリックし、[実行]を選択します。"taskschd.msc"と入力し、Enterを押します。
- Windows Vista、7 および Server 2008 の場合:
- タスクスケジューラ画面の左側のパネルで、[タスク スケジューラ ライブラリ]を選択します。
- 真ん中上部のパネルで、[タスク]をクリック。
- 真ん中下部のパネルの、[操作]タブをクリック。
- タスクにマルウェアのパスおよびファイル名が表示されているかを確認。確認された場合、[操作]タブ内の[詳細]欄の値を確認します。
- 値が確認される場合、タスクを選択。DELETEを押し、[はい]をクリックしてタスクを削除します。
- 残りのJOBファイルに対して、3.)から5.)の手順を繰り返します。
手順 5
不明なレジストリキーを削除します。
警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。
- In HKEY_CURRENT_USER\Software
- EncryptKeys
- EncryptKeys
手順 6
このレジストリ値を削除します。
警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。
- In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
- Encrypter_074 = %Application Data%\info.exe
- Encrypter_074 = %Application Data%\info.exe
- In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
- userinfo = %Application Data%\recovery.txt
- userinfo = %Application Data%\recovery.txt
手順 7
以下のファイルを検索し削除します。
- %Application Data%\info.exe
- %Application Data%\recovery.txt
- {encrypted files directory}\How Recovery Files.txt
手順 8
コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「RANSOM_CRYPTOR.R038C0DBB18」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。
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