解析者: Michael Jay Villanueva   

 別名:

Ransom:Win32/Teerac (Microsoft); Ransom.Crypt0L0cker (Malwarebytes); Trojan-Ransom.Win32.Rack.gpj (Kaspersky)

 プラットフォーム:

Windows

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:
 情報漏えい:

  • マルウェアタイプ:
    トロイの木馬型

  • 破壊活動の有無:
    なし

  • 暗号化:
     

  • 感染報告の有無 :
    はい

  概要

感染経路 インターネットからのダウンロード, 他のマルウェアからの作成

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

マルウェアは、Internet Explorer(IE)のゾーン設定を変更します。

マルウェアは、特定のWebサイトにアクセスし、情報を送受信します。 ただし、情報公開日現在、このWebサイトにはアクセスできません。

  詳細

ファイルサイズ 823,296 bytes
タイプ EXE
メモリ常駐 はい
発見日 2016年6月15日
ペイロード URLまたはIPアドレスに接続, メッセージボックスの表示

侵入方法

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

マルウェアは、感染したコンピュータ内に以下のように自身のコピーを作成します。

  • %Windows%\{Random Malware Filename}.exe

(註:%Windows%フォルダは、Windowsが利用するフォルダで、いずれのオペレーティングシステム(OS)でも通常、"C:\Windows" です。.)

マルウェアは、以下のコンポーネントファイルを作成します。

  • {Encrypted File Path}\HOW_TO_RESTORE_FILES.txt -> Ransom Note
  • {Encrypted File Path}\HOW_TO_RESTORE_FILES.html -> Ransom Note
  • %All Users Profile%\Application Data\erekakalacosumiz\aherizyb
  • %All Users Profile%\Application Data\erekakalacosumiz\eberesyb
  • %All Users Profile%\Application Data\erekakalacosumiz\izerihyb

(註:%All Users Profile%フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常、"C:\Documents and Settings\All Users”、Windows Vista 、 7 、8、8.1 、Server 2008 および Server 2012の場合、"C:\ProgramData” です。.)

マルウェアは、以下のファイルを作成し実行します。

  • %Desktop%\HOW_TO_RESTORE_FILES.txt -> Ransom Note
  • %Desktop%\HOW_TO_RESTORE_FILES.html -> Ransom Note

(註:%Desktop%フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Desktop"、Windows Vista 、 7 、8、8.1 、Server 2008 および Server 2012の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\Desktop" です。.)

マルウェアは、以下のフォルダを作成します。

  • %All Users Profile%\Application Data\oxekybivykehuhiw

(註:%All Users Profile%フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常、"C:\Documents and Settings\All Users”、Windows Vista 、 7 、8、8.1 、Server 2008 および Server 2012の場合、"C:\ProgramData” です。.)

マルウェアは、以下のプロセスにコードを組み込みます。

  • explorer.exe

自動実行方法

マルウェアは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
{random} = "%Windows%\{Random Malware Filename}.exe"

他のシステム変更

マルウェアは、以下のレジストリキーを追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows NT\CurrentVersion\Windows Messaging Subsystem

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows NT\CurrentVersion\Windows Messaging Subsystem\
Profiles

マルウェアは、以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Internet Explorer\PhishingFilter
EnabledV8 = 0

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Internet Explorer\PhishingFilter
EnabledV9 = 0

Webブラウザのホームページおよび検索ページの変更

マルウェアは、IEのゾーン設定を変更します。

その他

マルウェアは、以下のWebサイトにアクセスし、情報を送受信します。

  • http://{BLOCKED}o.net/plain
  • http://{BLOCKED}yip.com/text
  • http://{BLOCKED}nalip.com/raw
  • http://{pseudorandom domain name}.{BLOCKED}ssy.net:443

マルウェアは、以下の拡張子をもつファイルを暗号化します。

  • .ACL
  • .ACT
  • .ANI
  • .AU
  • .AVI
  • .BIN
  • .BMP
  • .CAB
  • .CAT
  • .CGM
  • .CHK
  • .CNV
  • .COM
  • .CPL
  • .CUR
  • .DIC
  • .DLL
  • .DRV
  • .EXE
  • .FFA
  • .FFL
  • .FFO
  • .FFX
  • .FLT
  • .FON
  • .GID
  • .GIF
  • .HLP
  • .ICM
  • .ICO
  • .JPEG
  • .JPG
  • .LEX
  • .MAP
  • .MMF
  • .MOV
  • .NLS
  • .NSF
  • .OBJ
  • .OCX
  • .OLB
  • .PAR
  • .PCS
  • .PDB
  • .PS
  • .PST
  • .SCR
  • .SEQ
  • .SYS
  • .TAR
  • .TMP
  • .TTC
  • .TTF
  • .URL
  • .VBX
  • .VXD
  • .WAV
  • .WMF
  • .XAB
  • .ZIP

マルウェアは、以下のファイル名を使用し、暗号化されたファイルを改称します。

  • {Original Filename}.encrypted

ただし、情報公開日現在、このWebサイトにはアクセスできません。

  対応方法

対応検索エンジン: 9.800
初回 VSAPI パターンバージョン 12.592.06
初回 VSAPI パターンリリース日 2016年6月15日
VSAPI OPR パターンバージョン 12.593.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2016年6月16日

手順 1

Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

このマルウェアもしくはアドウェア等の実行により、手順中に記載されたすべてのファイル、フォルダおよびレジストリキーや値がコンピュータにインストールされるとは限りません。インストールが不完全である場合の他、オペレーティングシステム(OS)の条件によりインストールがされない場合が考えられます。手順中に記載されたファイル/フォルダ/レジストリ情報が確認されない場合、該当の手順の操作は不要ですので、次の手順に進んでください。

手順 3

Windowsをセーフモードで再起動します。

[ 詳細 ]

手順 4

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

 
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • {random} = "%Windows%\{Random Malware Filename}.exe"
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Internet Explorer\PhishingFilter
    • EnabledV8 = 0
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Internet Explorer\PhishingFilter
    • EnabledV9 = 0

手順 5

以下のフォルダを検索し削除します。

[ 詳細 ]
フォルダが隠しフォルダ属性に設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • %All Users Profile%\Application Data\oxekybivykehuhiw

手順 6

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性の場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • %Windows%\{Random Malware Filename}.exe
  • %Desktop%\HOW_TO_RESTORE_FILES.txt
  • %Desktop%\HOW_TO_RESTORE_FILES.html
  • {Encrypted File Path}\HOW_TO_RESTORE_FILES.txt
  • {Encrypted File Path}\HOW_TO_RESTORE_FILES.html
  • %All Users Profile%\Application Data\erekakalacosumiz\aherizyb
  • %All Users Profile%\Application Data\erekakalacosumiz\eberesyb
  • %All Users Profile%\Application Data\erekakalacosumiz\izerihyb

手順 7

コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「RANSOM_CRYPTLOCK.YYSJD」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。

手順 8

Internet Explorer(IE)のセキュリティ設定を修正します。

[ 詳細 ]

手順 10

最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、ウイルス検索を実行してください。「RANSOM_CRYPTLOCK.YYSJD」と検出したファイルはすべて削除してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


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