解析者: Marcus Ma. Antonio Capistrano   

 別名:

Ransom.Enciphered (NORTON), Ransom:Win32/Genasom (MICROSOFT), TR/Agent.gkqln (ANTIVIR)

 プラットフォーム:

Windows

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:
 情報漏えい:

  • マルウェアタイプ:
    身代金要求型不正プログラム(ランサムウェア)

  • 破壊活動の有無:
    なし

  • 暗号化:
    はい

  • 感染報告の有無 :
    はい

  概要

感染経路 他のマルウェアからの作成, インターネットからのダウンロード

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

マルウェアは、「Registry Shell Spawning」という手法で特定のレジストリキーまたはレジストリ値を変更します。これにより、他のアプリケーションが実行されると、このマルウェアも自動実行されます。

  詳細

ファイルサイズ 1,327,104 bytes
タイプ EXE
メモリ常駐 はい
発見日 2017年7月20日
ペイロード 画像の表示, ウインドウの表示

侵入方法

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

マルウェアは、以下のファイルを作成します。

  • %Desktop%\bmp.bmp
  • %Desktop%\ico.ico
  • %System Root%\yl.ini
  • %Program Files%\Resurrection
  • %System Root%\Second Resurrection.exe
  • %Program Files%\Second Resurrection
  • %Program Files%\China Yun Long

(註:%Desktop%フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Desktop"、Windows Vista 、 7 、8、8.1 、Server 2008 および Server 2012の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\Desktop" です。.. %System Root%フォルダは、オペレーティングシステム(OS)が存在する場所で、いずれのOSでも通常、 "C:" です。.. %Program Files%フォルダは、プログラムファイルのフォルダで、いずれのオペレーティングシステム(OS)でも通常、 "C:\Program Files"、64bitのOS上で32bitのアプリケーションを実行している場合、 "C:\Program Files (x86)" です。.)

マルウェアは、以下のファイルを作成し実行します。

  • %Windows%\Resurrection.exe
  • %Desktop%\China Yun Long.exe

(註:%Windows%フォルダは、Windowsが利用するフォルダで、いずれのオペレーティングシステム(OS)でも通常、"C:\Windows" です。.. %Desktop%フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Desktop"、Windows Vista 、 7 、8、8.1 、Server 2008 および Server 2012の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\Desktop" です。.)

自動実行方法

マルウェアは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
Resurrection.exe = %Windows%\Resurrection.exe

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
{Malware file name} = {Malware file path}

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
China Yun Long.exe = %Desktop%\China Yun Long.exe

マルウェアは、「Registry Shell Spawning」という手法で以下のレジストリキーまたはレジストリ値を変更します。これにより、特定のファイル形式のファイルが開かれると、このマルウェアも自動実行されます。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Classes\
yl\Shell\Open\
Command
{blank} = "%Desktop%\China Yun Long.exe" "%1"

他のシステム変更

マルウェアは、以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Classes\
yl
EditFlags = 2

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Classes\
.yl
{blank} = yl

マルウェアは、以下のレジストリ値を変更し、デスクトップの壁紙を変更します。

HKEY_CURRENT_USER\Control Panel\Desktop
Wallpaper = %Desktop%\bmp.bmp

その他

マルウェアは、以下の拡張子をもつファイルを暗号化します。

  • .doc
  • .jpg
  • .png
  • .pdf
  • .docx
  • .wps
  • .xlsx
  • .xls
  • .txt
  • .excel
  • .word
  • .et
  • .ppt
  • .dps
  • .rar
  • .zip
  • .7z
  • .h
  • .bak
  • .e
  • .html
  • .htm
  • .asp
  • .php
  • .mp3
  • .mp4
  • .avi

ランサムウェアの不正活動

マルウェアは、暗号化されたファイルのファイル名に以下の拡張子を追加します。

  • .yl

  対応方法

対応検索エンジン: 9.850
初回 VSAPI パターンバージョン 13.544.04
初回 VSAPI パターンリリース日 2017年7月20日
VSAPI OPR パターンバージョン 13.545.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2017年7月21日

手順 1

Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

このマルウェアもしくはアドウェア等の実行により、手順中に記載されたすべてのファイル、フォルダおよびレジストリキーや値がコンピュータにインストールされるとは限りません。インストールが不完全である場合の他、オペレーティングシステム(OS)の条件によりインストールがされない場合が考えられます。手順中に記載されたファイル/フォルダ/レジストリ情報が確認されない場合、該当の手順の操作は不要ですので、次の手順に進んでください。

手順 3

「RANSOM_CHIYUNLONG.A」で検出したファイル名を確認し、そのファイルを終了します。

[ 詳細 ]

  • すべての実行中プロセスが、Windows のタスクマネージャに表示されない場合があります。この場合、"Process Explorer" などのツールを使用しマルウェアのファイルを終了してください。"Process Explorer" については、こちらをご参照下さい。
  • 検出ファイルが、Windows のタスクマネージャまたは "Process Explorer" に表示されるものの、削除できない場合があります。この場合、コンピュータをセーフモードで再起動してください。
    セーフモードについては、こちらをご参照下さい。
  • 検出ファイルがタスクマネージャ上で表示されない場合、次の手順にお進みください。

手順 4

「Process Explorer」を使用してこの[Malware]のプロセスを終了します。

[ 詳細 ]
この[Malware]のプロセスがProcess Explorerに表示されないため、削除できない場合があります。この場合、コンピュータをセーフモードで再起動してください。セーフモードについては、こちらをご参照下さい。

手順 5

不明なレジストリキーを削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Classes\yl
  • HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Classes\.yl

手順 6

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • Resurrection.exe = %Windows%\Resurrection.exe
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • {Malware file name} = {Malware file path}
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • China Yun Long.exe = %Desktop%\China Yun Long.exe

手順 7

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性に設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。  
  • %Windows%\Resurrection.exe
  • %Desktop%\China Yun Long.exe
  • %Desktop%\bmp.bmp
  • %Desktop%\ico.ico
  • %System Root%\yl.ini
  • %Program Files%\Resurrection
  • %System Root%\Second Resurrection.exe
  • %Program Files%\Second Resurrection
  • %Program Files%\China Yun Long

手順 8

最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、ウイルス検索を実行してください。「RANSOM_CHIYUNLONG.A」と検出したファイルはすべて削除してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。

手順 9

デスクトッププロパティを修正します。

[ 詳細 ]


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