解析者: Mc Justine De Guzman   

 プラットフォーム:

Windows

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:
 情報漏えい:

  • マルウェアタイプ:
    身代金要求型不正プログラム(ランサムウェア)

  • 破壊活動の有無:
    なし

  • 暗号化:
    はい

  • 感染報告の有無 :
    はい

  概要

感染経路 インターネットからのダウンロード, 他のマルウェアからの作成

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

身代金要求文書のファイルを作成します。

  詳細

ファイルサイズ 225,280 bytes
タイプ DLL
メモリ常駐 はい
発見日 2021年12月21日
ペイロード ファイルの暗号化, ファイルの実行, プロセスの強制終了, システムのレジストリの変更, ファイルの作成, メッセージボックスの表示

侵入方法

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

マルウェアは、以下のフォルダを追加します。

  • %Application Data%\{Random characters}

(註:%Application Data%フォルダは、現在ログオンしているユーザのアプリケーションデータフォルダです。Windows 2000(32-bit)、XP、Server 2003(32-bit)の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data" です。また、Windows Vista、7、8、8.1、2008(64-bit)、2012(64-bit)、10(64-bit)の場合、通常 "C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming" です。)

マルウェアは、以下のファイルを作成します。

  • %Application Data%\{Random characters}\{Random characters}.dll

(註:%Application Data%フォルダは、現在ログオンしているユーザのアプリケーションデータフォルダです。Windows 2000(32-bit)、XP、Server 2003(32-bit)の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data" です。また、Windows Vista、7、8、8.1、2008(64-bit)、2012(64-bit)、10(64-bit)の場合、通常 "C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming" です。)

マルウェアは、以下のプロセスを追加します。

  • vssadmin.exe Delete Shadows /All /Quiet
  • bcdedit.exe /set {default} safeboot minimal
  • bcdedit.exe /set {default} recoveryenabled No
  • %System%\icacls.exe ":\*" /grant:r Everyone:F /t /c /q -> grant access to the drives it encrypts
  • %System%\takeown.exe /F {Original service's executable path}

(註:%System%フォルダは、システムフォルダで、いずれのオペレーティングシステム(OS)でも通常、"C:\Windows\System32" です。.)

自動実行方法

マルウェアは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
{Random characters} = %System%\rundll32.exe %Application Data%\{Random characters}\{Random characters}.dll MzIqsx38gCwocWdP

プロセスの終了

マルウェアは、感染コンピュータ上でプロセスが常駐されていることを確認した場合、以下のいずれかの文字列を含むプロセスまたはサービスを終了します。

  • sqlagent
  • sophos

その他

マルウェアは、以下を実行します。

  • It expects itself to be executed as a service
  • It installs itself as a service through modifying a service's ImagePath to point to itself and execute it along with its correct argument
  • In these particular samples, there is currently no way to terminate processes. The embedded Process Hacker is not included in the ransomware samples, and it does not enumerate running processes
  • It removes connections to network shared resources
  • It requires the specific argument in order for it to proceed to its malicious routine:
    • MzIqsx38gCwocWdP
  • It copies the executable loading it to the original executable's filepath found in the service's ImagePath

ランサムウェアの不正活動

マルウェアは、ファイルパスに以下の文字列を含むファイルの暗号化はしません。

  • svsho*.exe
  • schre*.bat
  • V01.lo*
  • V01.ch*
  • V01res*.jrs
  • RacWmi*.sdf
  • Web*V01.dat
  • default.rdp
  • NTUSER.DA*
  • *.lnk
  • *.ico
  • *.ini
  • *.msi
  • *.chm
  • *.sys
  • *.hlf
  • *.lng
  • *.inf
  • *.ttf
  • *.cmd
  • *.LNK
  • *.ICO
  • *.INI
  • *.MSI
  • *.CHM
  • *.SYS
  • *.HLF
  • *.LNG
  • *.INF
  • *.TTF
  • *.CMD

マルウェアは、以下のフォルダ内で確認されたファイルの暗号化はしません。

  • $RECYCLE.BIN
  • $Recycle.Bin
  • Caches
  • WebCache
  • VirtualStore

マルウェアは、暗号化されたファイルのファイル名に以下の拡張子を追加します。

  • .pay0rgrief

マルウェアが作成する以下のファイルは、脅迫状です。

  • {encrypted file name}.iwant2survive.html - drops it for every file it encrypts

  対応方法

対応検索エンジン: 9.800
初回 VSAPI パターンバージョン 17.266.08
初回 VSAPI パターンリリース日 2021年12月21日
VSAPI OPR パターンバージョン 17.267.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2021年12月22日

手順 1

トレンドマイクロの機械学習型検索は、マルウェアの存在を示す兆候が確認された時点で検出し、マルウェアが実行される前にブロックします。機械学習型検索が有効になっている場合、弊社のウイルス対策製品はこのマルウェアを以下の機械学習型検出名として検出します。

     
    • Troj.Win32.TRX.XXPE50FFF050

手順 2

Windows 7、Windows 8、Windows 8.1、および Windows 10 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 3

このマルウェアもしくはアドウェア等の実行により、手順中に記載されたすべてのファイル、フォルダおよびレジストリキーや値がコンピュータにインストールされるとは限りません。インストールが不完全である場合の他、オペレーティングシステム(OS)の条件によりインストールがされない場合が考えられます。手順中に記載されたファイル/フォルダ/レジストリ情報が確認されない場合、該当の手順の操作は不要ですので、次の手順に進んでください。

手順 4

Windowsをセーフモードで再起動します。

[ 詳細 ]

手順 5

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • {Random characters} = %System%\rundll32.exe %Application Data%\{Random characters}\{Random characters}.dll MzIqsx38gCwocWdP

手順 6

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性に設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • %Application Data%\{Random characters}\{Random characters}.dll
  • {encrypted file name}.iwant2survive.html

手順 7

以下のフォルダを検索し削除します。

[ 詳細 ]
註:このフォルダは、隠しフォルダとして設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • %Application Data%\{Random characters}

手順 8

コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「Ransom.Win32.GRIEF.YPBLU」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。

手順 10

暗号化されたファイルをバックアップから復元します。


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