解析者: Jed Valderama   

 別名:

Virus:Win32/Delf.MH (Microsoft), Win32/Quervar.C virus (NOD32)

 プラットフォーム:

Windows 2000, Windows XP, Windows Server 2003

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:

  • マルウェアタイプ:
    ファイル感染型

  • 破壊活動の有無:
    なし

  • 暗号化:
    はい

  • 感染報告の有無 :
    はい

  概要

感染経路 ファイルに感染, インターネットからのダウンロード, リムーバブルドライブを介した感染活動

トレンドマイクロは、このウイルスをNoteworthy(要注意)に分類しました。

このウイルスは、特にヨーロッパ地域のメディアやセキュリティ関連企業から注目を集めました。ウイルスは、Microsoft Word ファイル(拡張子 DOC および DOCX)や Microsoft Excel ファイル(拡張子 XLS および XLSX)、通常の実行ファイル(拡張子 EXE)に感染します。ウイルスは、マップされたネットワークドライブやUSBドライブまたはリムーバブルドライブを狙うウイルスです。

ウイルスは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

ウイルスは、標的とするファイルの先頭に自身のコードを追加して感染活動を行います。 ウイルスは、「infection marker(感染したことを示す印)」をファイルに追加します。

ウイルスは、イベントを作成します。 ただし、情報公開日現在、このWebサイトにはアクセスできません。

  詳細

ファイルサイズ 125,952 bytes
タイプ EXE
メモリ常駐 はい
発見日 2012年8月8日
ペイロード プロセスの強制終了, URLまたはIPアドレスに接続

侵入方法

ウイルスは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

ウイルスは、以下のコンポーネントファイルを作成します。

  • %Application Data%\{random folder name}\{random file name}.exe.ini
  • %Application Data%\{random folder name}\{random file name}.exe.lnk

(註:%Application Data%フォルダは、 Windows 2000、XP、Server 2003 の場合 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data" 、 Windows NTの場合 "C:\WINNT\Profiles\<ユーザ名>\Application Data"、Windows 98 および MEの場合、"C:\Windows\Profiles\<ユーザ名>\Application Data" です。)

ウイルスは、以下のファイルを作成し実行します。

  • %Application Data%\{random folder name}\{random file name}.exe - detected as PE_QUERVAR.B-O

(註:%Application Data%フォルダは、 Windows 2000、XP、Server 2003 の場合 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data" 、 Windows NTの場合 "C:\WINNT\Profiles\<ユーザ名>\Application Data"、Windows 98 および MEの場合、"C:\Windows\Profiles\<ユーザ名>\Application Data" です。)

自動実行方法

ウイルスは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows NT\CurrentVersion\Windows
load = "%Application Data%\{random folder name}\{random file name}.exe.lnk"

ファイル感染

ウイルスは、以下の形式のファイルに感染します。

  • EXE
  • DOC
  • DOCX
  • XLS
  • XLSX

ウイルスは、標的とするファイルの先頭に自身のコードを追加して感染活動を行います。

ウイルスは、「infection marker(感染したことを示す印)」をファイルに追加します。

プロセスの終了

ウイルスは、感染コンピュータ上で以下のプロセスが常駐されていることを確認した場合、そのプロセスを終了します。

  • taskmgr.exe

その他

このウイルスのコードから、ウイルスは、以下の機能を備えています。

  • Attempts to connect to the following remote registry using Remote Registry Service: HKEY_CURRENT_USER\kaspersky
  • Update the malware copy.
  • Change the file names and folder name randomly.
  • Change the hash randomly on command.

ウイルスは、以下のWebサイトにアクセスしてインターネット接続を確認します。

  • http://www.update.microsoft.com/windowsupdate/v6/thanks.aspx?{random}&pin={random}

ウイルスは、以下のWebサイトにアクセスして不正なファイルをダウンロードします。

  • http://{BLOCKED}dns.com/bl/in.php?{random}&pin={random}

ウイルスは、以下のイベントを作成します。

  • "SayHellotomyLittleFriend"

ただし、情報公開日現在、このWebサイトにはアクセスできません。

ウイルスが備える機能は、以下のとおりです。

  • リモート・レジストリ・サービスを利用した以下のリモートレジストリへのアクセス
    • HKEY_CURRENT_USER\kaspersky
  • 自身のコピーのアップデート
  • ファイル名およびフォルダ名をランダムに変更
  • コマンドでハッシュ値をランダムに変更

ウイルスは、オリジナルのファイルの拡張子の種類によって、感染したファイルを以下のように変更します。

  • "<オリジナルのファイル名>.doc" から "<オリジナルのファイル名>cod.scr"
  • "<オリジナルのファイル名>.docx" から "<オリジナルのファイル名>xcod.scr"
  • "<オリジナルのファイル名>.xls" から "<オリジナルのファイル名>slx.scr"
  • "<オリジナルのファイル名>.xlsx" から "<オリジナルのファイル名>xslx.scr"

マルウェアは、「System Volume Information」フォルダのないドライブを検索することにより、標的とするドライブを探し、ローカルのハード・ディスク・ドライブ内のファイルの感染を防ぎます。

  対応方法

対応検索エンジン: 9.200
初回 VSAPI パターンバージョン 9.310.06
初回 VSAPI パターンリリース日 2012年8月8日
VSAPI OPR パターンバージョン 9.311.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2012年8月8日

手順 1

Windows XP および Windows Server 2003 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

このマルウェアのパス名およびファイル名を確認します。
最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用いてウイルス検索を実行してください。「PE_QUERVAR.B-O」で検出したパス名およびファイル名を確認し、メモ等をとってください。

手順 3

Windowsをセーフモードで再起動します。

[ 詳細 ]

手順 4

このレジストリキーを削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\Windows
    • load = "%Application Data%\{random folder name}\{random file name}.exe.lnk"

手順 5

以下のフォルダを検索し削除します。

[ 詳細 ]
註:このフォルダは、隠しフォルダとして設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • %Application Data%\{random folder name}

手順 6

コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「PE_QUERVAR.B-O」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。

手順 7

最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、ウイルス検索を実行してください。「PE_QUERVAR.B-O」と検出したファイルはすべて削除してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


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