解析者: Al Victor de Leon   

 別名:

W32/ObfusInjectBot.a (Nai), Troj/Malit-EC (Sophos)

 プラットフォーム:

Windows 2000, Windows Server 2003, Windows XP (32-bit, 64-bit), Windows Vista (32-bit, 64-bit), Windows 7 (32-bit, 64-bit)

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:
 情報漏えい:

  • マルウェアタイプ:
    バックドア型

  • 破壊活動の有無:
    なし

  • 暗号化:
    なし

  • 感染報告の有無 :
    はい

  概要

感染経路 他のマルウェアからの作成, インターネットからのダウンロード

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

マルウェアは、特定のレジストリ値を追加し、タスクマネージャを無効にします。これにより、通常はタスクマネージャを介して行うマルウェアのプロセスの終了が実行できなくなります。

マルウェアは、不正リモートユーザからのコマンドを実行し、感染コンピュータを改ざんします。

マルウェアは、上記プロセスが確認されると、そのプロセスを停止します。これにより、感染コンピュータ上で自身の実行を確実にします。

  詳細

ファイルサイズ 31,214,821 bytes
タイプ Script
メモリ常駐 はい
発見日 2014年6月2日
ペイロード システムセキュリティへの感染活動, プロセスの強制終了

侵入方法

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

マルウェアは、以下のファイルを作成します。

  • {Script path}\run.vbs
  • %User Profile%\945nt9197sbll\check.txt

(註:%User Profile% フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常、"C:\Documents and Settings\<ユーザ名>"、Windows Vista および 7 の場合、"C:\Users\<ユーザ名>" です。)

マルウェアは、以下のプロセスに自身を組み込み、システムのプロセスに常駐します。

  • RegSvcs.exe
  • RegAsm.exe
  • AppLaunch.exe
  • RegSvcs.exe
  • RegAsm.exe
  • AppLaunch.exe
  • newdev.exe
  • twunk_32.exe
  • ndadmin.exe

マルウェアは、以下のフォルダを作成します。

  • %User Profile%\945nt9197sbll

(註:%User Profile% フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常、"C:\Documents and Settings\<ユーザ名>"、Windows Vista および 7 の場合、"C:\Users\<ユーザ名>" です。)

マルウェアは、以下の Mutex を作成し、メモリ上で自身の重複実行を避けます。

  • Adobe.exe

自動実行方法

マルウェアは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CURRENT_USER64\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\RunOnce
945nt9197sbll = "%User Profile%\945nt9197sbll\98358.vbs"

マルウェアは、以下のファイルを作成します。

  • %User Profile%\945nt9197sbll\97154.cmd - batch file to execute the malware script
  • %User Profile%\945nt9197sbll\98358.vbs - vbscript file to execute the dropped batch file

(註:%User Profile% フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常、"C:\Documents and Settings\<ユーザ名>"、Windows Vista および 7 の場合、"C:\Users\<ユーザ名>" です。)

マルウェアは、<User Startup>フォルダ内に、自身のコピーに誘導する以下のショートカットを作成します。これにより、Windows起動時に自身のコピーが自動実行されます。

  • %Start Menu%\start.lnk

(註:%Start Menu%フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常、"C:\Windows\Start Menu" または "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Start Menu"、Windows Vista および 7 の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming\Microsoft\Windows\Start Menu" です。)

他のシステム変更

マルウェアは、以下のレジストリキーを追加します。

HKEY_LOCAL_MACHINE64\Software\Microsoft\
Windows NT\CurrentVersion\SPP\
Clients

マルウェアは、以下のレジストリ値を変更します。

HKEY_LOCAL_MACHINE64\SOFTWARE\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Policies\
System
EnableLUA = 0

(註:変更前の上記レジストリ値は、「"1"」となります。)

マルウェアは、以下のレジストリ値を追加し、タスクマネージャを無効にします。

HKEY_CURRENT_USER64\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Policies\
System
DisableTaskMgr = 1

(註:変更前の上記レジストリ値は、「"0"」となります。)

マルウェアは、以下のレジストリ値を変更し、隠しファイル属性のファイルを非表示にします。

HKEY_CURRENT_USER64\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Policies\
Explorer
NoFolderOptions = 1

(註:変更前の上記レジストリ値は、「"0"」となります。)

HKEY_CURRENT_USER64\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Explorer\
Advanced
ShowSuperHidden = 0

(註:変更前の上記レジストリ値は、「"1"」となります。)

バックドア活動

マルウェアは、不正リモートユーザからの以下のコマンドを実行します。

  • Delete all files in %Start Menu%
  • Delete all registry entries in:
    HKCU64\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    HKCU64\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    HKLM64\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    HKLM64\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
  • Download files
  • Log keystrokes
  • Manipulate the following to send messages:
    • Skype
    • Facebook
    • Steam
    • Omegle
    • TinyChat
    • RunEscape

(註:%Start Menu%フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常、"C:\Windows\Start Menu" または "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Start Menu"、Windows Vista および 7 の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming\Microsoft\Windows\Start Menu" です。)

その他

マルウェアは、以下のプロセスの存在を確認します。

  • VboxService.exe
  • VMwaretray.exe

マルウェアは、上記プロセスが確認されると、そのプロセスを停止します。これにより、感染コンピュータ上で自身の実行を確実にします。

  対応方法

対応検索エンジン: 9.700
初回 VSAPI パターンバージョン 10.834.07
初回 VSAPI パターンリリース日 2014年6月2日
VSAPI OPR パターンバージョン 10.835.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2014年6月2日

手順 1

Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

このマルウェアのパス名およびファイル名を確認します。
最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用いてウイルス検索を実行してください。「BKDR_SHOTODOR.TL」で検出したパス名およびファイル名を確認し、メモ等をとってください。

手順 3

Windowsをセーフモードで再起動します。

[ 詳細 ]

手順 4

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

 
  • In HKEY_CURRENT_USER64\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\RunOnce
    • 945nt9197sbll = "%User Profile%\945nt9197sbll\98358.vbs"

手順 5

このレジストリキーを削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_LOCAL_MACHINE64\Software\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\SPP
    • Clients

手順 6

変更されたレジストリ値を修正します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
事前に意図的に対象の設定を変更していた場合は、意図するオリジナルの設定に戻してください。変更する値が分からない場合は、システム管理者にお尋ねいただき、レジストリの編集はお客様の責任として行なって頂くようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_LOCAL_MACHINE64\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Policies\System
    • From: EnableLUA = 0
      To: EnableLUA = "1"
  • In HKEY_CURRENT_USER64\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Policies\System
    • From: DisableTaskMgr = 1
      To: DisableTaskMgr = "0"
  • In HKEY_CURRENT_USER64\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Policies\Explorer
    • From: NoFolderOptions = 1
      To: NoFolderOptions = "0"
  • In HKEY_CURRENT_USER64\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\Advanced
    • From: ShowSuperHidden = 0
      To: ShowSuperHidden = "1"

手順 7

以下のフォルダを検索し削除します。

[ 詳細 ]
フォルダが隠しフォルダ属性に設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • %User Profile%\945nt9197sbll

手順 8

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性に設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • {Script path}\run.vbs
  • %Start Menu%\start.lnk

手順 9

コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「BKDR_SHOTODOR.TL」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


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