解析者: Abraham Latimer Camba   

 プラットフォーム:

Windows 2000, Windows Server 2003, Windows XP (32-bit, 64-bit), Windows Vista (32-bit, 64-bit), Windows 7 (32-bit, 64-bit)

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:

  • マルウェアタイプ:
    バックドア型

  • 破壊活動の有無:
    なし

  • 暗号化:
    なし

  • 感染報告の有無 :
    はい

  概要

感染経路 インターネットからのダウンロード, 他のマルウェアからの作成

トレンドマイクロは、このマルウェアをNoteworthy(要注意)に分類しました。

マルウェアは、2012年12月に米国の政府機関の上層部に対して行われた標的型攻撃に関連しています。マルウェアは、シリア政府を装ったEメールとして送信されました。

攻撃者は、マルウェアにより感染コンピュータ上でリモートコマンドを実行が可能になり、コンピュータのセキュリティおよび保有する情報を脅かします。

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

マルウェアは、不正リモートユーザからのコマンドを実行し、感染コンピュータを改ざんします。

  詳細

ファイルサイズ 不定
タイプ EXE, PE
メモリ常駐 はい
発見日 2012年12月4日
ペイロード システム情報の収集, システムセキュリティへの感染活動, ファイルのダウンロード

侵入方法

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

マルウェアは、感染したコンピュータ内に以下として自身のコピーを作成し、実行します。

  • %User Temp%\update.exe

(註:%User Temp%フォルダはWindowsの種類とインストール時の設定などにより異なります。標準設定では、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、"C:\Documents and Settings\<ユーザー名>\Local Settings\Temp"、Windows Vista および 7 の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local\Temp" です。)

マルウェアは、以下の Mutex を作成し、メモリ上で自身の重複実行を避けます。

  • windowsupdataguoDL

自動実行方法

マルウェアは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
wintinfo.exe = "%User Temp%\update.exe"

バックドア活動

マルウェアは、不正リモートユーザからの以下のコマンドを実行します。

  • Perform remote shell
  • Upload file to C&C server
  • Download file from C&C server
  • Execute files
  • Enumerate files and folders
  • Move files
  • Delete files
  • Change C&C connection delay
  • Delete the autorun registry entry HKEY_CURRENT_USER\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run alg
  • Send the following information:
    • Host name
    • IP address
    • OS version information
    • User name
    • User privelege information

マルウェアは、以下のWebサイトにアクセスし、不正リモートユーザからのコマンドを送受信します。

  • {BLOCKED}reddy1.{BLOCKED}5.com

その他

マルウェアは、以下のファイルの実行を試みます

  • %User Temp%\Readme.pdf

マルウェアが実行するコマンドは以下のとおりです。

  • リモートシェルの実行
  • コマンド&コントロール(C&C)サーバにファイルのアップロード
  • C&Cサーバからファイルのダウンロード
  • ファイルの実行
  • ファイルおよびフォルダの列挙
  • ファイルの移動
  • ファイルの削除
  • 接続遅延しているC&Cの変更
  • 自動実行のレジストリ「HKEY_CURRENT_USER\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run alg」の削除
  • 以下の情報の送信
    • ホスト名
    • IPアドレス
    • オペレーティングシステム(OS)のバージョン情報
    • ユーザ名
    • ユーザ権限情報

  対応方法

対応検索エンジン: 9.300
VSAPI OPR パターンバージョン 9.571.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2012年12月5日

手順 1

Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

「BKDR_QUARIAN.SM」で検出したファイル名を確認し、そのファイルを終了します。

[ 詳細 ]

  • すべての実行中プロセスが、Windows のタスクマネージャに表示されない場合があります。この場合、"Process Explorer" などのツールを使用しマルウェアのファイルを終了してください。"Process Explorer" については、こちらをご参照下さい。
  • 検出ファイルが、Windows のタスクマネージャまたは "Process Explorer" に表示されるものの、削除できない場合があります。この場合、コンピュータをセーフモードで再起動してください。
    セーフモードについては、こちらをご参照下さい。
  • 検出ファイルがタスクマネージャ上で表示されない場合、次の手順にお進みください。

手順 3

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

 
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • wintinfo.exe = "%User Temp%\update.exe"

手順 4

最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、ウイルス検索を実行してください。「BKDR_QUARIAN.SM」と検出したファイルはすべて削除してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


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