BKDR_NUWAR

マルウェア「NUWAR」は、2006年に初めて確認され、大量送信されるメールの添付ファイルとして自身のコピーを送信することで他のコンピュータへの感染活動を行います。このワームの亜種は、自身の「Simple Mail Transfer Protocol（SMTP）」エンジンを含んでおり、添付ファイルとして自身のコピーをEメールで送信します。Eメールは、このワームが侵入しているコンピュータに保存されているEメールアドレスに送信されます。

その後、NUWARは、Eメールを利用して、トロイの木馬型マルウェアやルートキット型マルウェアの感染活動を行いました。なお、スパムメールの内容は、偽のニュースが利用されています。

2007年、マルウェア「STORM」は、NUWARと協働し、感染活動を行い続けます。感染活動の始まりの役割を果たすマルウェアファミリ「SMALL」は、NUWARを含む他のファイルをダウンロードします。その後、NUWARは、同様のSMALLをダウンロードすることで感染活動を行い続けます。

NUWARは、ルートキットの機能を備えることも知られています。この機能により、NUWARに関連するプロセスおよびファイルを隠ぺいし、検出および削除されるのを困難にします。

インストール

マルウェアは、以下のファイルを作成します。

• %System%\svcp.csv

(註：%System%はWindowsの種類とインストール時の設定などにより異なります。標準設定では、Windows 98 および MEの場合、"C:\Windows\System"、Windows NT および 2000 の場合、"C:\WinNT\System32"、Windows XP および Server 2003 の場合、"C:\Windows\System32" です。)

マルウェアは、感染したコンピュータ内に以下のように自身のコピーを作成します。

• %Windows%\asam.exe

(註：%Windows%はWindowsの種類とインストール時の設定などにより異なります。標準設定では、Windows9x、Me、XP、Server 2003の場合、"C:\Window"、WindowsNT および 2000の場合、"C:\WINNT" です。)

自動実行方法

マルウェアは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
asam = "%Windows%\asam.exe"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
asam = "%Windows%\asam.exe"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\SharedAccess\Parameters\
FirewallPolicy\StandardProfile\AuthorizedApplications\
List
%Windows%\asam.exe = "%Windows%\asam.exe:Enabled:enable"

その他

マルウェアは、以下の不正なWebサイトにアクセスします。

• http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.3.32/aff/cntr.php
• http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.127.114/{random characters}.htm
• http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.127.114/{random characters}.gif
• http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.127.114/{random characters}.jpg