解析者: Pearl Charlaine Espejo   

 別名:

Backdoor.Agent.PDL (Malwarebytes)

 プラットフォーム:

Windows

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:
 情報漏えい:

  • マルウェアタイプ:
    バックドア型

  • 破壊活動の有無:
    なし

  • 暗号化:
    はい

  • 感染報告の有無 :
    はい

  概要

感染経路 インターネットからのダウンロード

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

マルウェアは、すべての実行中プロセスに組み込まれ、システムのプロセスに常駐します。

マルウェアは、ワーム活動の機能を備えていません。

マルウェアは、不正リモートユーザからのコマンドを実行し、感染コンピュータを改ざんします。

マルウェア マルウェアは、自身(コンピュータに侵入して最初に自身のコピーを作成した マルウェア )を削除します。

  詳細

ファイルサイズ 392,704 bytes
タイプ EXE
メモリ常駐 はい
発見日 2015年10月8日
ペイロード URLまたはIPアドレスに接続

侵入方法

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

マルウェアは、感染したコンピュータ内に以下として自身のコピーを作成し、実行します。

  • %Application Data%\Microsoft\Credentials\upnpss.exe
  • %System Root%\{random numbers 1}\svchost.exe
  • %System%\clientmonitor.exe

(註:%Application Data%フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data"、Windows Vista 、 7 、8、8.1 、Server 2008 および Server 2012の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming" です。.. %System Root%フォルダは、オペレーティングシステム(OS)が存在する場所で、いずれのOSでも通常、 "C:" です。.. %System%フォルダは、システムフォルダで、いずれのオペレーティングシステム(OS)でも通常、"C:\Windows\System32" です。.)

マルウェアは、以下のファイルを作成します。

  • %Application Data%\Microsoft\Credentials\lanmon.exe (watchdog) - also detected as BKDR_LUMINOSITY.B

(註:%Application Data%フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data"、Windows Vista 、 7 、8、8.1 、Server 2008 および Server 2012の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming" です。.)

マルウェアは、以下のプロセスを追加します。

  • svchost.exe
  • AppLaunch.exe
  • vbc.ex
  • RegAsm.exe
  • RegSvcs.exe

マルウェアは、以下のフォルダを作成します。

  • {installation directory}\{random numbers 1}
  • {installation directory}\{random numbers 2}\{random numbers 3}
  • {installation directory}\{random numbers 2}\{random numbers 4}
  • {installation directory}\{random numbers 2}\{random numbers 5}

マルウェアは、すべての実行中プロセスに組み込まれ、システムのプロセスに常駐します。

マルウェアは、感染コンピュータ上のメモリに以下のプロセスを確認すると、自身を終了します。

  • sandboxierpcss.exe

自動実行方法

マルウェアは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
ADOBE READER = ""{installation directory}\{random numbers 1}\svchost.exe" -a /a"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows NT\CurrentVersion\Winlogon
Userinit = "userinit.exe,"%System%\clientmonitor.exe""

マルウェアは、作成されたコンポーネントがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows NT\CurrentVersion\Windows
Load = "cmd /c %Application Data%\Microsoft\Credentials\lanmon.exe"

感染活動

マルウェアは、ワーム活動の機能を備えていません。

バックドア活動

マルウェアは、不正リモートユーザからの以下のコマンドを実行します。

  • Download and execute arbitrary files
  • Download and execute custom Crypto Miner
  • Download custom password recovery tool
  • Search for files
  • Perform DDOS
  • Modify HOSTS file to redirect hosts/URLs
  • Visit arbitrary websites (browser can be hidden and have muted audio)
  • Seed torrent
  • Update itself
  • Update backup C&C
  • Remote Desktop Control
  • Remote shell
  • Record audio using system's microphone
  • Control Webcam
  • Uninstall itself
  • Execute/Terminate/Disable Task Manager
  • Execute/Terminate/Disable Command Prompt
  • Execute/Terminate/Disable Registry Editor
  • Hide/Show Taskbar
  • Hide/Show Desktop
  • Open/Close CD-ROM door
  • Swap/Reset Mouse
  • Delete Restore points
  • Enable/Disable input
  • Log off
  • Hibernate
  • Shutdown system
  • Perform network speed test
  • Send the followng information:
    • CPU information
    • GPU information
    • RAM information
    • Security information
    • Uptime
    • Active Windows
    • Current malware file location
    • Full OS version
    • Keystroke logs
    • Stored passwords

マルウェアは、以下のWebサイトにアクセスし、不正リモートユーザからのコマンドを送受信します。

  • chuksthedon.{BLOCKED}s.org:1177

その他

マルウェア は、自身(コンピュータに侵入して最初に自身のコピーを作成した マルウェア )を削除します。

マルウェアが作成する以下のファイルは、ウォッチドッグで、「BKDR_LUMINOSITY.B」として検出されます。

  • %Application Data%\Microsoft\Credentials\lanmon.exe

バックドアが実行する不正リモートユーザからのコマンドは以下のとおりです。

  • 任意のファイルのダウンロードおよび実行
  • カスタムされた「Crypto Miner」のダウンロードおよび実行
  • カスタムされたパスワードリカバリーツールのダウンロード
  • ファイルの検索
  • 「分散型サービス拒否(DDoS)攻撃」の実行
  • torrentをシード
  • 自身の更新
  • バックアップのコマンド&コントロール(C&C)サーバの更新
  • リモートデスクトップコントロール
  • リモートシェル
  • コンピュータのマイクロフォンを利用して音声の録音
  • Webカメラのコントロール
  • 自身のアンインストール
  • タスクマネージャの実行、終了、無効
  • コマンドプロンプトの実行、終了、無効 
  • レジストリエディタの実行、終了、無効 
  • タスクバーの非表示、表示
  • デスクトップの非表示、表示
  • CD-ROMドアの開閉
  • マウスボタンの機能の交換、リセット
  • 復元ポイントの削除
  • 入力の有効、無効
  • ログオフ
  • 休止状態
  • コンンピュータのシャットダウン
  • ネットワークスピードテストの実行
  • 以下の情報の送信
    • CPU情報
    • GPU情報
    • RAM情報
    • セキュリティ情報
    • 使用可能時間
    • アクティブウィンドウ
    • 現在のマルウェアのファイルの位置
    • オペレーティングシステム(OS)の完全なバージョン
    • キー入力操作情報
    • 保存されたパスワード

変数"{installation directory}"は、感染コンピュータのOSによります。

  • %System Root% - Windows XPおよびそれ以前OSの場合
  • %ProgramData% - Windows Vistaおよびそれ以降のOSの場合

変数"{random numbers 3}"、"{random numbers 4}"および"{random numbers 5}"は、連続した数字です。

マルウェアは、コンピュータ内のセキュリティ対策製品やファイアウォール製品を調べ、セキュリティ対策サービスをブロックします。セキュリティ対策製品やファイアウォール製品が確認されると、マルウェアはセキュリティ対策サービスおよびプロセスを終了します。

マルウェアは、モジュール"snxhk.dll"を検索し、"Avast Antivirus"の存在を確認します。そのモジュールを確認した場合、マルウェアは、感染コンピュータをスリープモードにします。

以下のいずれかのドライバーの記述を確認した場合、マルウェアは自身を終了します。

  • virtualbox graphics adapter
  • vmware svga ii
  • vm additions s3 trio32/64

マルウェアは、ルートキット機能を備えていません。

マルウェアは、脆弱性を利用した感染活動を行いません。

  対応方法

対応検索エンジン: 9.8
初回 VSAPI パターンバージョン 12.102.04
初回 VSAPI パターンリリース日 2015年10月22日
VSAPI OPR パターンバージョン 12.103.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2015年10月23日

手順 1

Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

このマルウェアもしくはアドウェア等の実行により、手順中に記載されたすべてのファイル、フォルダおよびレジストリキーや値がコンピュータにインストールされるとは限りません。インストールが不完全である場合の他、オペレーティングシステム(OS)の条件によりインストールがされない場合が考えられます。手順中に記載されたファイル/フォルダ/レジストリ情報が確認されない場合、該当の手順の操作は不要ですので、次の手順に進んでください。

手順 3

Windowsをセーフモードで再起動します。

[ 詳細 ]

手順 4

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • ADOBE READER = ""{installation directory}\{random numbers 1}\svchost.exe" -a /a"
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\Windows
    • Load = "cmd /c %Application Data%\Microsoft\Credentials\lanmon.exe"

手順 5

変更されたレジストリ値を修正します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\Winlogon
    • From: Userinit = "userinit.exe,"%System%\clientmonitor.exe""
      To: Userinit = "%System%\userinit.exe,"

手順 6

以下のフォルダを検索し削除します。

[ 詳細 ]
フォルダが隠しフォルダ属性に設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • {installation directory}\{random numbers 1}
  • {installation directory}\{random numbers 1}\{random numbers 2}
  • {installation directory}\{random numbers 1}\{random numbers 3}
  • {installation directory}\{random numbers 1}\{random numbers 4}

手順 7

コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「BKDR_LUMINOSITY.B」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。

手順 8

最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、ウイルス検索を実行してください。「BKDR_LUMINOSITY.B」と検出したファイルはすべて削除してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


ご利用はいかがでしたか? アンケートにご協力ください