解析者: RonJay Kristoffer Caragay   

 別名:

Backdoor.Win32.Emdivi.l (Kaspersky)

 プラットフォーム:

Windows

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:
 情報漏えい:

  • マルウェアタイプ:
    バックドア型

  • 破壊活動の有無:
    なし

  • 暗号化:
    はい

  • 感染報告の有無 :
    はい

  概要

感染経路 インターネットからのダウンロード, 他のマルウェアからの作成

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

マルウェアは、ワーム活動の機能を備えていません。

マルウェアは、不正リモートユーザからのコマンドを実行し、感染コンピュータを改ざんします。

マルウェアは、感染コンピュータから特定の情報を収集します。

  詳細

ファイルサイズ 278,528 bytes
タイプ EXE
メモリ常駐 なし
発見日 2015年8月20日
ペイロード URLまたはIPアドレスに接続, システム情報の収集

侵入方法

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

マルウェアは、以下のファイルを作成し実行します。

  • %User Temp%\unsecess.exe ← detected also as BKDR_EMDIVI.TRL
  • %User Temp%\committees.docx ← decoy document

(註:%User Temp%フォルダは、ユーザの一時フォルダで、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常、"C:\Documents and Settings\<ユーザー名>\Local Settings\Temp"、Windows Vista 、 7 、8、8.1 、Server 2008 および Server 2012の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local\Temp" です。.)

マルウェアは、以下の Mutex を作成し、メモリ上で自身の重複実行を避けます。

  • 9f34d652669b9f3b4fd79e9e83501732

自動実行方法

マルウェアは、Windows起動時に自動実行されるよう<スタートアップ>フォルダ内に以下のファイルを作成します。

  • %Common Startup%\unsecess.lnk
  • %User Startup%\unsecess.lnk

(註:%Common Startup%フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常 "C:\Documents and Settings\All Users\Start Menu\Programs\Startup"、Windows Vista 、 7 、8、8.1 、Server 2008 および Server 2012の場合、"C:\ProgramData\Microsoft\Windows\Start Menu\Programs\StartUp" です。.. %User Startup%フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常、"C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Start Menu\Programs\Startup" 、Windows Vista 、 7 、8、8.1 、Server 2008 および Server 2012の場合、" C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming\Microsoft\Windows\Start Menu\Programs\Startup" です。.)

感染活動

マルウェアは、ワーム活動の機能を備えていません。

バックドア活動

マルウェアは、不正リモートユーザからの以下のコマンドを実行します。

  • Enumerate files and folders
  • Delete files and folders
  • Download files
  • Upload files
  • Execute files
  • Get file attributes
  • Enumerate processes
  • Perform remote shell
  • Loads a library using LoadLibrary API
  • Import functions from a library using GetProcAddress API
  • Choose HTTP Authentication
  • Setup Proxy auto-configuration
  • Gather Firefox settings from prefs.js
  • Gather proxy settings from proxy.pac
  • Gather proxy settings from windows registry
  • Clear Security Event Logs
  • Sleep

マルウェアは、以下のWebサイトにアクセスし、不正リモートユーザからのコマンドを送受信します。

  • http://www.{BLOCKED}l.{BLOCKED}c.to/{4digits}?pid=#
  • http://jp.{BLOCKED}b.biz/{5digits}.html

情報漏えい

マルウェアは、感染コンピュータから以下の情報を収集します。

  • Host name
  • Process ID of the malware
  • Memory Size (RAM)
  • Internet Explorer Version
  • Windows OS Version
  • System Language
  • Location
  • Time Zone Information

その他

マルウェアは、以下のWebサイトにアクセスしてインターネット接続を確認します。

  • http://www.msftncsi.com/ncsi.txt
  • http://www.microsoft.com/en-us/default.aspx
  • http://www.yahoo.co.jp

マルウェアが作成し実行する以下のファイルは、「BKDR_EMDIVI.TRL」として検出されます。

  • %User Temp%\unsecess.exe

マルウェアが作成する以下のファイルは、おとりとなる文書ファイルです。

  • %User Temp%\committees.docx

マルウェアが実行する不正リモートユーザからのコマンドは以下のとおりです。

  • ファイルおよびフォルダの列挙
  • ファイルおよびフォルダの削除
  • ファイルのダウンロード
  • ファイルのアップロード
  • ファイルの実行
  • ファイル属性の取得
  • プロセスの列挙
  • リモートシェルの実行
  • LoadLibrary APIを利用してライブラリの読み込み
  • GetProcAddress APIを利用してライブラリからのファンクションのインポート
  • HTTP認証を選択
  • プロキシの自動構成を設定
  • prefs.jsからFirefox設定の取得
  • proxy.pacからのプロキシ設定の取得
  • Windowsレジストリからプロキシ設定の取得
  • セキュリティイベントログの削除
  • スリープ

マルウェアが収集する情報は以下のとおりです。

  • ホスト名
  • マルウェアのプロセスID
  • メモリサイズ(RAM)
  • Internet Explorer(IE)のバージョン
  • Windows オペレーティングシステム(OS)の情報
  • システム言語
  • 国/地域
  • タイムゾーン情報

マルウェアは、すべての可視ウィンドウを列挙し、各ウィンドウのタイトルバーのテキストを以下の文字列と比較します。

  • OllyDbg
  • W32Dasm
  • Wireshark
  • SoftICE
  • Process Explorer
  • Process Monitor
  • Process Hacker

ウィンドウのタイトルバーのテキストが上述の文字列を含む場合、マルウェアは、スリープコマンドの実行により、自身の不正活動の実行を中止します。

ホスト名が以下のいずれかの文字列に類似している場合は、マルウェアは適切に実行しません。

  • wilbert-SC1508
  • xp-sp3-template
  • mip-xp-cht
  • CWS01_03
  • wilbert-SC2202
  • CWS05D102
  • マルウェアは、 文書ファイルのアイコンを利用して、無害なファイル"%User Temp%\committees.docx"を作成します。そしてそのファイルを開封してユーザにマルウェアはノーマルファイルだと思わせます。

    マルウェアは、ルートキット機能を備えていません。

    マルウェアは、脆弱性を利用した感染活動を行いません。

      対応方法

    対応検索エンジン: 9.750
    初回 VSAPI パターンバージョン 11.908.03
    初回 VSAPI パターンリリース日 2015年9月9日
    VSAPI OPR パターンバージョン 11.909.00
    VSAPI OPR パターンリリース日 2015年9月10日

    手順 1

    Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

    手順 2

    このマルウェアもしくはアドウェア等の実行により、手順中に記載されたすべてのファイル、フォルダおよびレジストリキーや値がコンピュータにインストールされるとは限りません。インストールが不完全である場合の他、オペレーティングシステム(OS)の条件によりインストールがされない場合が考えられます。手順中に記載されたファイル/フォルダ/レジストリ情報が確認されない場合、該当の手順の操作は不要ですので、次の手順に進んでください。

    手順 3

    Windowsをセーフモードで再起動します。

    [ 詳細 ]

    手順 4

    以下のファイルを検索し削除します。

    [ 詳細 ]
    コンポーネントファイルが隠しファイル属性の場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。  
    • %User Temp%\committees.docx
    • %Common Startup%\unsecess.lnk
    • %User Startup%\unsecess.lnk

    手順 5

    コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「BKDR_EMDIVI.TRL」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


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