解析者: Mark Joseph Manahan   

 別名:

Trojan:Win32/Ramnit.A (Microsoft), a variant of Win32/Kryptik.ANAA trojan (Eset), Backdoor.Win32.Azbreg (Ikarus), W32/Azbreg.ARS!tr (Fortinet)

 プラットフォーム:

Windows 2000, Windows XP, Windows Server 2003

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:

  • マルウェアタイプ:
    バックドア型

  • 破壊活動の有無:
    なし

  • 暗号化:
    はい

  • 感染報告の有無 :
    はい

  概要

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

マルウェアは、セキュリティ対策プログラムに関連するレジストリ値を削除します。これにより、マルウェアは、感染コンピュータにインストールされているセキュリティ製品に検出されることなく、自身の不正活動を実行することが可能になります。

  詳細

ファイルサイズ 95,200 bytes
タイプ EXE
メモリ常駐 はい
発見日 2012年10月31日

侵入方法

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

マルウェアは、以下のフォルダを追加します。

  • %Application Data%\{random folder name}

(註:%Application Data%フォルダは、 Windows 2000、XP、Server 2003 の場合 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data" 、 Windows NTの場合 "C:\WINNT\Profiles\<ユーザ名>\Application Data"、Windows 98 および MEの場合、"C:\Windows\Profiles\<ユーザ名>\Application Data" です。)

マルウェアは、感染したコンピュータ内に以下のように自身のコピーを作成します。

  • %User Temp%\{random}.exe
  • %User Startup%\{random}.exe
  • %Application Data%\{random folder name}\{random}.exe

(註:%User Temp%はWindowsの種類とインストール時の設定などにより異なります。標準設定では、Windows 98 および MEの場合、"C:\Windows\Temp"、Windows NT の場合、"C:\Profiles\<ユーザー名>\TEMP"、Windows 2000、XP、Server 2003 の場合、"C:\Documents and Settings\<ユーザー名>\Local Settings\TEMP" です。. %User Startup%フォルダは、通常、Windows 98 および MEの場合、"C:\Windows\Profiles\<ユーザ名>\Start Menu\Programs\Startup" 、Windows NTの場合、"C:\WINNT\Profiles\<ユーザ名>\Start Menu\Programs\Startup"、Windows 2000、XP、Server 2003の場合、"C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Start Menu\Programs\Startup " です。. %Application Data%フォルダは、 Windows 2000、XP、Server 2003 の場合 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data" 、 Windows NTの場合 "C:\WINNT\Profiles\<ユーザ名>\Application Data"、Windows 98 および MEの場合、"C:\Windows\Profiles\<ユーザ名>\Application Data" です。)

マルウェアは、以下の不正なファイルまたはコンポーネントを追加します。

  • {All Users' Profile}\Application Data\{random 1}.log
  • %Application Data%\{random 2} .log
  • %Application Data%\{random 3} .log
  • %Application Data%\{random 4}
  • %User Temp%\{random}.sys

(註:%Application Data%フォルダは、 Windows 2000、XP、Server 2003 の場合 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data" 、 Windows NTの場合 "C:\WINNT\Profiles\<ユーザ名>\Application Data"、Windows 98 および MEの場合、"C:\Windows\Profiles\<ユーザ名>\Application Data" です。. %User Temp%はWindowsの種類とインストール時の設定などにより異なります。標準設定では、Windows 98 および MEの場合、"C:\Windows\Temp"、Windows NT の場合、"C:\Profiles\<ユーザー名>\TEMP"、Windows 2000、XP、Server 2003 の場合、"C:\Documents and Settings\<ユーザー名>\Local Settings\TEMP" です。)

自動実行方法

マルウェアは、自身をシステムサービスとして登録し、Windows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\Micorsoft Windows Service
ImagePath = %User Temp%\{random}.sys

マルウェアは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
{random} = "%Application Data\{random folder name}\{random}.exe"

マルウェアは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を変更します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows NT\CurrentVersion\Winlogon
Userinit = "%System%\userinit.exe,,%Application Data\{random folder name}\{random}.exe"

(註:変更前の上記レジストリ値は、「"%System%\userinit.exe," 」となります。)

他のシステム変更

マルウェアは、以下のレジストリキーを追加します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\Micorsoft Windows Service

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Enum\Root\LEGACY_MICORSOFT_WINDOWS_SERVICE

マルウェアは、インストールの過程で、以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Security Center
UacDisableNotify = "1"

マルウェアは、以下のレジストリ値を変更します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Security Center
AntiVirusOverride = "1"

(註:変更前の上記レジストリ値は、「"0"」となります。)

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Security Center
FirewallDisableNotify = "1"

(註:変更前の上記レジストリ値は、「"0"」となります。)

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Security Center
AntiVirusDisableNotify = "1"

(註:変更前の上記レジストリ値は、「"0"」となります。)

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Security Center
FirewallOverride = "1"

(註:変更前の上記レジストリ値は、「"0"」となります。)

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Security Center
UpdatesDisableNotify = "1"

(註:変更前の上記レジストリ値は、「"0"」となります。)

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\wscsvc
Start = "4"

(註:変更前の上記レジストリ値は、「"2"」となります。)

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\wuauserv
Start = "4"

(註:変更前の上記レジストリ値は、「"2"」となります。)

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\SharedAccess\Parameters\
FirewallPolicy\StandardProfile
EnableFirewall = "0"

(註:変更前の上記レジストリ値は、「"1"」となります。)

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\SharedAccess\Parameters\
FirewallPolicy\StandardProfile
DisableNotifications = "1"

(註:変更前の上記レジストリ値は、「"0"」となります。)

マルウェアは、ウイルス対策およびセキュリティ製品に関連した以下のレジストリ値を削除します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\Microsoft\Windows\
CurrentVersion\Run
Windows Defender = "{windows defender path}"

マルウェアは、以下のレジストリキーを削除します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\Microsoft\Windows\
CurrentVersion\Run
Windows Defender =

その他

マルウェアは、以下のWebサイトにアクセスしてインターネット接続を確認します。

  • http://google.com
  • http://bing.com
  • http://yahoo.com

マルウェアは、以下の不正なWebサイトにアクセスします。

  • {BLOCKED}lrou.com
  • {BLOCKED}xefolgkokdqy.com
  • {BLOCKED}vwvgqlretxd.com
  • {BLOCKED}urhtchwlhwklf.com
  • {BLOCKED}yxjibyd.com
  • {BLOCKED}kbwhfdiufhaj.com
  • {BLOCKED}vxvrq.com
  • {BLOCKED}x.com
  • {BLOCKED}kvn.com
  • {BLOCKED}yyooh.com
  • {BLOCKED}cwgaafbtqkt.com
  • {BLOCKED}olov.com
  • {BLOCKED}ngy.com
  • {BLOCKED}vmhsxtk.com
  • {BLOCKED}slhqyy.com
  • {BLOCKED}dbdkd.com2
  • {BLOCKED}xorlyen.com
  • {BLOCKED}yutodtr.com

  対応方法

対応検索エンジン: 9.300

手順 1

Windows XP および Windows Server 2003 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

このマルウェアのパス名およびファイル名を確認します。
最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用いてウイルス検索を実行してください。「BKDR_AZBREG.AR」で検出したパス名およびファイル名を確認し、メモ等をとってください。

手順 3

Windowsをセーフモードで再起動します。

[ 詳細 ]

手順 4

このレジストリキーを削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

 
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services
    • Micorsoft Windows Service
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Enum\Root
    • LEGACY_MICORSOFT_WINDOWS_SERVICE

手順 5

変更されたレジストリ値を修正します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Security Center
    • From: AntiVirusDisableNotify = "1"
      To: AntiVirusDisableNotify = "0"
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Security Center
    • From: FirewallDisableNotify = "1"
      To: FirewallDisableNotify = "0"
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Security Center
    • From: UpdatesDisableNotify = "1"
      To: UpdatesDisableNotify = "0"
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Security Center
    • From: AntiVirusOverride = "1"
      To: AntiVirusOverride = "0"
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Security Center
    • From: FirewallOverride = "1"
      To: FirewallOverride = "0"
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\wscsvc
    • From: Start = "4"
      To: Start = "2"
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\wuauserv
    • From: Start = "4"
      To: Start = "2"
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\SharedAccess\Parameters\FirewallPolicy\StandardProfile
    • From: EnableFirewall = "0"
      To: EnableFirewall = "1"
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\SharedAccess\Parameters\FirewallPolicy\StandardProfile
    • From: DisableNotifications = "1"
      To: DisableNotifications = "0"
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\Winlogon
    • From: Userinit = "%System%\userinit.exe,,%Application Data\{random folder name}\{random}.exe"
      To: Userinit = "%System%\userinit.exe,"

手順 6

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Security Center
    • UacDisableNotify = "1"
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\policies\system<p align="right"></p>
    • EnableLUA = "0"
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • {random} = "%Application Data\{random folder name}\{random}.exe"

手順 7

以下のフォルダを検索し削除します。

[ 詳細 ]
註:このフォルダは、隠しフォルダとして設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • %Application Data%\{random folder name}

手順 8

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性に設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • {All Users' Profile}\Application Data\{random 1}.log
  • %Application Data%\{random 2} .log
  • %Application Data%\{random 3} .log
  • %Application Data%\{random 4}
  • %User Temp%\{random}.sys

手順 9

コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「BKDR_AZBREG.AR」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


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