解析者: RonJay Kristoffer Caragay   

 別名:

Worm:Win32/Gamarue (Microsoft); Backdoor.Win32.Androm.fauy (Kaspersky); Win32/TrojanDownloader.Wauchos.AF (ESET-NOD32); MSIL/Wauchos.AF!tr (Fortinet); TR/Gamarue.Lse.26 (Avira)

 プラットフォーム:

Windows

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:
 情報漏えい:

  • マルウェアタイプ:
    バックドア型

  • 破壊活動の有無:
    なし

  • 暗号化:
    はい

  • 感染報告の有無 :
    はい

  概要

感染経路 インターネットからのダウンロード

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

マルウェアは、レジストリ値を変更し、複数のシステムサービスを無効にします。これにより、システムに必要な機能が起動しません。

マルウェアは、ワーム活動の機能を備えていません。

マルウェアは、不正リモートユーザからのコマンドを実行し、感染コンピュータを改ざんします。

マルウェアは、ダウンロードしたファイルを実行します。

マルウェアは、実行後、自身を削除します。

  詳細

ファイルサイズ 52,224 bytes
タイプ EXE
メモリ常駐 はい
発見日 2014年9月26日
ペイロード URLまたはIPアドレスに接続, ファイルのダウンロード, システムセキュリティへの感染活動

侵入方法

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

マルウェアは、感染したコンピュータ内に以下のように自身のコピーを作成します。

  • %All Users Profile%\ms{random}.exe

マルウェアは、以下のプロセスに自身を組み込み、システムのプロセスに常駐します。

  • msiexec.exe
  • explorer.exe

マルウェアは、以下のプロセスにコードを組み込みます。

  • msiexec.exe

自動実行方法

マルウェアは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\policies\
Explorer\Run
{random number} = "%All Users Profile%\ms{random}.exe"

他のシステム変更

マルウェアは、以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\policies\
Explorer
HideSCAHealth = "0"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\policies\
Explorer
TaskbarNoNotification = "0"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\policies\
system
EnableLUA = "0"

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Policies\
Explorer
HideSCAHealth = "0"

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Policies\
Explorer
TaskbarNoNotification = "0"

マルウェアは、以下のレジストリ値を変更します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Explorer\
Advanced
Hidden = "2"

(註:変更前の上記レジストリ値は、「1」となります。)

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Explorer\
Advanced
ShowSuperHidden = "0"

(註:変更前の上記レジストリ値は、「1」となります。)

マルウェアは、レジストリ値を変更し、以下のシステムサービスを無効化します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\wscsvc
Start = "4"

(註:変更前の上記レジストリ値は、「2」となります。)

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\wuauserv
Start = "4"

(註:変更前の上記レジストリ値は、「2」となります。)

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\SharedAccess
Start = "4"

(註:変更前の上記レジストリ値は、「2」となります。)

感染活動

マルウェアは、ワーム活動の機能を備えていません。

バックドア活動

マルウェアは、不正リモートユーザからの以下のコマンドを実行します。

  • Download a file from C&C server and save it as %User Temp%\KB{8 random numbers}.exe
  • Download a file from C&C server and save it as %All User Profile%\ms{random number}.dat and loads it
  • Start a process
  • Uninstall itself
  • Remote command prompt

(註:%User Temp%フォルダはWindowsの種類とインストール時の設定などにより異なります。標準設定では、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、"C:\Documents and Settings\<ユーザー名>\Local Settings\Temp"、Windows Vista および 7 の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local\Temp" です。)

マルウェアは、以下のWebサイトにアクセスし、不正リモートユーザからのコマンドを送受信します。

  • http://{BLOCKED}rverid2.ru/and/gate.php

ダウンロード活動

マルウェアは、以下のファイル名でダウンロードしたファイルを保存します。

  • %User Temp%\KB{8 random numbers}.exe ← TROJ_SHAPOUF.YPN
  • %User Temp%\KB{8 random numbers}.exe ← TSPY_KEGOTIP.LP

(註:%User Temp%フォルダはWindowsの種類とインストール時の設定などにより異なります。標準設定では、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、"C:\Documents and Settings\<ユーザー名>\Local Settings\Temp"、Windows Vista および 7 の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local\Temp" です。)

マルウェアは、ダウンロードしたファイルを実行します。

情報漏えい

マルウェアは、以下の情報を収集します。

  • Operating system information
  • Local IP address
  • Root volume serial number

その他

マルウェアは、以下のWebサイトにアクセスしてインターネット接続を確認します。

  • update.microsoft.com
  • microsoft.com
  • google.com
  • bing.com
  • yahoo.com

マルウェアは、実行後、自身を削除します。

マルウェアが実行するコマンドは、以下のとおりです。

  • C&Cサーバからファイルをダウンロードし、以下として保存。
    • %User Temp%\KB{8 random numbers}
  • C&Cサーバからファイルをダウンロードし、以下として保存。その後、ファイルを読み込む。
    • %All User Profile%\ms{random number}.dat
  • プロセスの開始
  • 自身のアンインストール
  • リモートコマンドプロンプト

マルウェアが収集する情報は、以下のとおりです。

  • オペレーションシステム(OS)の情報
  • ローカルIPアドレス
  • ルートボリュームのシリアルナンバ

マルウェアは、仮想環境またはエミュレーションソフトウェア上で実行しているかを確認します。これらの環境で実行している場合、マルウェアは、無限スリープを実行します。

また、マルウェアは、感染コンピュータでネットワーク監視ソフトウェアが実行されているか確認します。実行されている場合、マルウェアは、無限スリープを実行します。

マルウェアは、ルートキット機能を備えていません。

マルウェアは、脆弱性を利用した感染活動を行いません。

  対応方法

対応検索エンジン: 9.700
VSAPI OPR パターンバージョン 11.187.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2014年10月2日

手順 1

Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

このマルウェアもしくはアドウェア等の実行により、手順中に記載されたすべてのファイル、フォルダおよびレジストリキーや値がコンピュータにインストールされるとは限りません。インストールが不完全である場合の他、オペレーティングシステム(OS)の条件によりインストールがされない場合が考えられます。手順中に記載されたファイル/フォルダ/レジストリ情報が確認されない場合、該当の手順の操作は不要ですので、次の手順に進んでください。

手順 3

「BKDR_ANDROM.YPN」 が作成またはダウンロードした不正なファイルを削除します。(註:以下のマルウェアもしくはアドウェア等がすでに削除されている場合は、本手順は行う必要はありません。)

    • TROJ_SHAPOUF.YPN
    • TSPY_KEGOTIP.LP

手順 4

Windowsをセーフモードで再起動します。

[ 詳細 ]

手順 5

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\policies\Explorer
    • TaskbarNoNotification = "0"
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\policies\Explorer
    • HideSCAHealth = "0"
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\policies\system
    • EnableLUA = "0"
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Policies\Explorer
    • TaskbarNoNotification = "0"
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Policies\Explorer
    • HideSCAHealth = "0"
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\policies\Explorer\Run
    • {random number} = "%All Users Profile%\ms{random}.exe"

手順 6

変更されたレジストリ値を修正します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
事前に意図的に対象の設定を変更していた場合は、意図するオリジナルの設定に戻してください。変更する値が分からない場合は、システム管理者にお尋ねいただき、レジストリの編集はお客様の責任として行なって頂くようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

 
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\wscsvc
    • From: Start = "4"
      To: Start = 2
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\wuauserv
    • From: Start = "4"
      To: Start = 2
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\SharedAccess
    • From: Start = "4"
      To: Start = 2
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\Advanced
    • From: Hidden = "2"
      To: Hidden = 1
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\Advanced
    • From: ShowSuperHidden = "0"
      To: ShowSuperHidden = 1

手順 7

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性の場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • %User Temp%\KB{8 random numbers}.exe
  • %All User Profile%\ms{random number}.dat
  • %All Users Profile%\ms{random}.exe

手順 8

コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「BKDR_ANDROM.YPN」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


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