解析者: Noel Anthony Llimos   

 別名:

Backdoor:Win32/Shiftdoor (Microsoft)

 プラットフォーム:

Windows

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:
 情報漏えい:

  • マルウェアタイプ:
    バックドア型

  • 破壊活動の有無:
    なし

  • 暗号化:
    なし

  • 感染報告の有無 :
    はい

  概要

感染経路 インターネットからのダウンロード, 他のマルウェアからの作成

トレンドマイクロは、このマルウェアをNoteworthy(要注意)に分類しました。

マルウェアは、韓国の法人組織を標的とするサプライチェーン攻撃「Red Signature 作戦」に関連しています。

Red Signature 作戦の攻撃者は、まず初めに遠隔支援ツールプロバイダの電子証明書を窃取してマルウェアに署名し、攻撃者が管理するサーバにアップロードします。次に、遠隔支援ツールの更新サーバを侵害し、遠隔支援ツールの更新プロセスを通して標的とするユーザに「Remote Access Tool(RAT)」を送り込みます。

2018 年 4 月 8 日に確認された「ShiftDoor」と呼ばれるこのマルウェアは、上述の遠隔支援ツールプロバイダの電子証明書によって署名されていました。

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

マルウェアは、不正リモートユーザからのコマンドを実行し、感染コンピュータを改ざんします。

マルウェアが自身の不正活動を実行するためには、特定の引数/パラメータ/コンポーネントが必要になります。もしくは、特定の環境で実行される必要があります。

  詳細

ファイルサイズ 644,816 bytes
タイプ EXE
メモリ常駐 なし
発見日 2018年8月20日
ペイロード ファイルの作成

侵入方法

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

マルウェアは、以下の無害なファイルを作成します。

  • %Fonts%\rundl132.exe ← Copy of the original sethc.exe

(註:%Fonts%フォルダは、Windowsのフォントフォルダです。Windows 2000、XP、Server 2003、Vista、7、8の場合、通常 "C:\Window \Fonts" です。)

バックドア活動

マルウェアは、不正リモートユーザからの以下のコマンドを実行します。

  • Execute Files
  • Terminate Itself
  • Delete Itself
  • Execute cmd.exe
  • Modify Files

その他

マルウェアが自身の不正活動を実行するためには、特定の引数/パラメータ/コンポーネントが必要になります。もしくは、特定の環境で実行される必要があります。

<補足>

インストール

マルウェアは、以下の無害なファイルを作成します。

元のsethc.exeのコピー

  • %Fonts%\rundl132.exe

その他

マルウェアは以下を実行します。

  • ユーザがログインしているときにユーザがSHIFTキーを5回押すと、通常のスティッキーキーウィンドウがポップアップします。Windowsログイン画面がユーザに表示されている間、特定のコマンドと引数を実行できるウィンドウが表示されます。
  • マルウェアは%System%\ sethc.exeファイルを自身に置き換えます

(注:%System%はWindowsのシステムフォルダで、通常はすべてのWindowsオペレーティングシステムのバージョンではC:\ Windows \ System32です)。

  対応方法

対応検索エンジン: 9.850
初回 VSAPI パターンバージョン 14.454.05
初回 VSAPI パターンリリース日 2018年8月20日
VSAPI OPR パターンバージョン 14.455.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2018年8月21日

手順 1

Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

このマルウェアもしくはアドウェア等の実行により、手順中に記載されたすべてのファイル、フォルダおよびレジストリキーや値がコンピュータにインストールされるとは限りません。インストールが不完全である場合の他、オペレーティングシステム(OS)の条件によりインストールがされない場合が考えられます。手順中に記載されたファイル/フォルダ/レジストリ情報が確認されない場合、該当の手順の操作は不要ですので、次の手順に進んでください。

手順 3

「BKDR_SETHC.D」で検出したファイル名を確認し、そのファイルを終了します。

[ 詳細 ]

  • すべての実行中プロセスが、Windows のタスクマネージャに表示されない場合があります。この場合、"Process Explorer" などのツールを使用しマルウェアのファイルを終了してください。"Process Explorer" については、こちらをご参照下さい。
  • 検出ファイルが、Windows のタスクマネージャまたは "Process Explorer" に表示されるものの、削除できない場合があります。この場合、コンピュータをセーフモードで再起動してください。
    セーフモードについては、こちらをご参照下さい。
  • 検出ファイルがタスクマネージャ上で表示されない場合、次の手順にお進みください。

手順 4

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性の場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。  
  • %System%\sethc.exe

手順 5

最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、ウイルス検索を実行してください。「BKDR_SETHC.D」と検出したファイルはすべて削除してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


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