BKDR_SETHC.D
Backdoor:Win32/Shiftdoor (Microsoft)
Windows
- マルウェアタイプ: バックドア型
- 破壊活動の有無: なし
- 暗号化: なし
- 感染報告の有無: はい
概要
トレンドマイクロは、このマルウェアをNoteworthy(要注意)に分類しました。
マルウェアは、韓国の法人組織を標的とするサプライチェーン攻撃「Red Signature 作戦」に関連しています。
Red Signature 作戦の攻撃者は、まず初めに遠隔支援ツールプロバイダの電子証明書を窃取してマルウェアに署名し、攻撃者が管理するサーバにアップロードします。次に、遠隔支援ツールの更新サーバを侵害し、遠隔支援ツールの更新プロセスを通して標的とするユーザに「Remote Access Tool(RAT)」を送り込みます。
2018 年 4 月 8 日に確認された「ShiftDoor」と呼ばれるこのマルウェアは、上述の遠隔支援ツールプロバイダの電子証明書によって署名されていました。
マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。
マルウェアは、不正リモートユーザからのコマンドを実行し、感染コンピュータを改ざんします。
マルウェアが自身の不正活動を実行するためには、特定の引数/パラメータ/コンポーネントが必要になります。もしくは、特定の環境で実行される必要があります。
詳細
侵入方法
マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。
インストール
マルウェアは、以下の無害なファイルを作成します。
- %Fonts%\rundl132.exe ← Copy of the original sethc.exe
(註:%Fonts%フォルダは、Windowsのフォントフォルダです。Windows 2000、XP、Server 2003、Vista、7、8の場合、通常 "C:\Window \Fonts" です。)
バックドア活動
マルウェアは、不正リモートユーザからの以下のコマンドを実行します。
- Execute Files
- Terminate Itself
- Delete Itself
- Execute cmd.exe
- Modify Files
その他
マルウェアが自身の不正活動を実行するためには、特定の引数/パラメータ/コンポーネントが必要になります。もしくは、特定の環境で実行される必要があります。
<補足>
インストール
マルウェアは、以下の無害なファイルを作成します。
元のsethc.exeのコピー
- %Fonts%\rundl132.exe
その他
マルウェアは以下を実行します。
- ユーザがログインしているときにユーザがSHIFTキーを5回押すと、通常のスティッキーキーウィンドウがポップアップします。Windowsログイン画面がユーザに表示されている間、特定のコマンドと引数を実行できるウィンドウが表示されます。
- マルウェアは%System%\ sethc.exeファイルを自身に置き換えます
(注:%System%はWindowsのシステムフォルダで、通常はすべてのWindowsオペレーティングシステムのバージョンではC:\ Windows \ System32です)。
対応方法
手順 1
Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。
手順 2
このマルウェアもしくはアドウェア等の実行により、手順中に記載されたすべてのファイル、フォルダおよびレジストリキーや値がコンピュータにインストールされるとは限りません。インストールが不完全である場合の他、オペレーティングシステム(OS)の条件によりインストールがされない場合が考えられます。手順中に記載されたファイル/フォルダ/レジストリ情報が確認されない場合、該当の手順の操作は不要ですので、次の手順に進んでください。
手順 3
「BKDR_SETHC.D」で検出したファイル名を確認し、そのファイルを終了します。
- すべての実行中プロセスが、Windows のタスクマネージャに表示されない場合があります。この場合、"Process Explorer" などのツールを使用しマルウェアのファイルを終了してください。"Process Explorer" については、こちらをご参照下さい。
- 検出ファイルが、Windows のタスクマネージャまたは "Process Explorer" に表示されるものの、削除できない場合があります。この場合、コンピュータをセーフモードで再起動してください。
セーフモードについては、こちらをご参照下さい。 - 検出ファイルがタスクマネージャ上で表示されない場合、次の手順にお進みください。
手順 4
以下のファイルを検索し削除します。
- %System%\sethc.exe
手順 5
最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、ウイルス検索を実行してください。「BKDR_SETHC.D」と検出したファイルはすべて削除してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。
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