解析者: Abraham Latimer Camba   

 プラットフォーム:

Windows 2000, Windows XP, Windows Server 2003

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:

  • マルウェアタイプ:
    バックドア型

  • 破壊活動の有無:
    なし

  • 暗号化:
    はい

  • 感染報告の有無 :
    はい

  概要

感染経路 他のマルウェアからの作成

トレンドマイクロは、このマルウェアをNoteworthy(要注意)に分類しました。

マルウェアは、「PlugX」と呼ばれる「Remote Access Tool(RAT)」です。マルウェアは、標的型攻撃の実行に利用される最も一般的なマルウェアのひとつです。マルウェアが関連した標的型攻撃のほとんどは、日本の政府機関を狙う攻撃です。

マルウェアは、他のマルウェアに作成され、コンピュータに侵入します。

マルウェアは、不正リモートユーザからのコマンドを実行し、感染コンピュータを改ざんします。

マルウェアは、ユーザのキー入力操作情報を記録し、情報を収集します。

  詳細

ファイルサイズ 3,072 bytes
タイプ DLL
メモリ常駐 はい
発見日 2012年8月24日
ペイロード ファイルの作成, 情報収集, URLまたはIPアドレスに接続

侵入方法

マルウェアは、以下のマルウェアに作成され、コンピュータに侵入します。

  • BKDR_PLUGX.SME

インストール

マルウェアは、以下のファイルを作成します。

  • All Users' %User Profile%\Gf\boot.ldr - detected as TROJ_PLUGX.SME
  • All Users' %User Profile%\Gf\NvSmart.exe - a legitimate NVIDIA (NVIDIA Smart Maximise Helper Host)
  • All Users' %User Profile%\SxS\bug.log - malware's error logs

(註:%User Profile% フォルダは、Windows 98 および MEの場合、"C:\Windows\Profiles\<ユーザ名>"、Windows NTでは、"C:\WINNT\Profiles\<ユーザ名>"、Windows 2000, XP, Server 2003の場合は、"C:\Documents and Settings\<ユーザ名>" です。)

マルウェアは、感染したコンピュータ内に以下のように自身のコピーを作成します。

  • All Users' %User Profile%\Gf\NvSmartMax.dll

(註:%User Profile% フォルダは、Windows 98 および MEの場合、"C:\Windows\Profiles\<ユーザ名>"、Windows NTでは、"C:\WINNT\Profiles\<ユーザ名>"、Windows 2000, XP, Server 2003の場合は、"C:\Documents and Settings\<ユーザ名>" です。)

マルウェアは、以下のフォルダを作成します。

  • All Users' %User Profile%\Gf
  • All Users' %User Profile%\SxS

(註:%User Profile% フォルダは、Windows 98 および MEの場合、"C:\Windows\Profiles\<ユーザ名>"、Windows NTでは、"C:\WINNT\Profiles\<ユーザ名>"、Windows 2000, XP, Server 2003の場合は、"C:\Documents and Settings\<ユーザ名>" です。)

マルウェアは、以下のプロセスに自身を組み込み、システムのプロセスに常駐します。

  • svchost.exe

自動実行方法

マルウェアは、作成されたコンポーネントをシステムサービスとして登録し、Windows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\Gf
Description = "Gf"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\Gf
DisplayName = "Gf"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\Gf
ErrorControl = "0"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\Gf
ImagePath = ""All Users' %User Profile%\Gf\NvSmart.exe" 200 0"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\Gf
ObjectName = "LocalSystem"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\Gf
Start = "2"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\Gf
Type = "110"

他のシステム変更

マルウェアは、以下のレジストリキーを追加します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\Gf

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\Gf\Enum

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\Gf\Security

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Classes\
FAST

マルウェアは、以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Classes\
FAST
CLSID = "{random hex values}"

バックドア活動

マルウェアは、不正リモートユーザからの以下のコマンドを実行します。

  • Copy, move, rename, delete files
  • Create directories
  • Create files
  • Enumerate files
  • Execute files
  • Get drive information
  • Get file information
  • Open and modify files
  • Log keystrokes and active window
  • Enumerate TCP and UDP connections
  • Enumerate network resources
  • Set TCP connection state
  • Lock workstation
  • Log off user
  • Restart/Reboot system
  • Display a message box
  • Perfrom port mapping
  • Enumerate processes
  • Get process information
  • Terminate processes
  • Enumerate registry keys
  • Create registry keys
  • Delete registry keys
  • Copy registry keys
  • Enumerate registry entries
  • Modify registry entries
  • Delete registry values
  • Screen capture
  • Delete services
  • Enumerate services
  • Get service information
  • Modify services
  • Start services
  • Perform remote shell
  • Connect to a database server and execute SQL statement
  • Host Telnet server

マルウェアは、以下のWebサイトにアクセスし、不正リモートユーザからのコマンドを送受信します。

  • http://{BLOCKED}-save.{BLOCKED}d.com
  • http://{BLOCKED}tdns.net

情報漏えい

マルウェアは、ユーザのキー入力操作情報を記録し、情報を収集します。

情報収集

マルウェアは、以下のファイル内に収集した情報を保存します。

  • {All Users' Profile}\Gf\kl.log

その他

マルウェアが作成するファイルは、以下のとおりです。

  • All Users' %User Profile%\Gf\boot.ldr - 「TROJ_PLUGX.SME」として検出
  • All Users' %User Profile%\Gf\NvSmart.exe - 正規の「NVIDIA (NVIDIA Smart Maximise Helper Host)」
  • All Users' %User Profile%\SxS\bug.log - マルウェアのエラーログ

マルウェアが実行するコマンドは以下のとおりです。

  • ファイルのコピー、移動、リネーム、削除
  • ディレクトリの作成
  • ファイルの作成
  • ファイルの列挙
  • ファイルの実行
  • ドライブ情報の取得
  • ファイル情報の取得
  • ファイルの開示、変更
  • キー入力操作情報とアクティブなウインドウの収集
  • TCPおよびUDP接続の列挙
  • ネットワークリソースの列挙
  • TCP接続の状態の設定
  • ワークステーションのロック
  • ユーザのログオフ
  • コンピュータの再起動またはリブート
  • メッセージボックスの表示
  • ポートマッピングの実行
  • プロセスの列挙
  • プロセス情報の取得
  • プロセスの終了
  • レジストリキーの列挙
  • レジストリキーの作成
  • レジストリキーの削除
  • レジストリキーのコピー
  • レジストリ値の列挙
  • レジストリ値の変更
  • レジストリ値の削除
  • スクリーンキャプチャ
  • サービスの削除
  • サービスの列挙
  • サービス情報の取得
  • サービスの更新
  • サービスの開始
  • リモートシェルの実行
  • データベースサーバへの接続とSQLステートメントの実行
  • Telnetサーバのホスト

マルウェアは、正規のファイル "NVSMART.EXE" が実行される毎に読み込まれます。

マルウェアのバックドア活動と、マルウェアが接続するコマンド&コントロール(C&C)サーバは、読み込まれる「TROJ_PLUGX.SME」の内容により決まります。

  対応方法

対応検索エンジン: 9.200
初回 VSAPI パターンバージョン 9.346.04
初回 VSAPI パターンリリース日 2012年8月24日
VSAPI OPR パターンバージョン 9.347.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2012年8月25日

手順 1

Windows XP および Windows Server 2003 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

「BKDR_PLUGX.BUT」 を作成またはダウンロードする不正なファイルを削除します。

手順 3

この「BKDR_PLUGX.BUT」が作成、あるいは、ダウンロードした以下のファイルを検索し、検索した場合は削除してください。

手順 4

Windowsをセーフモードで再起動します。

[ 詳細 ]

手順 5

このレジストリキーを削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

 
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Classes
    • FAST
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services
    • Gf

手順 6

以下のフォルダを検索し削除します。

[ 詳細 ]
フォルダが隠しフォルダ属性に設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • {All Users'  Profile}\Gf
  • {All Users' Profile}\SxS

手順 7

コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「BKDR_PLUGX.BUT」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


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