サプライチェーンセキュリティリスクへの対応策とは
日本企業のサプライチェーンは製造業のみにかかわらず、グローバルにビジネスを展開している、あるいは海外の企業と何らかの取引関係のあるすべての企業にかかわる問題であり、対応が必要です。
企業のグローバルサプライチェーンは大きく2つのリスクによって不安定で不確実なものになっているとされています。ひとつは、世界各所での大規模自然災害-昨今のCOVID-19のようなパンデミックの発生リスクです。そして、もう1つが、米中の対立を背景にしたサプライチェーンリスクであり、これは、製造業を含むさまざまな業界の日本企業に大きなインパクトを与える可能性があるといわれています。
経済の覇権争いはサイバー空間へ―ビジネスルール化するサイバーセキュリティ米中両国の経済を巡る対立は「情報戦」の様相を呈しており、自国の経済を支える技術の覇権を巡る戦いが、実世界での戦いからボーダーレスのサイバー空間への戦いにシフトしています。つまり、現代のサプライチェーンリスクは、「デジタル技術」と「地政学的リスク」の交差点と言えるでしょう。
これにより、サイバー空間でのセキュリティリスクは増大しています。企業は自社のサプライチェーン全体のサイバーセキュリティを強化する必要に迫られているのです。
また今後、経済安全保障の観点から、米中のみならず関係各国においても、規制・ガイドラインを強化し国家レベルでのルール形成が行われていくことが予想されています。つまり、サイバーセキュリティの確保は、当たり前のビジネスルールとして各国に展開され、各国のビジネスへの「参加資格」あるいは「パスポート」の意味合いを持ち始めているのです
客観的指標による証明と説明責任を果たすでは、日本企業はどのような対応策を講じていくべきでしょうか。
まず大切なのは、自社の信頼性を客観的な指標によって証明することです。その指標として有効なひとつと考えられているのが、NIST(米国国立標準技術研究所)が定める基準への対応です。
また、自社におけるサプライチェーン管理のあり方について説明責任を果たすこと、サイバーセキュリティを担える人材とインテリジェンスを備えていくことも重要になっていきます。
以上、日本企業が直面するサプライチェーンリスクとサイバーセキュリティの観点からそのリスクにどう対応していくべきかの方向性について簡単に概要を述べました。
詳細については、レポート「『経済安全保障』の時代に深刻度を増すサプライチェーンのサイバーセキュリティリスク―日本企業がとるべきリスク対応策とは? 」にまとめておりますので、ぜひご一読ください。
更新日:2022年5月9日
Security GO新着記事
RansomHubとは?~2024年に登場した新興ランサムウェア攻撃者グループ
(2024年12月26日)
ランサムウェア攻撃者グループ「LockBit」の摘発の影響と今後
(2024年12月25日)