標的型サイバー攻撃を理解する:標的型サイバー攻撃による影響
「標的型サイバー攻撃を理解する」の第1回では、標的型サイバー攻撃とは何か、どのような特徴があるか、また他のサイバー攻撃とどう違うのかについて述べました。第2回では、標的型サイバー攻撃が、標的となった組織だけでなく、その顧客にどう影響を与えるかについても説明します。標的型サイバー攻撃は、各組織や顧客双方を経済的困難に陥れたり、悪い評判を与える恐れがあります。また、大量の解雇や、国家の安全保障の侵害、また関係者への厳しい罰則などの原因となることもあります。
■標的型サイバー攻撃は、標的となった各組織やその顧客にどのように影響を与えますか?
標的型サイバー攻撃によってもたらされる影響は、攻撃対象や攻撃者の目的によってさまざまです。弊社が確認した大規模な攻撃と、攻撃によってもたらされたすべての影響に基づくと、標的型サイバー攻撃が各組織に与える最も一般的な影響として、以下のことが挙げられます。
■標的型サイバー攻撃を受けた企業の顧客はどのような影響を受けますか?
標的型サイバー攻撃によって情報が漏えいし、その企業や組織が顧客を抱えていた場合、顧客は以下の危険にさらされる恐れがあります。
■標的型サイバー攻撃によってもたらされるその他の影響は?
標的型サイバー攻撃を受けた企業は、新たな攻撃からシステムを保護するための費用だけでなく、顧客の信用を取り戻し、企業の評判を回復するための資金も必要となります。システムやネットワーク基盤の全体的な見直しの他、責任者と考えられた社員が解雇される可能性もあります。
さらに、攻撃を受けた企業は法執行機関やセキュリティ企業と協力し、攻撃に関与した攻撃者グループを特定する必要があるでしょう。こうしたことは、企業のさらなる損失となります。標的型サイバー攻撃の前後、および実行中に企業が受ける営業妨害を考え合わせると、標的型サイバー攻撃は企業にとって痛恨の一撃であると考えられます。特に、顧客からの収益に頼っている企業にとっては大打撃です。
顧客にとって、標的型サイバー攻撃は大企業や政府機関への不信感の増加につながります。また攻撃者グループも攻撃する度に大胆になります。攻撃対象となった企業の社員もまた、雇用主に対して不信感を抱いたり、企業が顧客の情報を保護できなかったことで怒った顧客によって公の場で罵倒されたり糾弾されるかもしれません。
標的型サイバー攻撃の影響は広範囲で、攻撃対象となった企業に留まりません。そのため、標的になると高いリスクのある企業などは、セキュリティ保護を確実にすることが非常に重要です。弊社のネットワーク挙動監視ソリューション「Trend Micro Deep Discovery(トレンドマイクロ ディープディスカバリー)」により、企業は、巧妙な不正プログラムや、標的型サイバー攻撃、またAPTのような最新の脅威を検出、分析、対応することが可能です。