XTRAT
Windows 2000, Windows Server 2003, Windows XP (32-bit, 64-bit), Windows Vista (32-bit, 64-bit), Windows 7 (32-bit, 64-bit)
マルウェアタイプ:
バックドア型
破壊活動の有無:
なし
暗号化:
感染報告の有無 :
はい
概要
一般的に「Xtreme Rat」として知られている「XTRAT」は、情報を収集が可能な「Remote Access Tool(RAT)」です。このRATは、2012年、イスラエルやシリア政府を対象とした攻撃で利用されました。
このマルウェアのファミリのバックドア型マルウェアは、不正リモートユーザからのコマンドを受信する機能を備えています。受信するコマンドは、ファイルのダウンロードや読み込み、実行などのファイル管理、レジストリの追加や削除、クエリ、改変などのレジストリ管理、シェルコマンドの実行、シャットダウンやログイン、ログアウトなどのコンピュータ制御、そして画面の取得といったものです。さらに、感染コンピュータのキー入力操作情報を記録することができます。
詳細
インストール
マルウェアは、以下のファイルを作成し実行します。
- %Application Data%\Microsoft\Windows\ZUMCD76a.cfg
- %Application Data%\Microsoft\Windows\ZUMCD76a.dat
- %Application Data%\Microsoft\Windows\fdgdfgdfg.dat
- %Application Data%\Microsoft\Windows\--((Mutex))--.dat
- %Application Data%\Microsoft\Crypto\RSA\S-1-5-21-1614895754-436374069-682003330-1003\c0528c2346cb928a9052304ef3ab8fd4_411f3a52-26ed-4872-9a07-8c966acba234
(註:%Application Data%フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data"、Windows Vista および 7 の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming" です。)
マルウェアは、感染したコンピュータ内に以下のように自身のコピーを作成します。
- %System%\System\System.exe
- %User Temp%\ie4uinit.exe
(註:%System%フォルダはWindowsの種類とインストール時の設定などにより異なります。標準設定では "C:\Windows\System32" です。. %User Temp%フォルダはWindowsの種類とインストール時の設定などにより異なります。標準設定では、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、"C:\Documents and Settings\<ユーザー名>\Local Settings\Temp"、Windows Vista および 7 の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local\Temp" です。)
マルウェアは、以下のフォルダを作成します。
- %System%\System
(註:%System%フォルダはWindowsの種類とインストール時の設定などにより異なります。標準設定では "C:\Windows\System32" です。)
マルウェアは、以下のプロセスに自身を組み込み、システムのプロセスに常駐します。
- IEXPLORE.exe
- svchost.exe
自動実行方法
マルウェアは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。
HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
HKCU = "%System%\System\System.exe"
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
HKLM = "%System%\System\System.exe"
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Active Setup\Installed Components\{GUID}
StubPath = "%System%\System\System.exe restart"
他のシステム変更
マルウェアは、以下のレジストリキーを追加します。
HKEY_CURRENT_USER\Software\ZUMCD76aHKEY_LOCAL_MACHINE\
SOFTWARE\Microsoft\Active Setup\
Installed Components\{GUID}
HKEY_CLASSES_ROOT\rr1081767346z.ypa
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Classes\
rr1081767346z.ypa
マルウェアは、以下のレジストリ値を追加します。
HKEY_CURRENT_USER\Software\ZUMCD76a
ServerStarted = "{Date and time of execution}"
HKEY_CURRENT_USER\Software\ZUMCD76a
InstalledServer = "%System%\System\System.exe"
HKEY_CURRENT_USER\Software\XtremeRAT
Mutex = "fdgdfgdfg"
HKEY_CURRENT_USER\Software\fdgdfgdfg
ServerStarted = "{Date and Time}"
HKEY_CURRENT_USER\Software\XtremeRAT
Mutex = "--((Mutex))--"
HKEY_CURRENT_USER\Software\--((Mutex))--
ServerStarted = "{Date and Time}"
その他
マルウェアは、以下の不正なWebサイトにアクセスします。
- http://{BLOCKED}i1992.zapto.org:82/1234567890.functions
- http://{BLOCKED}g.myftp.org:1500/1411.functions
- http://good.{BLOCKED}o.org:50002/1411.functions
- http://{BLOCKED}a.mine.nu:50002/1411.functions
対応方法
トレンドマイクロのお客様:
最新のバージョン(パターンファイル および エンジン)を導入したセキュリティ対策製品を用い、ウイルス検索を実行してください。検出したファイルはすべて「削除」し、検出したウイルスはすべて「駆除」してください。削除対象となるファイルには、トロイの木馬型マルウェアやスクリプト系、上書き感染型ウイルス(overwriting virus)、ジョーク・プログラムなど「駆除」できないマルウェアがあげられ、これらのファイルを検出した場合は、すべて「削除」してください。
インターネットをご利用の皆様:
- トレンドマイクロの「オンラインスキャン」を使って、あなたの PC がウイルスに侵されていないかどうかを簡単にチェックすることが可能です。オンラインスキャンはあなたのコンピュータの中に不正なプログラムが存在するかどうかをチェックします。
- 今日、PCやネットワークをセキュリティ上の脅威から守り、安全なIT環境を維持するためには、セキュリティ製品を活用することが最も有効な方法となっています。トレンドマイクロは、一般の個人ユーザだけでなく、企業ユーザやインターネット・サービス・プロバイダ(ISP)向けに、ウイルス対策製品やコンテンツセキュリティ対策をご提供しています。トレンドマイクロの製品・サービスについては、こちらをご参照ください。
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