解析者: Anthony Joe Melgarejo   
 更新者 : Rhena Inocencio

 別名:

VirTool:Win32/CeeInject.gen!FZ (Microsoft), W32/IRCBot.worm.f (McAfee), W32/Slenfb-Gen (Sophos)

 プラットフォーム:

Windows 2000, Windows XP, Windows Server 2003

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:

  • マルウェアタイプ:
    ワーム

  • 破壊活動の有無:
    なし

  • 暗号化:
    なし

  • 感染報告の有無 :
    はい

  概要

感染経路 リムーバブルドライブを介した感染活動, インターネットからのダウンロード, 他のマルウェアからの作成

ワームは、リムーバブルドライブを介してコンピュータに侵入します。 ワームは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

ワームは、ユーザが感染コンピュータ上のドライブへアクセスすると自身のコピーが自動実行するように、"AUTORUN.INF" を作成します。

ワームは、不正リモートユーザからのコマンドを実行し、感染コンピュータを改ざんします。

ワームは、情報収集する機能を備えていません。

  詳細

ファイルサイズ 200,704 bytes
タイプ EXE
メモリ常駐 はい
発見日 2012年11月2日
ペイロード システムセキュリティへの感染活動, URLまたはIPアドレスに接続

侵入方法

ワームは、リムーバブルドライブを介してコンピュータに侵入します。

ワームは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

ワームは、感染したコンピュータ内に以下のように自身のコピーを作成します。

  • %System%\wmphb32.exe (with Admin Rights)
  • %User Profile%\Network\wmphb32.exe (without Admin Rights)

(註:%System%はWindowsの種類とインストール時の設定などにより異なります。標準設定では、Windows 98 および MEの場合、"C:\Windows\System"、Windows NT および 2000 の場合、"C:\WinNT\System32"、Windows XP および Server 2003 の場合、"C:\Windows\System32" です。. %User Profile% フォルダは、Windows 98 および MEの場合、"C:\Windows\Profiles\<ユーザ名>"、Windows NTでは、"C:\WINNT\Profiles\<ユーザ名>"、Windows 2000, XP, Server 2003の場合は、"C:\Documents and Settings\<ユーザ名>" です。)

ワームは、以下のフォルダを作成します。

  • %User Profile%\Network - (without Admin Rights)

(註:%User Profile% フォルダは、Windows 98 および MEの場合、"C:\Windows\Profiles\<ユーザ名>"、Windows NTでは、"C:\WINNT\Profiles\<ユーザ名>"、Windows 2000, XP, Server 2003の場合は、"C:\Documents and Settings\<ユーザ名>" です。)

ワームは、以下のプロセスにコードを組み込みます。

  • explorer.exe

自動実行方法

ワームは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
Windows Host Network = "%System%\wmphb32.exe" (with Admin Rights)

HKEY_CURRENT_USER\SOFTWARE\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
Windows Host Network = "%User Profile%\Network\wmphb32.exe" (without Admin Rights)

他のシステム変更

ワームは、以下のレジストリキーを追加します。

HKEY_CURRENT_USER\SOFTWARE\Microsoft\
Windows NT\CurrentVersion\AppCompatFlags (without Admin Rights)

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows NT\CurrentVersion\AppCompatFlags (with Admin Rights)

ワームは、以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CURRENT_USER\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\SharedAccess\Parameters\
FirewallPolicy\DomainProfile\AuthorizedApplications\
List
%User Profile%\Network\wmphb32.exe = "%User Profile%\Network\wmphb32.exe:*:Windows Host Network" (without Admin Rights)

HKEY_CURRENT_USER\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\SharedAccess\Parameters\
FirewallPolicy\StandardProfile\AuthorizedApplications\
List
%User Profile%\Network\wmphb32.exe = "%User Profile%\Network\wmphb32.exe:*:Windows Host Network" (without Admin Rights)

HKEY_CURRENT_USER\SOFTWARE\Microsoft\
Windows NT\CurrentVersion\AppCompatFlags\
Layers
%User Profile%\Network\wmphb32.exe = "DisableNXShowUI" (without Admin Rights)

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows NT\CurrentVersion\AppCompatFlags\
Layers
%System%\wmphb32.exe = "DisableNXShowUI" (with Admin Rights)

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\SharedAccess\Parameters\
FirewallPolicy\DomainProfile\AuthorizedApplications\
List
%System%\wmphb32.exe = "%System%\wmphb32.exe:*:Windows Host Network" (with Admin Rights)

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\SharedAccess\Parameters\
FirewallPolicy\StandardProfile\AuthorizedApplications\
List
%System%\wmphb32.exe = "%System%\wmphb32.exe:*:Windows Host Network" (with Admin Rights)

感染活動

ワームは、すべてのリムーバブルドライブ内に以下のフォルダを作成します。

  • {drive letter}:\SysRom.{645FF040-5081-101B-9F08-00AA002F954E}

ワームは、すべてのリムーバブルドライブ内に以下として自身のコピーを作成します。

  • {drive letter}:\drvmon64.exe

ワームは、ユーザが感染コンピュータ上のドライブへアクセスすると自身のコピーが自動実行するように、"AUTORUN.INF" を作成します。

上記INFファイルには、以下の文字列が含まれています。

[Autorun]
open=drvmon64.exe
icon=%windir%\system32\SHELL32.dll,3
action=Open thumbdrives to browse files.
shell\open=Open
shell\open\command=drvmon64.exe
shell\open\default=1
useautoplay=1

バックドア活動

ワームは、以下のいずれかのIRCサーバに接続します。

  • {BLOCKED}6.{BLOCKED}rog.su
  • {BLOCKED}4.{BLOCKED}ore.su
  • {BLOCKED}8.{BLOCKED}ore.su
  • {BLOCKED}6.{BLOCKED}ore.su
  • {BLOCKED}0.{BLOCKED}ore.su

ワームは、不正リモートユーザからの以下のコマンドを実行します。

  • Create/Open/Delete Files
  • Create/Terminate Process
  • Download/Upload files
  • Join IRC

ダウンロード活動

ワームは、以下のWebサイトにアクセスし、ファイルをダウンロードします。

  • http://{BLOCKED}0.{BLOCKED}ackupsrv.su/net/5x2.zip - As of this writing, the server is still accessible but the file was already removed.

情報漏えい

ワームは、情報収集する機能を備えていません。

その他

ワームは、以下のWebサイトにアクセスして感染コンピュータのIPアドレスを収集します。

  • http://www.whatismyip.org

ワームが作成する自身のコピーは以下のとおりです。

管理者権限を保有している場合

  • %System%\wmphb32.exe

管理者権限を保有していない場合

  • %User Profile%\Network\wmphb32.exe

ワームが実行するコマンドは以下のとおりです。

  • ファイルの作成/実行/削除
  • プロセスの追加/終了
  • ファイルのダウンロード/アップロード
  • IRCに参加

ワームがファイルをダウンロードするWebサイト「http://{BLOCKED}0.{BLOCKED}ackupsrv.su/net/5x2.zip」は情報公開日現在もアクセス可能ですが、ファイルは既に存在していません。

ワームは、リムーバブルドライブ内に以下のファイルを作成します。

  • {drive letter}:\acm{number}.lnk
  • {drive letter}:\i.cpl – 「TROJ_STARTER.CM」として検出

ワームは、IRCサーバにログインする際に以下の認証情報を利用します。

  • ニックネーム: <国>|X-672|0|<OS>|<数値>
  • ユーザ: SPX
  • パスワード: su1c1d3

ワームは、実行中の以下のプロセスを終了します。

  • teatimer.exe
  • mrt.exe
  • mrtstub.exe
  • tcpview.exe
  • hijackthis.exe
  • msmpeng.exe
  • msascui.exe
  • mpcmdrun.exe
  • usbguard.exe
  • billy.exe
  • aadrive32.exe

ワームは、以下の条件に一致すると、自身を終了し削除します。

1. ファイル名に以下のいずれかの文字を含む場合:

  • malware
  • sample
  • sand-box
  • sandbox
  • test
  • virus

2. 感染コンピュータのコンピュータ名が以下のいずれかの場合:

  • MORTE
  • VMG-CLIENT
  • Malekal
  • HOME-OFF-D5F0AC
  • DELL-D3E62F7E26
  • KAKAPROU-6405DA

3. 感染コンピュータ内で以下のいずれかのユーザ名を確認した場合:

  • morte
  • vmg-client
  • malekal
  • home-off-d5f0ac
  • dell-d3e62f7e26
  • kakaprou-6405da
  • klasnich

4. 以下のレジストリの値を列挙し、以下の仮想環境を確認した場合:

  • HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\ControlSet001\Services\Disk\Enum
  • vmware
  • vbox
  • Virtual
  • qemu

5. メモリ上で以下のファイルのいずれかが実行されていかを確認し、仮想環境で実行されている場合:

  • cports.exe
  • dumpcap.exe
  • filemon.exe
  • procdump.exe
  • procexp.exe
  • procmon.exe
  • regmon.exe
  • regshot.exe
  • sbiectrl.exe
  • squid.exe
  • syssafe.exe
  • tcpview
  • vbox
  • vmsrvc
  • vmware
  • wireshark.exe

6. 開いているウィンドウやクラスを確認し、以下のいずれかを含んでいる場合:

  • CurrPorts
  • Microsoft Network Monitor 3.3
  • Process Monitor - Sysinternals: www.sysinternals.com
  • PROCEXPL
  • Regshot 1.8.2
  • SmartSniff
  • TCPViewClass
  • The Wireshark Network Analyzer

7. 以下のファイルが存在する場合:

  • %Program Files%\Ethereal\ethereal.html
  • %Program Files%\Microsoft Network Monitor 3\netmon.exe
  • %Program Files%\WinPcap\rpcapd.exe
  • %Program Files%\WireShark\rawshark.exe

ワームは、TCPポート6303番を利用してIRCサーバに接続します。

ワームは、プロキシサーバに対して特定のコマンドは利用しません。ただし、ユーザが自身のプロキシサーバを所有している場合、ダウンロード先のURLにアクセスする可能性があります。プロキシサーバはHTTPリクエストを解釈できるためです。

ワームは、ルートキット機能を備えていません。

ワームは、脆弱性を利用した感染活動を行いません。

  対応方法

対応検索エンジン: 9.200
初回 VSAPI パターンバージョン 9.502.04
初回 VSAPI パターンリリース日 2012年11月2日
VSAPI OPR パターンバージョン 9.503.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2012年11月3日

手順 1

Windows XP および Windows Server 2003 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

回復コンソールを使用して、WORM_SLENFBOT.LH として検出されるファイルを確認し、削除します。

[ 詳細 ]

手順 3

このレジストリキーを削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_CURRENT_USER\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion
    • AppCompatFlags (without Admin Rights)
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion
    • AppCompatFlags (with Admin Rights)

手順 4

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • Windows Host Network = "%System%\wmphb32.exe" (with Admin Rights)
  • In HKEY_CURRENT_USER\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • Windows Host Network = "%User Profile%\Network\wmphb32.exe" (without Admin Rights)
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\AppCompatFlags\Layers
    • %System%\wmphb32.exe = "DisableNXShowUI" (with Admin Rights)
  • In HKEY_CURRENT_USER\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\AppCompatFlags\Layers
    • %User Profile%\Network\wmphb32.exe = "DisableNXShowUI" (without Admin Rights)
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\SharedAccess\Parameters\FirewallPolicy\DomainProfile\AuthorizedApplications\List
    • %System%\wmphb32.exe = "%System%\wmphb32.exe:*:Windows Host Network" (with Admin Rights)
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\SharedAccess\Parameters\FirewallPolicy\StandardProfile\AuthorizedApplications\List
    • %System%\wmphb32.exe = "%System%\wmphb32.exe:*:Windows Host Network" (with Admin Rights)
  • In HKEY_CURRENT_USER\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\SharedAccess\Parameters\FirewallPolicy\DomainProfile\AuthorizedApplications\List
    • %User Profile%\Network\wmphb32.exe = "%User Profile%\Network\wmphb32.exe:*:Windows Host Network" (without Admin Rights)
  • In HKEY_CURRENT_USER\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\SharedAccess\Parameters\FirewallPolicy\StandardProfile\AuthorizedApplications\List
    • %User Profile%\Network\wmphb32.exe = "%User Profile%\Network\wmphb32.exe:*:Windows Host Network" (without Admin Rights)

手順 5

以下のフォルダを検索し削除します。

[ 詳細 ]
フォルダが隠しフォルダ属性に設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • %User Profile%\Network
  • {drive letter}:\SysRom.{645FF040-5081-101B-9F08-00AA002F954E}

手順 6

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性の場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • {drive letter}:\drvmon64.exe
  • {drive letter}:\acm{number}.lnk
  • {drive letter}:\i.cpl

手順 7

「WORM_SLENFBOT.LH」が作成した AUTORUN.INF を検索し削除します。このファイルには、以下の文字列が含まれています。

[ 詳細 ]
[Autorun]
open=drvmon64.exe
icon=%windir%\system32\SHELL32.dll,3
action=Open thumbdrives to browse files.
shell\open=Open
shell\open\command=drvmon64.exe
shell\open\default=1
useautoplay=1

手順 8

最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、ウイルス検索を実行してください。「WORM_SLENFBOT.LH」と検出したファイルはすべて削除してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


ご利用はいかがでしたか? アンケートにご協力ください