解析者: Francesca Villasanta   

 別名:

Worm.VBS.Dinihou.bl (KASPERSKY); VBS/Dinihou-A (SOPHOS)

 プラットフォーム:

Windows

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:
 情報漏えい:

  • マルウェアタイプ:
    ワーム

  • 破壊活動の有無:
    なし

  • 暗号化:
    はい

  • 感染報告の有無 :
    はい

  概要

感染経路 リムーバブルドライブを介した感染活動, インターネットからのダウンロード, 他のマルウェアからの作成

ワームは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

ワームは、不正リモートユーザからのコマンドを実行し、感染コンピュータを改ざんします。 ただし、情報公開日現在、このWebサイトにはアクセスできません。

ワームは、感染コンピュータ上の特定の情報を収集します。

  詳細

ファイルサイズ 230,495 bytes
タイプ VBS
メモリ常駐 はい
発見日 2023年2月17日
ペイロード システムセキュリティへの感染活動, URLまたはIPアドレスに接続, 情報収集, ファイルの作成, ファイルのダウンロード, システム情報の収集

侵入方法

ワームは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

ワームは、感染したコンピュータ内に以下のように自身のコピーを作成します。

  • %User Temp%\{Malware Name}.vbs
  • %User Startup%\{Malware Name}.vbs
  • {Infected Removable Drive}:\{Malware Name}.vbs → attributes set to System & Hidden

(註:%User Temp%フォルダは、現在ログオンしているユーザの一時フォルダです。Windows 2000(32-bit)、XP、Server 2003(32-bit)の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザー名>\Local Settings\Temp"です。また、Windows Vista、7、8、8.1、2008(64-bit)、2012(64-bit)、10(64-bit)の場合、通常 "C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local\Temp" です。. %User Startup%フォルダは、現在ログオンしているユーザのスタートアップフォルダです。Windows 98およびMEの場合、通常 "C:\Windows\Profiles\<ユーザ名>\Start Menu\Programs\Startup" です。Windows NTの場合、通常 "C:\WINNT\Profiles\<ユーザ名>\Start Menu\Programs\Startup" です。Windows 2003(32-bit)、XP、2000(32-bit)の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Start Menu\Programs\Startup" です。Windows Vista、7、8、 8.1、2008(64-bit)、2012(64-bit)、10(64-bit)の場合、通常 "C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming\Microsoft\Windows\Start Menu\Programs\Startup" です。)

ワームは、以下のプロセスを追加します。

  • "%System%\wscript.exe" //B "%User Temp%\{Malware Name}.vbs"

(註:%User Temp%フォルダは、現在ログオンしているユーザの一時フォルダです。Windows 2000(32-bit)、XP、Server 2003(32-bit)の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザー名>\Local Settings\Temp"です。また、Windows Vista、7、8、8.1、2008(64-bit)、2012(64-bit)、10(64-bit)の場合、通常 "C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local\Temp" です。)

自動実行方法

ワームは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
{Malware Name} = wscript.exe //B "%User Temp%\{Malware Name}.vbs"

HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
{Malware Name} = wscript.exe //B "%User Temp%\{Malware Name}.vbs"

他のシステム変更

ワームは、以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\{Malware Name}.vbs
(Default) = {true/false} - {Date that the malware run}

感染活動

ワームは、すべてのリムーバブルドライブ内に以下として自身のコピーを作成します。

  • {Infected Drive}:\{Malware Name}.vbs → attributes set to System & Hidden

マルウェアは、感染コンピュータ上にフォルダやファイルに偽装したショートカットファイル(拡張子「LNK」)を作成して自身のコピーへ誘導します。

バックドア活動

ワームは、不正リモートユーザからの以下のコマンドを実行します。

  • "execute" - Executes arbitrary command from the C&C server
  • "update" - Updates malware code and restart the malware
  • "uninstall" - Uninstalls the malware
  • "send" - Downloads a file from the C&C server, saves it in a specified directory and run it
  • "site-send" - Downloads a file from the C&C server and run it
  • "recv" - Sends a file from a specified URL to the C&C server
  • "enum-driver " - Retrieves list of drives
  • "enum-faf" - Retrieves information about files and folders in a specified directory
  • "enum-process" - Retrieves information about running processes
  • "cmd-shell" - Executes a command using Command Prompt and retrieves its output
  • "delete" - Deletes a file or folder
  • "exit-process" - Forcefully terminates a process and all its children
  • "sleep" - Running script sleeps for a specified amount of time

ワームは、以下のWebサイトにアクセスし、不正リモートユーザからのコマンドを送受信します。

  • http://{BLOCKED}ny0501.no-ip.biz:50007/

ただし、情報公開日現在、このWebサイトにはアクセスできません。

情報漏えい

ワームは、感染コンピュータ上の以下の情報を収集します。

  • Computer Name
  • Username
  • OS Name
  • Volume Serial Number
  • Every Antivirus Installed in System

その他

ワームは、以下のレジストリキーを追加します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\{Malware Name}

ワームは、以下を実行します。

  • It sets the attributes of non-LNK files and folders in the infected drive to System & Hidden

<補足>
インストール

ワームは、感染したコンピュータ内に以下のように自身のコピーを作成します。

  • %User Temp%\{マルウェアの名前}.vbs
  • %User Startup%\{マルウェアの名前}.vbs
  • {感染したリムーバブルドライブ}:\{マルウェアの名前}.vbs → システムファイル属性および隠しファイル属性に設定されている

感染活動

ワームは、すべてのリムーバブルドライブ内に以下として自身のコピーを作成します。

  • {感染したドライブ}:\{マルウェアの名前}.vbs → システムファイル属性および隠しファイル属性に設定されている

バックドア活動

ワームは、不正リモートユーザからの以下のコマンドを実行します。

  • "execute" - C&Cサーバから受信した任意のコマンドの実行
  • "update" - マルウェアコードの更新およびマルウェアの再起動
  • "uninstall" - マルウェアのアンインストール
  • "send" - C&C サーバからファイルのダウンロードおよび特定のディレクトリ内に保存し実行
  • "site-send" - C&C サーバからファイルのダウンロードおよび実行
  • "recv" - 特定のURL から C&C サーバにファイルの送信
  • "enum-driver " - ドライブリストの取得
  • "enum-faf" - 特定のディレクトリ内のファイルおよびフォルダに関する情報の取得
  • "enum-process" - 実行中のプロセスに関する情報の取得
  • "cmd-shell" - コマンドプロンプトを用いてコマンドの実行および出力の取得
  • "delete" - ファイルまたはフォルダの削除
  • "exit-process" - プロセスおよびすべての自身の子プロセスの強制終了
  • "sleep" - 実行中のスクリプトを特定の時間スリープさせる

情報漏えい

ワームは、感染コンピュータ上の以下の情報を収集します。

  • コンピュータ名
  • ユーザ名
  • オペレーティングシステム(OS)の名前
  • ボリュームシリアル番号
  • システム内にインストールされているすべてのウイルス対策製品

ワームは、感染したドライブ内に存在するLNKファイル以外のファイルやフォルダの属性をシステムファイル属性および隠しファイル属性に設定します。

  対応方法

対応検索エンジン: 9.800
初回 VSAPI パターンバージョン 18.262.07
初回 VSAPI パターンリリース日 2023年2月17日
VSAPI OPR パターンバージョン 18.263.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2023年2月18日

手順 1

トレンドマイクロの機械学習型検索は、マルウェアの存在を示す兆候が確認された時点で検出し、マルウェアが実行される前にブロックします。機械学習型検索が有効になっている場合、弊社のウイルス対策製品はこのマルウェアを以下の機械学習型検出名として検出します。

     Downloader.JS.TRX.XXJSE9EFF044

手順 2

Windows 7、Windows 8、Windows 8.1、および Windows 10 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 3

このマルウェアもしくはアドウェア等の実行により、手順中に記載されたすべてのファイル、フォルダおよびレジストリキーや値がコンピュータにインストールされるとは限りません。インストールが不完全である場合の他、オペレーティングシステム(OS)の条件によりインストールがされない場合が考えられます。手順中に記載されたファイル/フォルダ/レジストリ情報が確認されない場合、該当の手順の操作は不要ですので、次の手順に進んでください。

手順 4

Windowsをセーフモードで再起動します。

[ 詳細 ]

手順 5

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_CURRENT_USER\software\microsoft\windows\currentversion\run
    • {Malware Name} = wscript.exe //B "%temp%\{Malware Name}.vbs"
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\software\microsoft\windows\currentversion\run
    • {Malware Name} = wscript.exe //B "%temp%\{Malware Name}.vbs"
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\software\{Malware Name}
    • (Default) = {true/false} - {Date the malware run}

手順 6

このレジストリキーを削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\{Malware Name}

手順 7

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性に設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • %User Temp%\{Malware Name}.vbs
  • %User Startup%\{Malware Name}.vbs
  • {Infected Drive}:\{Malware Name}.vbs
  • {Infected Drive}:\{Created LNK files}

手順 8

  1. コマンドプロンプトを起動します。
    • Windows 2000、XP および Server 2003 の場合:
      [スタート]-[ファイル名を指定して実行]を選択し、cmd と入力し、Enter を押します。
    • Windows Vista、7、Server 2008 の場合:
      [スタート]をクリックし、検索入力欄に cmd と入力し、Enter を押します。
    • Windows 8、8.1 および Server 2012 の場合:
      [スタート]-[プログラムとファイルの検索]に cmd と入力し、Enter を押します。画面の左下隅を右クリックし、[コマンド プロンプト]を選択します。
      cmd は半角英数字で入力する必要があります(大文字/小文字は区別されません)。
  2. コンソールウィンドウに以下を入力します。
  3. ATTRIB [+R | -R] [+A | -A ] [+S | -S] [+H | -H] [+I | -I] [ドライブ:][パス][ファイル名] [/S [/D] [/L]]

    各コマンドの意味は以下のとおりです。
    +:属性の設定
    -:属性の解除
    R:読み取り専用属性
    A:アーカイブ属性
    S:システムファイル属性
    H:隠しファイル属性
    I:非インデックス対象ファイル属性
    [drive:][path][filename]
    [ドライブ:][パス][ファイル名]:attribで処理するファイルの指定
    /S:現在のフォルダとすべてのサブフォルダ内で一致するファイルの処理
    /D:フォルダも処理
    /L:Symbolic Link(シンボリックリンク)のターゲットに対するシンボリックリンク属性での動作

    コマンド例:
    Dドライブ内のサブフォルダを含むすべてのフォルダおよびファイルの隠しファイル属性を解除する場合。
    • ATTRIB -H D:\* /S /D
  4. 他のドライブやディレクトリ内のフォルダおよびファイルに対して、手順 3.)を繰り返してください。

手順 9

コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「Worm.VBS.DUNIHI.AAYSYT」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。

手順 10

最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、ウイルス検索を実行してください。「Worm.VBS.DUNIHI.AAYSYT」と検出したファイルはすべて削除してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


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