VBS_REDLOF.A-11
Virus: VBS/Redlof.A (Microsoft)
Windows
マルウェアタイプ:
ファイル感染型
破壊活動の有無:
なし
暗号化:
はい
感染報告の有無 :
はい
概要
このVBScript形式のウイルスは、暗号化された形式で侵入します。ウイルスは、ファイル感染、Eメール、特定の脆弱性利用によって自身を拡散します。
ウイルスは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。
ウイルスは、特定のソフトウェアに存在する未公開の脆弱性を利用して、ネットワーク上で感染活動をします。
ウイルスは、バックドア活動の機能を備えていません。
詳細
侵入方法
ウイルスは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。
自動実行方法
ウイルスは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。
HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
Kernel32 = "%Windows%\System\Kernel.dll"
HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
Kernel32 = "%Windows%\System\Kernel32.dll"
ファイル感染
ウイルスが感染活動する際、ネットワーク共有フォルダ内の以下のファイル形式のファイルに感染します。
- VBS
- HTML
- HTM
- ASP
- PHP
- JSP
- HTT
感染活動
ウイルスは、以下のソフトウェアに存在する未公開の脆弱性を利用して、ネットワーク上で感染活動をします。
バックドア活動
ウイルスは、バックドア活動の機能を備えていません。
その他
このVBScript形式のウイルスは、暗号化された形式で侵入します。ユーザが感染したHTMLファイルを読み込むと、このウイルスはOnLoadイベントをフックして、KJ_start()機能を実行します。
このウイルスは実行されるとコードを復号します。そしてHTMLかVBSなのかを確認した上で変数を初期化します。
またこのウイルスは、"WSCRIPT.EXE"という名称のファイルがWindowsフォルダに存在するかを確認します。存在する場合、"KERNEL.DLL"として自身のコピーをデフォルトのWindowsシステムフォルダに作成します。
"WSCRIPT.EXE"ファイルがWindowsフォルダに存在しない場合、このウイルスは”KERNEL32.DLL”として自身のコピーを"%Windows%\System"フォルダに作成します。これは、自身のコードにハードコードされています。このウイルスが実行された時、"KERNEL32.DLL"が実行中でない場合、この活動によってWindows 98およびWindows ME上の正規ファイル"KERNEL32.DLL"は上書きされます。
このウイルスは、ユーザがDLLファイルを開封した際に自身のコードが実行されるよう以下のレジストリ値を作成します。
HKEY_CLASSES_ROOT\dllfile\shell\open\command Default = "%System%\WScript.exe "%1" %*" (註:作成されたコピーが"%Windows%\System\Kernel32.dll"の場合)
HKEY_CLASSES_ROOT\dllfile\shell\open\command Default = "%Windows%\WScript.exe "%1" %*" (註:作成されたコピーが"%Windows%\System\Kernel.dll"の場合)
HKEY_CLASSES_ROOT\dllfile\ScriptEngine Default = "VBScript"
HKEY_CLASSES_ROOT\dllfile\ShellEx\PropertySheetHandlers\WSHProps Default = "{60254CA5-953B-11CF-8C96-00AA00B8708C}"
HKEY_CLASSES_ROOT\dllfile\ScriptHostEncode Default = "{85131631-480C-11D2-B1F9-00C04F86C324}"
ファイル感染活動においてウイルスは暗号化された自身や"KJ_start()"と呼ばれる機能を追加することが編集プログラムで確認されました。ウイルスは"FOLDER.HTT"ファイルに感染します。このファイルは、”%Windows%\Web”フォルダに存在します。ウイルスは、"FOLDER.HTT"の元のコンテンツを"KJWALL.GIF"として同じフォルダ内に保存します。
このウイルスは"%Program Files%\Common Files\Microsoft Shared\Stationery"フォルダに存在するStationery file”BLANK.HTM”に感染してEメールメッセージを介して拡散します。
(註:%Program Files%は、ディフォルトのProgram Filesフォルダで、通常C:\Program Filesです。)
またウイルスは、Microsoft Outlook Expressのオプションを有効します。これにより感染ファイル"BLANK.HTM"が利用され、ウイルスは送信されたEメールを介して拡散します。
ウイルスは、ルートキット機能を備えていません。
対応方法
手順 1
Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。
手順 2
このマルウェアもしくはアドウェア等の実行により、手順中に記載されたすべてのファイル、フォルダおよびレジストリキーや値がコンピュータにインストールされるとは限りません。インストールが不完全である場合の他、オペレーティングシステム(OS)の条件によりインストールがされない場合が考えられます。手順中に記載されたファイル/フォルダ/レジストリ情報が確認されない場合、該当の手順の操作は不要ですので、次の手順に進んでください。
手順 3
Windowsをセーフモードで再起動します。
手順 4
このレジストリ値を削除します。
警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。
- In HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
- Kernel32 = "%Windows%\System\Kernel.dll"
- Kernel32 = "%Windows%\System\Kernel.dll"
- In HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
- Kernel32 = "%Windows%\System\Kernel32.dll"
- Kernel32 = "%Windows%\System\Kernel32.dll"
- In HKEY_CLASSES_ROOT\dllfile\shell\open\command
- Default = "%System%\WScript.exe "%1" %*"
- Default = "%System%\WScript.exe "%1" %*"
- In HKEY_CLASSES_ROOT\dllfile\shell\open\command
- Default = "%Windows%\WScript.exe "%1" %*"
- Default = "%Windows%\WScript.exe "%1" %*"
- In HKEY_CLASSES_ROOT\dllfile\ScriptEngine
- Default = "VBScript"
- Default = "VBScript"
- In HKEY_CLASSES_ROOT\dllfile\ShellEx\,br> PropertySheetHandlers\WSHProps
- Default = "{60254CA5-953B-11CF-8C96-00AA00B8708C}"
- Default = "{60254CA5-953B-11CF-8C96-00AA00B8708C}"
- In HKEY_CLASSES_ROOT\dllfile\ScriptHostEncode
- Default = "{85131631-480C-11D2-B1F9-00C04F86C324}"
- Default = "{85131631-480C-11D2-B1F9-00C04F86C324}"
手順 5
コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「VBS_REDLOF.A-11」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。
手順 6
以下のファイルをバックアップを用いて修復します。なお、マイクロソフト製品に関連したファイルのみ修復されます。このマルウェア/グレイウェア/スパイウェアが同社製品以外のプログラムをも削除した場合には、該当プログラムを再度インストールする必要があります。
- %System%\Kernel32.dll
手順 7
以下の修正パッチをダウンロードし適用します。この脆弱性に対する修正パッチを適用するまで、該当製品の使用をお控えください。この製品の製造元が公開する正式な修正パッチをダウンロードし適用することをお勧めします。
手順 8
最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、ウイルス検索を実行してください。「VBS_REDLOF.A-11」と検出したファイルはすべて削除してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。
ご利用はいかがでしたか? アンケートにご協力ください