解析者: Michael Cabel   

 プラットフォーム:

Windows 2000, Windows XP, Windows Server 2003

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:

  • マルウェアタイプ:
    ワーム

  • 破壊活動の有無:
    なし

  • 暗号化:
    なし

  • 感染報告の有無 :
    はい

  概要

ワームは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

ワームは、レジストリ値を変更し、システムファイルおよび読み取り専用属性のファイルを非表示にします。

ワームは、ユーザが感染コンピュータ上のドライブへアクセスすると自身のコピーが自動実行するように、"AUTORUN.INF" を作成します。

  詳細

ファイルサイズ 10,878 bytes
タイプ VBS
メモリ常駐 はい
発見日 2009年12月30日

侵入方法

ワームは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

ワームは、以下の無害なファイルを作成します。

  • %System%\vbs.reg
  • %System%\doc.reg

(註:%System%はWindowsの種類とインストール時の設定などにより異なります。標準設定では、Windows 98 および MEの場合、"C:\Windows\System"、Windows NT および 2000 の場合、"C:\WinNT\System32"、Windows XP および Server 2003 の場合、"C:\Windows\System32" です。)

ワームは、感染したコンピュータ内に以下のように自身のコピーを作成します。

  • %System%\USBDRIVE.dll

(註:%System%はWindowsの種類とインストール時の設定などにより異なります。標準設定では、Windows 98 および MEの場合、"C:\Windows\System"、Windows NT および 2000 の場合、"C:\WinNT\System32"、Windows XP および Server 2003 の場合、"C:\Windows\System32" です。)

自動実行方法

ワームは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
USBDRIVE.dll = "%System%\USBDRIVE.dll"

他のシステム変更

ワームは、インストールの過程で、以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CLASSES_ROOT\dllfile\ScriptEngine
(Default) = "VBScript"

HKEY_CLASSES_ROOT\dllfile\ScriptHostEncode
(Default) = "{85131631-480C-11D2-B1F9-00C04F86C324}"

HKEY_CLASSES_ROOT\dllfile\Shell\
Open\Command
(Default) = "%System%\Wscript.exe "%1" %*"

HKEY_CLASSES_ROOT\dllfile\ShellEx\
PropertySheetHandlers\WSHProps
(Default) = "{60254CA5-953B-11CF-8C96-00AA00B8708C}"

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows Scripting Host\Settings
Timeout = "0"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\policies\
Explorer
NoDriveTypeAutoRun = "0"

ワームは、インストールの過程で以下のレジストリキーまたはレジストリ値を変更します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Policies\
Explorer
NoDriveTypeAutoRun = "0"

(註:変更前の上記レジストリ値は、「{Refer Below}」となります。)

ワームは、以下のレジストリ値を変更し、システムファイルおよび読み取り専用属性のファイルを非表示にします。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Explorer\
Advanced
Hidden = "0"

(註:変更前の上記レジストリ値は、「1」となります。)

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Explorer\
Advanced
HideFileExt = "1"

(註:変更前の上記レジストリ値は、「0」となります。)

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Explorer\
Advanced
ShowSuperHidden = "0"

(註:変更前の上記レジストリ値は、「1」となります。)

感染活動

ワームは、すべての物理ドライブおよびリムーバブルドライブ内に以下として自身のコピーを作成します。

  • autorun.vbs

ワームは、ユーザが感染コンピュータ上のドライブへアクセスすると自身のコピーが自動実行するように、"AUTORUN.INF" を作成します。

上記INFファイルには、以下の文字列が含まれています。

[AutoRun]
open=

shell\open=´ò¿ª(&O)
shell\open\Command=WScript.exe .\autorun.vbs
shell\open\Default=1

その他

以下はオペレーティングシステム(OS)の種類に応じた「NoDriveTypeAutoRun」の既定値です。

  • Microsoft Windows Server 2003 = 0x95
  • Microsoft Windows XP = 0x91
  • Microsoft Windows 2000 = 0x95

  対応方法

対応検索エンジン: 8.900
初回 VSAPI パターンバージョン 6.730.11
初回 VSAPI パターンリリース日 2009年12月30日

手順 1

Windows XP および Windows Server 2003 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

「VBS_AUTORUN.ABA」で検出したファイル名を確認し、そのファイルを終了します。

[ 詳細 ]

  1. 検出ファイルが、Windows のタスクマネージャに表示されるものの、削除できない場合があります。この場合、コンピュータをセーフモードで再起動してください。
    セーフモードについては、こちらをご参照下さい。
  2. 検出ファイルがタスクマネージャ上で表示されない場合、次の手順にお進みください。

手順 3

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_CLASSES_ROOT\dllfile\ScriptEngine
    • (Default) = "VBScript"
  • In HKEY_CLASSES_ROOT\dllfile\ScriptHostEncode
    • (Default) = "{85131631-480C-11D2-B1F9-00C04F86C324}"
  • In HKEY_CLASSES_ROOT\dllfile\Shell\Open\Command
    • (Default) = "%System%\Wscript.exe %1 %*"
  • In HKEY_CLASSES_ROOT\dllfile\ShellEx\PropertySheetHandlers\WSHProps
    • (Default) = "{60254CA5-953B-11CF-8C96-00AA00B8708C}"
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows Scripting Host\Settings
    • Timeout = "0"
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\policies\Explorer
    • NoDriveTypeAutoRun = "0"
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • USBDRIVE.dll = "%System%\USBDRIVE.dll"

手順 4

変更されたレジストリ値を修正します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\Advanced
    • From: Hidden = "0"
      To: Hidden = "1"
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\Advanced
    • From: HideFileExt = "1"
      To: HideFileExt = "0"
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\Advanced
    • From: ShowSuperHidden = "0"
      To: ShowSuperHidden = "1"
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Policies\Explorer
    • From: NoDriveTypeAutoRun = "0"
      To: NoDriveTypeAutoRun = "{Refer Below}"

手順 5

「VBS_AUTORUN.ABA」が作成した AUTORUN.INF を検索し削除します。このファイルには、以下の文字列が含まれています。

[ 詳細 ]
[AutoRun]
open= 

shell\open=´ò¿ª(&O) 
shell\open\Command=WScript.exe .\autorun.vbs
shell\open\Default=1

手順 6

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性の場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • %System%\vbs.reg
  • %System%\doc.reg

手順 7

最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、ウイルス検索を実行してください。「VBS_AUTORUN.ABA」と検出したファイルはすべて削除してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


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