解析者: Kathleen Notario   

 別名:

PWS:Win32/Zbot.ZT (Microsoft); PWS-Zbot.gen.cc !! (Mcafee); Mal/Zbot-CX (Sophos); W32/Zbot.CX!tr.pws (Fortinet)

 プラットフォーム:

Windows 2000, Windows XP, Windows Server 2003

 危険度:
 感染確認数:
 システムへの影響:
 情報漏えい:

  • マルウェアタイプ:
    スパイウェア

  • 破壊活動の有無:
    なし

  • 暗号化:
    はい

  • 感染報告の有無 :
    はい

  概要

スパイウェアは、リモートサイトにアクセスし、自身の環境設定ファイルをダウンロードします。この環境設定ファイルには、自身のコピーの更新版をダウンロードするURLおよび、収集した情報の送信先URLが含まれています。また、この環境設定ファイルには、ターゲットとする金融機関に関連するWebサイトのリストも含まれており、スパイウェアはこのリストをもとに情報を収集します。

スパイウェアがランダムにアクセスするURLは、コンピュータのシステム日時に基づいて算出されることにより生成されます。ただし、情報公開日現在、生成されるWebサイトにはアクセスできません。

スパイウェアは、侵入したコンピュータから特定の情報を収集します。

スパイウェアは、他のマルウェアもしくはグレイウェア、または不正リモートユーザによるスパムメールに添付され、コンピュータに侵入します。 スパイウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

スパイウェアは、特定の銀行および金融機関のWebサイトで利用されるユーザ名やパスワードなどの個人情報を収集します。

  詳細

ファイルサイズ 190,464 bytes
タイプ EXE
メモリ常駐 はい
発見日 2011年8月19日
ペイロード ファイルのダウンロード, URLまたはIPアドレスに接続

侵入方法

スパイウェアは、他のマルウェアもしくはグレイウェア、または不正リモートユーザによるスパムメールに添付され、コンピュータに侵入します。

スパイウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

スパイウェアは、以下のリモートサイトからダウンロードされ、コンピュータに侵入します。

  • http://{BLOCKED}kplnnqsqe.org/news/?s={random}

インストール

スパイウェアは、以下のファイルを作成します。

  • %Application Data%\{random1}\{random}.exe - copy of itself
  • %Application Data%\{random2}\{random}.{random} - encrypted file

(註:%Application Data%フォルダは、 Windows 2000、XP、Server 2003 の場合 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data" 、 Windows NTの場合 "C:\WINNT\Profiles\<ユーザ名>\Application Data"、Windows 98 および MEの場合、"C:\Windows\Profiles\<ユーザ名>\Application Data" です。)

スパイウェアは、以下のフォルダを作成します。

  • %Application Data%\{random1}
  • %Application Data%\{random2}

(註:%Application Data%フォルダは、 Windows 2000、XP、Server 2003 の場合 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data" 、 Windows NTの場合 "C:\WINNT\Profiles\<ユーザ名>\Application Data"、Windows 98 および MEの場合、"C:\Windows\Profiles\<ユーザ名>\Application Data" です。)

スパイウェアは、以下の Mutex を作成し、メモリ上で自身の重複実行を避けます。

  • Global\{GUID}
  • Local\{GUID}

スパイウェアは、以下のプロセスに組み込まれ、システムのプロセスに常駐します。

  • ctfmon.exe
  • dwm.exe
  • explorer.exe
  • rdpclip.exe
  • taskeng.exe
  • taskhost.exe
  • wscntfy.exe

自動実行方法

スパイウェアは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
GUID = "%Application Data%\{random1}\{random}.exe"

他のシステム変更

スパイウェアは、以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\SharedAccess\Parameters\
FirewallPolicy\StandardProfile\AuthorizedApplications\
List
%Windows%\explorer.exe = "%Windows%\explorer.exe:*:Disabled:Windows Explorer"

スパイウェアは、インストールの過程で、以下のレジストリキーを追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
{random}

ダウンロード活動

スパイウェアは、以下のWebサイトにアクセスし、ファイルをダウンロードします。

  • http://{pseudorandom alpha characters}.biz/forum/
  • http://{pseudorandom alpha characters}.org/forum/
  • http://{pseudorandom alpha characters}.info/forum/
  • http://{pseudorandom alpha characters}.net/forum/
  • http://{pseudorandom alpha characters}.com/forum/

情報漏えい

スパイウェアは、Webサイトにアクセスしてファイルをダウンロードします。ダウンロードされたファイルには、自身のコピーの更新版ファイルのダウンロード元および収集した情報の送信先が記載されています。なお、上記でダウンロードされたファイルは、環境設定ファイルで、このスパイウェアが情報収集の際に対象とする以下の金融関連Webサイトのリストを含んでいます。

  • http://assets.macys.com
  • http://marketandtarget.com
  • http://www.blogcdn.com
  • http://www.chase.com
  • http://www.gafringwirt.at
  • http://www.marketandtarget.com
  • https://*.ebanking-services.com/*/signin.aspx
  • https://banking.postbank.de
  • https://banking.sparda.de
  • https://chaseonline.chase.com
  • https://client.schwab.com
  • https://content.usaa.com
  • https://express.53.com
  • https://gif.juniper.com/images/barclaycardus
  • https://secure.americanexpress.com
  • https://signin.fiabusinesscard.com
  • https://static.my.commbank.com.au
  • https://wellsoffice.wellsfargo.coms
  • https://www.accountcentralonline.com
  • https://www.bbvanetcash.com
  • https://www.chase.com/personalData
  • https://www.commerzbank.de
  • https://www.discovercard.com
  • https://www.ezcardinfo.com
  • https://www.gotomycard.com
  • https://www.hsbccreditcard.com
  • https://www.ibsnetaccess.com
  • https://www.macys.com
  • https://www.myaccountaccess.com/onlineCard/static/elan/img
  • https://www.nordstromcard.com
  • https://www.partnercardservices.com
  • https://www.pnccardservicesonline.com
  • https://www.statementlook.com
  • https://www.suntrust.com

スパイウェアは、以下の銀行もしくは金融機関で利用される個人情報を収集します。

  • American Express
  • BBVA
  • Barclays
  • Blogcdn
  • Chase
  • CommBANK
  • Commerzbank
  • Discover Card
  • Elan Financial Services
  • FIA Card Services
  • Fifth Third
  • Gafringwirt
  • GoToMyCard
  • HSBC
  • Macy's
  • Market and Target
  • Nordstrom Card
  • PNC
  • Partner Card Services
  • Postbank
  • Schwab
  • Sparda
  • StatementLook
  • Suntrust
  • USAA
  • Wells Fargo
  • eZCardInfo

情報収集

スパイウェアは、HTTPポスト を介して、収集した情報を以下のURLに送信します。

  • http://{BLOCKED}kplnnqsqe.org/news/?s={random}

スパイウェアは、リモートサイトにアクセスし、自身の環境設定ファイルをダウンロードします。この環境設定ファイルには、自身のコピーの更新版をダウンロードするURLおよび、収集した情報の送信先URLが含まれています。また、この環境設定ファイルには、ターゲットとする金融機関に関連するWebサイトのリストも含まれており、スパイウェアはこのリストをもとに情報を収集します。

スパイウェアがランダムにアクセスするURLは、コンピュータのシステム日時に基づいて算出されることにより生成されます。ただし、情報公開日現在、生成されるWebサイトにはアクセスできません。

スパイウェアは、侵入したコンピュータから以下の情報を収集します。

  • クッキーファイル内の情報(URL)
  • Eメールに関連する情報(アカウント名、Eメールアドレス、パスワード、サーバの情報、サーバのポート)
  • ユーザのWindowsアドレス帳のデータの保存に使用されるファイル(拡張子WAB)内のEメールに関連する情報

  対応方法

対応検索エンジン: 9.200
初回 VSAPI パターンバージョン 8.372.04
初回 VSAPI パターンリリース日 2011年8月19日

手順 1

Windows XP および Windows Server 2003 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

このマルウェアのパス名およびファイル名を確認します。
最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用いてウイルス検索を実行してください。「TSPY_ZBOT.FAZ」で検出したパス名およびファイル名を確認し、メモ等をとってください。

手順 3

Windowsをセーフモードで再起動します。

[ 詳細 ]

手順 4

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\SharedAccess\Parameters\FirewallPolicy\StandardProfile\AuthorizedApplications\List
    • %Windows%\explorer.exe = "%Windows%\explorer.exe:*:Disabled:Windows Explorer"
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • GUID = "%Application Data%\{random1}\{random}.exe"

手順 5

このレジストリキーを削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft
    • {random}

手順 6

以下のフォルダを検索し削除します。

[ 詳細 ]
フォルダが隠しフォルダ属性に設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • %Application Data%\{random1}
  • %Application Data%\{random2}

手順 7

コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「TSPY_ZBOT.FAZ」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


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