解析者: Cris Nowell Pantanilla   

 プラットフォーム:

Windows 98, ME, NT, 2000, XP, Server 2003

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:
 システムへの影響:
 情報漏えい:

  • マルウェアタイプ:
    トロイの木馬型

  • 破壊活動の有無:
    なし

  • 暗号化:
    なし

  • 感染報告の有無 :
    はい

  概要

マルウェアは、特定の銀行および金融機関のWebサイトで利用されるユーザ名やパスワードなどの個人情報を収集します。

  詳細

ファイルサイズ 不定
タイプ EXE
メモリ常駐 なし
ペイロード 情報収集

侵入方法

マルウェアは、以下の悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることにより、コンピュータに侵入します。

  • http://postmetoday.ru/exe8k/pump.exe

インストール

マルウェアは、以下のファイルを作成します。

  • %Application Data%\{random1}\{random}.exe
  • %Application Data%\{random2}\{random}.ygy

(註:%Application Data%フォルダは、 Windows 2000、XP、Server 2003 の場合 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data" 、 Windows NTの場合 "C:\WINNT\Profiles\<ユーザ名>\Application Data"、Windows 98 および MEの場合、"C:\Windows\Profiles\<ユーザ名>\Application Data" です。)

マルウェアは、以下のプロセスに自身を組み込み、システムのプロセスに常駐します。

  • EXPLORER.EXE
  • WINLOGON.EXE

マルウェアは、以下のフォルダを作成します。

  • %Application Data%\{random1}
  • %Application Data%\{random2}

(註:%Application Data%フォルダは、 Windows 2000、XP、Server 2003 の場合 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data" 、 Windows NTの場合 "C:\WINNT\Profiles\<ユーザ名>\Application Data"、Windows 98 および MEの場合、"C:\Windows\Profiles\<ユーザ名>\Application Data" です。)

自動実行方法

マルウェアは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
{E2A0BCA9-67BD-5E2A-83A2-54BE8F47D434} = "%Application Data%\{random1}\{random}.exe"

他のシステム変更

マルウェアは、以下のレジストリキーを追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft
{random} =  

情報漏えい

マルウェアは、以下のWebサイトにアクセスし、自身の環境設定ファイルをダウンロードします。

  • http://lisfiscrisgqwu.com/abauriyfg/beurwygT.img
  • http://nasnedofweiggyt.com/UEOI/MWURT.img
  • http://pogoaliceadvance.com/qweiyt/amadeo.img

ダウンロードされたファイルには、自身のコピーの更新版ファイルのダウンロード元および収集した情報の送信先が記載されています。

マルウェアは、以下のWebサイトを対象とします。

  • *EBC_EBC1961/EBC_NEC/RSAEncrypt.js*
  • *ebc_ebc1961/EBC_NEC/RSAEncrypt.js*
  • http*.53.com*
  • http*.53.com*RSAScript.js*
  • http*.webcashmanager.com*Login*
  • http*.webcashmgmt.com*Login*
  • http*/phcp/econnection/login/js/login.htm*
  • http*/phcp/servlet*Login*
  • http*/wcmfd/*Login*
  • *EBC_EBC1961/EBC_NEC/RSAEncrypt.js*
  • *ebc_ebc1961/EBC_NEC/RSAEncrypt.js*
  • http*.53.com*
  • http*.53.com*RSAScript.js*
  • http*.webcashmanager.com*Login*
  • http*.webcashmgmt.com*Login*
  • http*/phcp/econnection/login/js/login.htm*
  • http*/phcp/servlet*Login*
  • http*/wcmfd/*Login*
  • http*/wcmfd/js/LoginCSS.js*
  • http*bolb.associatedbank.com*
  • http*bolb.associatedbank.com/js/jquery.js*
  • http*business-eb.ibanking-services.com*general.js*
  • http*business-eb.ibanking-services.com/K1/*login*jsp*
  • http*ebanking-services.com/*
  • http*ebanking-services.com/AUTH/WebResource.axd*
  • http*scripts/injScp.js*
  • http*sso.uboc.com/js/ub-common.js*
  • http*sso.uboc.com/obc/forms/login.fcc*
  • http*treasury.pncbank.com/portal/esec/login.ht*
  • http*treasury.pncbank.com/portal/service/js/loginproc.js*
  • http://eigach.ru/script.js
  • https*/pub/html/login.html*
  • https://*.web-access.com*welcome.cgi*
  • https://*/cmserver*verify.cfm*
  • https://*/onlineserv/CM/*
  • https://*/onlineserv/CM/std/js/en/disofactor.js*
  • https://*blilk.com/Core/Authentication/MFA*.aspx*
  • https://*blilk.com/include/Utils.js*
  • https://*cashman*
  • https://*Cashman*
  • https://*cmserver/include/ui/uiScripts.js*
  • https://*login_ui_includes/login_brandScripts.js*
  • https://a248.e.akamai.net/6/248/3583/000/wellsoffice.wellsfargo.com/ceoportal/framework/skins/defacore-min.js*
  • https://access.jpmorgan.com/appmanager/jpmalogonportal/jpmalogonhome*
  • https://authmaster.nationalcity.com/tmgmt/js/bharosa_uio.js*
  • https://authmaster.nationalcity.com/tmgmt/wslogin.jsp*
  • https://businessaccess.citibank.citigroup.com/cbusol/do/htmlserver/js/env.js*
  • https://businessaccess.citibank.citigroup.com/cbusol/signon.do*
  • https://businessonline.huntington.com/BOLHome/BusinessOnlineLogin.aspx*
  • https://businessonline.huntington.com/common/scripts/common.js*
  • https://businessonline.tdbank.com/corporatebankingweb/core/login.aspx*
  • https://businessonline.tdbank.com/CorporateBankingWeb/VAM/2_0_2/VAM.js*
  • https://cbs.firstcitizens.com/cb/jsp-ns/inc/auth/fp.js*
  • https://cbs.firstcitizens.com/cb/servlet/cb/loginfcbnc.jsp*
  • https://chsec.wellsfargo.com/login/login.fcc*
  • https://cm.netteller.com/login2008/Authentication/Views/Login.aspx*
  • https://cm.netteller.com/login2008/Scripts/NetTellerCorners.js*
  • https://ecash.*
  • https://olb.gnty.com/Login/Username.aspx*
  • https://premierview.membersunited.org/Core/login.aspx*
  • https://premierview.membersunited.org/WebResource.axd*
  • https://securentrycorp.*/Authentication/lib.js*
  • https://securentrycorp.*/Authentication/zbf/k/*
  • https://wellsoffice.wellsfargo.com/ceoportal/signon/index.jsp*

マルウェアは、以下の銀行もしくは金融機関で利用される個人情報を収集します。

  • Citibank
  • Fifth Third
  • National City
  • PNC
  • Union Bank of California
  • Wells Fargo

情報収集

マルウェアは、HTTPポスト を介して、収集した情報を以下のURLに送信します。

  • http://pogoaliceadvance.com/agregatr/weiry.php

その他

解析の結果、マルウェアによるバックドア活動は確認されませんでした。

ハッシュ値情報

マルウェアは、以下のMD5ハッシュ値を含んでいます。

  • 660aae712adc5e1d23d2500a13b4cfd
  • 28e2b2498484b93a2dd9896e7f89a0e6
  • 3471018cfbd0f17899258e2b62a1dd61
  • a86678a1bac1dcb5b0cfd2cf61f259f0
  • 067066b17486d73e6f2572eb79b1391c
  • ada25b9107cc570a52b7f2b9751e5ab5
  • 015f418d4a61986ba043af0c739cdd79
  • bd833711e8c494442dbdcfaef3c01824
  • 1ccf6e6db7ea161120304e4ec47d2ffe
  • cb5dec936040fa66b4b06bd3fd90041c
  • 1f853bc79b37e9d2de5650f22d0d5be1
  • ef07ada306f7bcb3b686e264611d07a0

マルウェアは、以下のSHA1ハッシュ値を含んでいます

  • 32f1410fe3080943f346b2592f0d0c8cc2392f69
  • d0553363dce4318347af0f16578e2b9ef1bb6f30
  • 6f127ef63de73d10655d1b7519a1a79a1df4fb01
  • f0e420b27d2c7e5f6ae3310d5396a26ba6210df3
  • 6b461c5d6e31e870dd560c8f4ef0cb07bf95d127
  • 3fe197b97ec34235584d48e5d4432892ee0ad66f
  • 049e07532ab89253a5102ad56e3fdf6c7f30885c
  • 2367e43b15189e97d91ace9d43e9649d9f94a711
  • 378751adcc5656286ad7fda07e6cdd88795833ea
  • db4bac6c6d557d71ab30155c3180c5aff7ebc0f3
  • f89494e328ad48fec9ab1a94d6e42168fc99d8b2
  • e7167adcce8535cbcd881902b417fa7acd762a27

  対応方法

対応検索エンジン: 8.900
VSAPI パターンファイル: 7.152.08
VSAPI パターンリリース日: 2010年5月7日
VSAPI パターンリリース日: 5/7/2010 12:00:00 AM

手順 1

Windows XP および Windows Server 2003 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

このレジストリキーを削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
    • {random}

手順 3

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • {6533FE07-A878-C443-80CF-CF8FABB32F44} = %Application Data%\{random1}\{random}.exe

手順 4

以下のフォルダを検索し削除します。

[ 詳細 ]
註:このフォルダは、隠しフォルダとして設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。

%Application Data%\{random1}
%Application Data%\{random2}

手順 5

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性の場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。

%Application Data%\{random1}\{random}.exe
%Application Data%\{random2}\{random}.ygy

手順 6

最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、ウイルス検索を実行してください。「TSPY_QAKBOT.SMG」と検出したファイルはすべて削除してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


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