TSPY_DYRE.MSN
TrojanDownloader:Win32/Upatre.CB (Microsoft); Troj/Upatre-LD (Sophos); Downloader.Upatre!gen9 (Symantec); Trojan-Downloader.Win32.Upatre.ewvg (Kaspersky)
Windows
マルウェアタイプ:
スパイウェア
破壊活動の有無:
なし
暗号化:
はい
感染報告の有無 :
はい
概要
スパイウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。
スパイウェアは、 Windows のタスクスケジューラを使い、「スケジュールされたタスク」を追加します。これにより、作成された自身のコピーが実行されます。
スパイウェアは、ワーム活動の機能を備えていません。
スパイウェアは、特定のWebサイトにアクセスし、情報を送受信します。 ただし、情報公開日現在、このWebサイトにはアクセスできません。 スパイウェア マルウェアは、自身(コンピュータに侵入して最初に自身のコピーを作成した スパイウェア )を削除します。
詳細
侵入方法
スパイウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。
インストール
スパイウェアは、感染したコンピュータ内に以下のように自身のコピーを作成します。
- %AppDataLocal%\{random filename}.exe (for Windows Vista and above)
- %Windows%\{random filename}.exe (for Windows XP and below)
(註:%AppDataLocal%フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常、"C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data"、Windows Vista および 7 の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local" です。. %Windows%フォルダは、Windowsが利用するフォルダで、いずれのオペレーティングシステム(OS)でも通常、"C:\Windows" です。.)
スパイウェアは、 Windows のタスクスケジューラを使い、「スケジュールされたタスク」を追加します。これにより、作成された自身のコピーが実行されます。
スパイウェアは、以下の Mutex を作成し、メモリ上で自身の重複実行を避けます。
- Global\{random}
スパイウェアは、以下のプロセスにコードを組み込みます。
- explorer.exe
- svchost.exe
自動実行方法
この「スケジュールされたタスク」により、以下の時間ごとにスパイウェアが実行されます。
- 1 minute
他のシステム変更
スパイウェアは、以下のレジストリ値を変更します。
HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Control\Lsa
LimitBlankPasswordUse = "0"
(註:変更前の上記レジストリ値は、「1」となります。)
HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Control\Terminal Server
fDenyTSConnections = "0"
(註:変更前の上記レジストリ値は、「1」となります。)
HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Control\Terminal Server
fSingleSessionPerUser = "0"
(註:変更前の上記レジストリ値は、「1」となります。)
感染活動
スパイウェアは、ワーム活動の機能を備えていません。
作成活動
スパイウェアは、以下のファイルを作成します。
- %System%\config\systemprofile\Application Data\{random filename} (for Windows XP and below)
- %AppDataLocal%\{random filename} (for Windows Vista and above)
(註:%System%フォルダは、システムフォルダで、いずれのオペレーティングシステム(OS)でも通常、"C:\Windows\System32" です。.. %AppDataLocal%フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常、"C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data"、Windows Vista および 7 の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local" です。)
情報漏えい
環境設定ファイルは、以下の情報を含んでいます。
- List of strings related to banking/bitcoin
- Proxy address for the Man-in-the-middle attack
- List of new C&C server
スパイウェアは、以下の情報を収集します。
- Host Name
- Public IP Address
- Computer Name
- OS Version
- OS Platform
- User Accounts
- System Info(CPU, Memory, No. of Processors)
- Installed programs
- Services
その他
スパイウェアは、以下のWebサイトにアクセスしてインターネット接続を確認します。
- google.com
- microsoft.com
スパイウェアは、以下のWebサイトにアクセスして感染コンピュータのIPアドレスを収集します。
- http://icanhazip.com
スパイウェアは、以下のWebサイトにアクセスし、情報を送受信します。
- http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.220.8:443
- http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.226.85:443
- http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.63.98:443
- http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.73.130:443
- http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.250.245:443
- http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.48.147:443
- http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.49.139:443
- http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.49.162:443
- http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.166.94:4443
- http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.48.79:443
- http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.50.124:4443
- http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.201.9:443
- http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.153.202:443
- http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.91.90:443
- http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.64.35:4443
- http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.84.55:443
- http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.142.66:443
- http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.194.101:4443
- http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.38.100:443
- http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.154.180:4443
- http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.77.76:443
- http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.104.102:443
- http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.34.245:443
- http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.171.216:443
- http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.58.42:4443
- http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.60.93:4443
- http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.135.106:4443
- http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.179.197:443
- http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.101.2:4443
- http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.204.37:443
- http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.165.182:443
- http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.237.115:443
- http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.143.60:443
- http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.146.107:4443
- http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.146.67:4443
- http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.147.103:4443
- http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.156.105:4443
- http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.156.165:443
- http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.156.216:4443
- http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.57.164:4443
- http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.228.117:4443
- http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.174.25:443
- http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.9.55:443
- http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.4.60:443
- http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.176.230:4443
- http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.191.170:443
- http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.63.207:443
- http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.51.115:4443
- http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.116.76:443
- http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.45.149:443
- http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.45.40:443
- http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.241.26:443
- http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.244.187:443
ただし、情報公開日現在、このWebサイトにはアクセスできません。
スパイウェア は、自身(コンピュータに侵入して最初に自身のコピーを作成した スパイウェア )を削除します。
スパイウェアが作成する自身のコピーは以下のとおりです。
- %AppDataLocal%\{random filename}.exe(Windows Vistaおよびそれ以降のOSの場合)
- %Windows%\{random filename}.exe(Windows XPおよびそれ以前のOSの場合)
スパイウェアが作成するファイルは以下のとおりです。
- %System%\config\systemprofile\Application Data\{random filename}(Windows XPおよびそれ以前のOSの場合)
- %AppDataLocal%\{random filename}(Windows Vistaおよびそれ以降のOSの場合)
環境設定ファイルには含まれている情報は以下のとおりです。
- ネットバンキングや仮想通貨「Bitcoin(ビットコイン)」に関連する文字列のリスト
- 「Man-In-The-Middle(中間者)攻撃」のためのプロキシアドレス
- 新しいC&Cサーバのリスト
スパイウェアが収集する情報は以下のとおりです。
- ホスト名
- パブリックIPアドレス
- コンピュータ名
- OSのバージョン
- OSのプラットフォーム
- ユーザアカウント
- コンピュータ情報(CPUやメモリ、プロセッサの番号)
- インストールされたプログラム
- サービス
スパイウェアは、以下を実行します。
- 環境設定ファイルを受信(Webインジェクションおよび「Man in the Browser(MitB)攻撃」に利用)
- 新たな接続を受信
- ファイルをダウンロードして、実行
- モジュールをダウンロード (VNCおよびTV)
- ブラウザのスナップショット
- プロセスの終了
- ユーザの追加
- 「マスター・ブート・レコード(MBR)」を変更
- コンピュータのシャットダウンおよび再起動
- 以下のブラウザを監視します。
- chrome.exe
- firefox.exe
- iexplore.exe
スパイウェアは、以下の「Simple Traversal of UDP through NATs(STUN)」サーバに接続して、感染コンピュータのパブリックIPアドレスを特定します。
- stun1.voiceeclipse.net
- stun.callwithus.com
- stun.sipgate.net
- stun.ekiga.net
- stun.internetcalls.com
- stun.noc.ams-ix.net
- stun.voip.aebc.com
- stun.voipbuster.com
- stun.voxgratia.org
- stun.ipshka.com
- stun.faktortel.com.au
- stun.iptel.org
- stun.voipstunt.com
- 203.183.172.196:3478
- s1.taraba.net
- stun.l.google.com:19302
- stun1.l.google.com:19302
- stun2.l.google.com:19302
- stun3.l.google.com:19302
- stun4.l.google.com:19302
- stun.schlund.de
- stun.rixtelecom.se
- stun.voiparound.com
- numb.viagenie.ca
- stun.stunprotocol.org
- stun.services.mozilla.com
- stun.2talk.co.nz
スパイウェアは、以下のサービスを停止します。
- wscsvc
- MpsSvc
- WinDefend
スパイウェアは、以下のGETリクエストを送信します。
/2309us12/{Computer name}_{OS patform}.{BOTID}/{value}/{data/variable}/{BLOCKED}.{BLOCKED}.6.243/
スパイウェアは、POSTリクエストを送信して、インジェクションから収集した情報を送信します。
スパイウェアは、ルートキット機能を備えていません。
スパイウェアは、脆弱性を利用した感染活動を行いません。
対応方法
手順 1
Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。
手順 2
このマルウェアもしくはアドウェア等の実行により、手順中に記載されたすべてのファイル、フォルダおよびレジストリキーや値がコンピュータにインストールされるとは限りません。インストールが不完全である場合の他、オペレーティングシステム(OS)の条件によりインストールがされない場合が考えられます。手順中に記載されたファイル/フォルダ/レジストリ情報が確認されない場合、該当の手順の操作は不要ですので、次の手順に進んでください。
手順 3
Windowsをセーフモードで再起動します。
手順 4
以下のファイルを検索し削除します。
- %System%\config\systemprofile\Application Data\{random filename} (for Windows XP
手順 5
変更されたレジストリ値を修正します。
警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
事前に意図的に対象の設定を変更していた場合は、意図するオリジナルの設定に戻してください。変更する値が分からない場合は、システム管理者にお尋ねいただき、レジストリの編集はお客様の責任として行なって頂くようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。
- In HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Control\Lsa
- From: LimitBlankPasswordUse = "0"
To: LimitBlankPasswordUse = 1
- From: LimitBlankPasswordUse = "0"
- In HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Control\Terminal Server
- From: fDenyTSConnections = "0"
To: fDenyTSConnections = 1
- From: fDenyTSConnections = "0"
- In HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Control\Terminal Server
- From: fSingleSessionPerUser = "0"
To: fSingleSessionPerUser = 1
- From: fSingleSessionPerUser = "0"
手順 6
スパイウェアが追加したスケジュールタスクを削除します。
手順 7
コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「TSPY_DYRE.MSN」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。
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