解析者: John Rainier Navato   

 別名:

Worm.Win32.Boychi (IKARUS)

 プラットフォーム:

Windows

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:
 情報漏えい:

  • マルウェアタイプ:
    スパイウェア/情報窃取型

  • 破壊活動の有無:
    なし

  • 暗号化:
    なし

  • 感染報告の有無 :
    はい

  概要

感染経路 インターネットからのダウンロード, 他のマルウェアからの作成

スパイウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

スパイウェアは、感染コンピュータ上の特定の情報を収集します。 スパイウェアは、ユーザのキー入力操作情報を記録し、情報を収集します。

スパイウェアは、イベントを作成します。

  詳細

ファイルサイズ 1,915,392 bytes
タイプ EXE
メモリ常駐 はい
発見日 2024年9月30日
ペイロード システム情報の収集, URLまたはIPアドレスに接続, 情報収集, ファイルの作成, システムのレジストリの変更

侵入方法

スパイウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

スパイウェアは、以下のファイルを作成します。

  • %AppDataLocal%\Microsoft\WPSOffice\sys.dll
  • %AppDataLocal%\Microsoft\WPSOffice\Klog.txt → Contains Stolen Information
  • %AppDataLocal%\Microsoft\WPSOffice\Param.ini → Contains Configuration
  • %AppDataLocal%\Microsoft\WPSOffice\exe.dat → Encrypted %AppDataLocal%\Microsoft\WPSOffice\dwn.dat
  • %AppDataLocal%\Microsoft\WPSOffice\dwn.dat

(註:%AppDataLocal%フォルダは、ローカルアプリケーションデータフォルダです。Windows 2000(32-bit)、XP、Server 2003(32-bit)の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data" です。また、Windows Vista、7、8、8.1、2008(64-bit)、2012(64-bit)、10(64-bit)の場合、通常 "C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local" です。)

スパイウェアは、以下のプロセスを追加します。

  • %System%\rundll32.exe %AppDataLocal%\Microsoft\WPSOffice\sys.dll, MazeFunc %1

(註:%AppDataLocal%フォルダは、ローカルアプリケーションデータフォルダです。Windows 2000(32-bit)、XP、Server 2003(32-bit)の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data" です。また、Windows Vista、7、8、8.1、2008(64-bit)、2012(64-bit)、10(64-bit)の場合、通常 "C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local" です。)

スパイウェアは、以下のフォルダを作成します。

  • %AppDataLocal%\Microsoft\WPSOffice

(註:%AppDataLocal%フォルダは、ローカルアプリケーションデータフォルダです。Windows 2000(32-bit)、XP、Server 2003(32-bit)の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data" です。また、Windows Vista、7、8、8.1、2008(64-bit)、2012(64-bit)、10(64-bit)の場合、通常 "C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local" です。)

自動実行方法

スパイウェアは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CURRENT_USER\SOFTWARE\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
Office = %System%\rundll32.exe %AppData Local%\Microsoft\WPSOffice\sys.dll, MazeFunc %1

情報漏えい

スパイウェアは、感染コンピュータ上の以下の情報を収集します。

  • IP Address
  • Clipboard Data
  • Keystrokes
  • Mouse Clicks
  • Username
  • Computer Name

スパイウェアは、ユーザのキー入力操作情報を記録し、情報を収集します。

情報収集

スパイウェアは、以下のファイル内に収集した情報を保存します。

  • %AppData Local%\Microsoft\WPSOffice\Klog.txt

スパイウェアは、HTTPポスト を介して、収集した情報を以下のURLに送信します。

  • {BLOCKED}er2024.000webhostapp.com/Maze/upload.php

    However, as of this writing, the said site is inaccessible.

その他

スパイウェアは、以下を実行します。

  • It can terminate processes by process ID found from its configuration file.

スパイウェアは、以下のイベントを作成します。

  • TrojanEvent

<補足>
インストール

スパイウェアは、以下のファイルを作成します。

  • %AppDataLocal%\Microsoft\WPSOffice\sys.dll
  • %AppDataLocal%\Microsoft\WPSOffice\Klog.txt → 収集された情報を含む
  • %AppDataLocal%\Microsoft\WPSOffice\Param.ini → 設定情報を含む
  • %AppDataLocal%\Microsoft\WPSOffice\exe.dat → 暗号化された 「%AppDataLocal%\Microsoft\WPSOffice\dwn.dat」ファイル
  • %AppDataLocal%\Microsoft\WPSOffice\dwn.dat

情報漏えい

スパイウェアは、感染コンピュータ上の以下の情報を収集します。

  • IPアドレス
  • クリップボードデータ
  • キー入力操作情報
  • マウスクリック
  • ユーザ名
  • コンピュータ名

その他

スパイウェアは、以下を実行します。

  • 設定ファイルから見つかったプロセスIDによってプロセスを終了させる可能性があります。

  対応方法

対応検索エンジン: 9.800
初回 VSAPI パターンバージョン 19.622.03
初回 VSAPI パターンリリース日 2024年9月30日
VSAPI OPR パターンバージョン 19.623.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2024年10月1日

手順 1

トレンドマイクロの機械学習型検索は、マルウェアの存在を示す兆候が確認された時点で検出し、マルウェアが実行される前にブロックします。機械学習型検索が有効になっている場合、弊社のウイルス対策製品はこのマルウェアを以下の機械学習型検出名として検出します。

     
    • Troj.Win32.TRX.XXPE50FFF087

手順 2

Windows 7、Windows 8、Windows 8.1、および Windows 10 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 3

このマルウェアもしくはアドウェア等の実行により、手順中に記載されたすべてのファイル、フォルダおよびレジストリキーや値がコンピュータにインストールされるとは限りません。インストールが不完全である場合の他、オペレーティングシステム(OS)の条件によりインストールがされない場合が考えられます。手順中に記載されたファイル/フォルダ/レジストリ情報が確認されない場合、該当の手順の操作は不要ですので、次の手順に進んでください。

手順 4

Windowsをセーフモードで再起動します。

[ 詳細 ]

手順 5

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_CURRENT_USER\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • Office = %System%\rundll32.exe %AppDataLocal%\Microsoft\WPSOffice\sys.dll, MazeFunc %1

手順 6

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性の場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • %AppDataLocal%\Microsoft\WPSOffice\sys.dll
  • %AppDataLocal%\Microsoft\WPSOffice\Klog.txt
  • %AppDataLocal%\Microsoft\WPSOffice\Param.ini
  • %AppDataLocal%\Microsoft\WPSOffice\exe.dat
  • %AppDataLocal%\Microsoft\WPSOffice\dwn.dat

手順 7

以下のフォルダを検索し削除します。

[ 詳細 ]
フォルダが隠しフォルダ属性に設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • %AppDataLocal%\Microsoft\WPSOffice

手順 8

コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「TrojanSpy.Win32.FPSPY.THICOBD」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


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