解析者: Henry Alarcon Jr.   

 別名:

Win32/Spy.Banker.AEGU (ESET-NOD32), SPR/RemoteAdmin.AO (Avira)

 プラットフォーム:

Windows

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:
 情報漏えい:

  • マルウェアタイプ:
    スパイウェア/情報窃取型

  • 破壊活動の有無:
    なし

  • 暗号化:
    はい

  • 感染報告の有無 :
    はい

  概要

感染経路 インターネットからのダウンロード, 他のマルウェアからの作成

スパイウェアは、他のマルウェアに作成され、コンピュータに侵入します。

スパイウェアは、特定の銀行および金融機関のWebサイトで利用されるユーザ名やパスワードなどの個人情報を収集します。

  詳細

ファイルサイズ 10,923,520 bytes
タイプ DLL
メモリ常駐 なし
発見日 2019年2月22日
ペイロード ファイルの作成, ファイルの削除, 情報収集, URLまたはIPアドレスに接続, メッセージの送信, 偽ログインページの表示

侵入方法

スパイウェアは、以下のマルウェアに作成され、コンピュータに侵入します。

インストール

スパイウェアは、以下のファイルを作成します。

  • %Public%\chrome.LNK ← execute the vbs scripts
  • %Public%\Chrome\5.4.8\manifest.json
  • %Public%\Chrome\5.4.8\eventPage.js
  • %Public%\Chrome\5.4.8\6.js
  • %Public%\Chrome\5.4.8\jquery-3.1.1.min.js ← normal file
  • %Public%\Chrome\5.4.8\BJava_{6 random characters}{1 random number}_.js ← detected as Trojan.JS.BANKER.THBAIAI
  • %Public%\Chrome\5.4.8\GJava_{6 random characters}{1 random number}__.js ← detected as Trojan.JS.BANKER.THBAIAI
  • %Public%\Chrome\5.4.8\WJava_{6 random characters}{1 random number}_.js ← detected as Trojan.JS.BANKER.THBAIAI
  • %Public%\Chrome\5.4.8\iconos\Java_{6 random characters}{1 random number}_.bmp
  • %Public%\Java_{6 random characters}{1 random number}_\us ← Contains Machine name and Password
  • %Public%\Java_{6 random characters}{1 random number}_.vbs ← Execute the batch file
  • %Public%\Java_{6 random characters}{1 random number}_.bat ← Batch file that will add the Trojan.JS.BANKER.THBAIAI as chrome extensions.
  • %AppDataLocal%\w ← Chrome Login Data.
  • %Application Data%\Microsoft\.Out
  • %Public%\Administrador\DP.zip ← detected as HKTL_RADMIN

スパイウェアは、以下のファイルを作成し実行します。

  • %Application Data%\Microsoft\l.ps1 ← Obfuscated powershell that gathers email from files in the infected machine.
  • %Public%\Administrador\install.bat ← batch file HKTL_RADMIN installation config
  • %Public%\Administrador\RDPWInst.exe ← detected as HKTL_RADMIN

(註:%Application Data%フォルダは、現在ログオンしているユーザのアプリケーションデータフォルダです。Windows 2000、XP、Server 2003の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data" です。また、Windows Vista、7、8の場合、通常 "C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming" です。. %Public%フォルダは、すべてのユーザ共通のファイルまたはフォルダのリポジトリとして機能するフォルダです。Windows Vista、7、8の場合、通常 "C:\Users\Public" です。)

スパイウェアは、以下のフォルダを作成します。

  • %Public%\Chrome\5.4.8
  • %Public%\fx6\{5 random numbers}
  • %Public%\Chrome\5.4.8\iconos
  • %Public%\fx6\{5 random numbers}\iconos
  • %Public%\Administrador

(註:%Public%フォルダは、すべてのユーザ共通のファイルまたはフォルダのリポジトリとして機能するフォルダです。Windows Vista、7、8の場合、通常 "C:\Users\Public" です。)

スパイウェアは、以下の Mutex を作成し、メモリ上で自身の重複実行を避けます。

  • f_185761_G ← If currently login as Administrator in the machine
  • A_242381_B

他のシステム変更

スパイウェアは、以下のファイルを削除します。

  • %User Startup%\*.vbs

(註:%User Startup%フォルダは、現在ログオンしているユーザのスタートアップフォルダです。Windows 98およびMEの場合、通常 "C:\Windows\Profiles\<ユーザ名>\Start Menu\Programs\Startup" です。Windows NTの場合、通常 "C:\WINNT\Profiles\<ユーザ名>\Start Menu\Programs\Startup" です。Windows XPの場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Start Menu\Programs\Startup" です。Windows Vista、7、8の場合、通常 "C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming\Microsoft\Windows\Start Menu\Programs\Startup" です。)

スパイウェアは、インストールの過程で、以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\ControlSet001\
Control\Terminal Server\WinStations\
RDP-Tcp
UserAuthentication = 0

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\ControlSet001\
Control\Terminal Server
fSingleSessionPerUser = 0

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\ControlSet001\
Control\Terminal Server
fDenyTSConnections = 0

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Policies\
Microsoft\Windows Defender
DisableAntiSpyware = 1

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Internet Settings\
Zones\0
1407 = 0

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Internet Settings\
Zones\1
1407 = 0

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Internet Settings\
Zones\2
1407 = 0

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Internet Settings\
Zones\3
1407 = 0

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Internet Settings\
Zones\4
1407 = 0

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Policies\
System
dontdisplaylastusername = 0

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\ControlSet001\
Control\Terminal Server\WinStations\
RDP-Tcp
SecurityLayer = 0

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Policies\
System
ConsentPromptBehaviorAdmin = 0

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Policies\
System
ConsentPromptBehaviorUser = 0

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\ControlSet001\
Control\Lsa
LimitBlankPasswordUse = 0

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Policies\
Microsoft\Windows NT\Terminal Services
Shadow = 0

情報漏えい

スパイウェアは、以下の銀行もしくは金融機関で利用される個人情報を収集します。

  • Banco Bradesco
  • Banco do Brasil
  • Sicredi

スパイウェアは、収集したEメールアドレス情報を以下のファイルに保存します。

  • %Application Data%\Microsoft\.Outlook

(註:%Application Data%フォルダは、現在ログオンしているユーザのアプリケーションデータフォルダです。Windows 2000、XP、Server 2003の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data" です。また、Windows Vista、7、8の場合、通常 "C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming" です。)

スパイウェアは、以下の情報を収集します。

  • Machine Name
  • Machine Password
  • Outlook Email addresses
  • Chrome Login Data

情報収集

スパイウェアは、HTTPポスト を介して、収集した情報を以下のURLに送信します。

  • https://{BLOCKED}.{BLOCKED}.00.2
  • https://{BLOCKED}.{BLOCKED}s.net/logsD/index.php?CHLG
  • https://{BLOCKED}.{BLOCKED}s.net/al/index.php

  対応方法

対応検索エンジン: 9.850
初回 VSAPI パターンバージョン 14.830.05
初回 VSAPI パターンリリース日 2019年2月22日
VSAPI OPR パターンバージョン 14.831.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2019年2月23日

手順 1

Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

このマルウェアもしくはアドウェア等の実行により、手順中に記載されたすべてのファイル、フォルダおよびレジストリキーや値がコンピュータにインストールされるとは限りません。インストールが不完全である場合の他、オペレーティングシステム(OS)の条件によりインストールがされない場合が考えられます。手順中に記載されたファイル/フォルダ/レジストリ情報が確認されない場合、該当の手順の操作は不要ですので、次の手順に進んでください。

手順 3

Windowsをセーフモードで再起動します。

[ 詳細 ]

手順 4

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Policies\Microsoft\Windows Defender
    • DisableAntiSpyware = "1"
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Policies\System
    • dontdisplaylastusername = "0"
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Policies\System
    • ConsentPromptBehaviorAdmin = "0"
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Policies\System
    • ConsentPromptBehaviorUser = "0"
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\ControlSet001\Control\Lsa
    • LimitBlankPasswordUse = "0"
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Policies\Microsoft\Windows NT\Terminal Services
    • Shadow = "0"

手順 5

以下のファイルをバックアップを用いて修復します。なお、マイクロソフト製品に関連したファイルのみ修復されます。このマルウェア/グレイウェア/スパイウェアが同社製品以外のプログラムをも削除した場合には、該当プログラムを再度インストールする必要があります。

  • %User Startup%\*.vbs
  • All Google Chrome.LNK
  • %Application Data%\Microsoft\Internet Explorer\Quick Launch\User Pinned\ImplicitAppShortcuts

手順 6

以下のフォルダを検索し削除します。

[ 詳細 ]
フォルダが隠しフォルダ属性に設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • %User Startup%\Java_{6 random character}{1 random number}.LNK
  • %Public%\Java_{6 random characters}{1 random number}_.vbs
  • %Public%\Java_{6 random characters}{1 random number}_.bat
  • %Public%\chrome.LNK
  • %Public%\Java_{6 random characters}{1 random number}_
  • %Public%\Chrome
  • %Public%\fx6
  • %AppDataLocal%\w
  • %Application Data%\Microsoft\.Outlook
  • %Application Data%\Microsoft\.Out

手順 7

コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「TrojanSpy.Win32.BANRAP.AS」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。

手順 8

最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、ウイルス検索を実行してください。「TrojanSpy.Win32.BANRAP.AS」と検出したファイルはすべて削除してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


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