TROJ_SCAR.GM
Windows 98, ME, NT, 2000, XP, Server 2003
マルウェアタイプ:
トロイの木馬型
破壊活動の有無:
なし
暗号化:
感染報告の有無 :
はい
概要
マルウェアは、"Outpost Personal Firewall" および "ZoneLabs Firewall Client" に関連する以下のプロセスの存在を確認します。 上記のプロセスのいずれかの存在を確認すると、マルウェアは、そのプロセスを終了します。これにより、確実に自身を実行します。
詳細
インストール
マルウェアは、<Windowsシステムフォルダ>に自身のコピーを作成し、作成したコピーの末尾に判別不可能なコードを追記します。これにより、検出を避けます。作成したコピーには、以下のファイル名が用いられます。
- sdra64.exe
マルウェアは、以下の無害なファイルを作成します。
- %System%\lowsec\local.ds - copy of the encrypted downloaded file
- %System%\lowsec\user.ds - used to save the gathered information
(註:%System%はWindowsの種類とインストール時の設定などにより異なります。標準設定では、Windows 98 および MEの場合、"C:\Windows\System"、Windows NT および 2000 の場合、"C:\WinNT\System32"、Windows XP および Server 2003 の場合、"C:\Windows\System32" です。)
マルウェアは、以下のフォルダの属性をシステムフォルダおよび隠しフォルダに設定します。これにより、自身のコンポーネントの検出および削除を避けます。
- %System%\lowsec
(註:%System%はWindowsの種類とインストール時の設定などにより異なります。標準設定では、Windows 98 および MEの場合、"C:\Windows\System"、Windows NT および 2000 の場合、"C:\WinNT\System32"、Windows XP および Server 2003 の場合、"C:\Windows\System32" です。)
マルウェアは、以下の Mutex を作成し、メモリ上で自身の重複実行を避けます。
- _AVIRA_2108
- _AVIRA_2109
マルウェアは、以下のプロセスに自身を組み込み、システムのプロセスに常駐します。
- SVCHOST.EXE
- WINLOGON.EXE
自動実行方法
マルウェアは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を変更します。
HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Microsoft\
Windows NT\CurrentVersion\Winlogon
Userinit = %System%\userinit.exe, %System%\sdra64.exe,
(註:変更前の上記レジストリ値は、「%System%\userinit.exe,」となります。)
他のシステム変更
マルウェアは、インストールの過程で、以下のレジストリ値を追加します。
HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Microsoft\
Windows NT\CurrentVersion\Network
UID = {Computer name}_{Random numbers}
マルウェアは、以下のレジストリ値を作成し、Windowsのファイアウォールを回避します。
HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\SharedAccess\Parameters\
FirewallPolicy\StandardProfile
EnableFirewall = 0
情報漏えい
マルウェアは、以下のWebサイトにアクセスし、自身の環境設定ファイルをダウンロードします。
- http://113.11.194.175/uk/denwer.doc
情報収集
マルウェアは、以下のファイル内に収集した情報を保存します。
- %System%\lowsec\user.ds
(註:%System%はWindowsの種類とインストール時の設定などにより異なります。標準設定では、Windows 98 および MEの場合、"C:\Windows\System"、Windows NT および 2000 の場合、"C:\WinNT\System32"、Windows XP および Server 2003 の場合、"C:\Windows\System32" です。)
その他
マルウェアは、 Outpost Personal FirewallおよびZoneLabs Firewall Clientに関連する以下のプロセスの存在を確認します。
- outpost.exe
- zlclient.exe
対応方法
手順 1
Windows XP および Windows Server 2003 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。
手順 2
回復コンソールを使用して、TROJ_SCAR.GM として検出されるファイルを確認し、削除します。
手順 3
変更されたレジストリ値を修正します。
警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。
- In HKEY_LOCAL_MACHINE\\Software\\Microsoft\\Windows NT\\CurrentVersion\\Winlogon
- From: Userinit=%System%\\userinit.exe, %System%\\sdra64.exe,
To: %System%\\userinit.exe,
- From: Userinit=%System%\\userinit.exe, %System%\\sdra64.exe,
手順 4
このレジストリ値を削除します。
警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。
- In HKEY_LOCAL_MACHINE\\SYSTEM\\CurrentControlSet\\Services\\SharedAccess\\Parameters\\FirewallPolicy\\StandardProfile
- EnableFirewall =0
- EnableFirewall =0
- In HKEY_LOCAL_MACHINE\\Software\\Microsoft\\Windows NT\\CurrentVersion\\Network
- UID ={Computer name}_{Random numbers}
- UID ={Computer name}_{Random numbers}
手順 5
最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、ウイルス検索を実行してください。「TROJ_SCAR.GM」と検出したファイルはすべて削除してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。
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