解析者: Janus Agcaoili   

 別名:

Ransom:Win32/Tescrypt!rfn (Microsoft), Mal/Ransom-EJ (Sophos), Trojan/Win32.Teslacrypt (AhnLab-V3)

 プラットフォーム:

Windows

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:
 情報漏えい:

  • マルウェアタイプ:
    トロイの木馬型

  • 破壊活動の有無:
    なし

  • 暗号化:
    はい

  • 感染報告の有無 :
    はい

  概要

感染経路 インターネットからのダウンロード

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

マルウェアは、ワーム活動の機能を備えていません。

マルウェアは、バックドア活動の機能を備えていません。

マルウェアは、Internet Explorer(IE)のゾーン設定を変更します。

マルウェアは、特定のWebサイトにアクセスし、情報を送受信します。 マルウェアは、実行後、自身を削除します。

  詳細

ファイルサイズ 479,232 bytes
タイプ EXE
メモリ常駐 はい
発見日 2016年3月18日
ペイロード URLまたはIPアドレスに接続, メッセージボックスの表示, 情報収集

侵入方法

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

マルウェアは、感染したコンピュータ内に以下として自身のコピーを作成し、実行します。

  • %User Profile%\Documents\{random filename}.exe (with non-Administrator Privileges)
  • %Windows%\{random filename}.exe (with Administrator Privileges)

(註:%User Profile% フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常、"C:\Documents and Settings\<ユーザ名>"、Windows Vista 、 7 、8、8.1 、Server 2008 および Server 2012の場合、"C:\Users\<ユーザ名>" です。.. %Windows%フォルダは、Windowsが利用するフォルダで、いずれのオペレーティングシステム(OS)でも通常、"C:\Windows" です。.)

マルウェアは、以下の Mutex を作成し、メモリ上で自身の重複実行を避けます。

  • 345432-123rvr4

自動実行方法

マルウェアは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
{random} = "%System%\cmd.exe /c start "" "%Windows%\{random filename}.exe"" (Note: with Administrator Privileges)

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
{random} = "%System%\cmd.exe /c start "" "%User Profile%\Documents\{random filename}.exe "" (Note: with non-Administrator Privileges)

他のシステム変更

マルウェアは、以下のレジストリキーを追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\zzzsys

HKEY_CURRENT_USER\Software\{Installation ID}

マルウェアは、以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Policies\
System
EnabledLinkConnections = "1"

HKEY_CURRENT_USER\Software\{Installation ID}
data = {encrypted information}

HKEY_CURRENT_USER\Software\zzzsys
ID = {Installation ID}

感染活動

マルウェアは、ワーム活動の機能を備えていません。

バックドア活動

マルウェアは、バックドア活動の機能を備えていません。

Webブラウザのホームページおよび検索ページの変更

マルウェアは、IEのゾーン設定を変更します。

作成活動

マルウェアは、以下のファイルを作成します。

  • %User Profile%\Documents\recover_file_{random letters}.txt
  • %Desktop%\_ReCoVeRy_.HTM
  • %Desktop%\_ReCoVeRy_.TXT
  • %Desktop%\_ReCoVeRy_.png

(註:%User Profile% フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常、"C:\Documents and Settings\<ユーザ名>"、Windows Vista 、 7 、8、8.1 、Server 2008 および Server 2012の場合、"C:\Users\<ユーザ名>" です。.. %Desktop%フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Desktop"、Windows Vista 、 7 、8、8.1 、Server 2008 および Server 2012の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\Desktop" です。.)

その他

マルウェアは、以下のWebサイトにアクセスし、情報を送受信します。

  • http://{BLOCKED}edicalcentre.com/wp-content/uploads/wstr.php
  • http://{BLOCKED}lizedaccess.co.uk/wp-content/uploads/2015/09/wstr.php
  • http://{BLOCKED}nstitut.org/wp-content/themes/bstr.php
  • http://www.{BLOCKED}aticauno.net/gamma/tmp/bstr.php
  • http://www.{BLOCKED}aticauno.net/gamma/tmp/wstr.php
  • http://{BLOCKED}our.info/users/28c4fe1/wstr.php

マルウェアは、以下の拡張子をもつファイルを暗号化します。

  • .pif
  • .com
  • .bat
  • .cmd
  • .lnkimage
  • .vfolder
  • .zip
  • .dvr-ms
  • .wvx
  • .wmx
  • .wmv
  • .wm
  • .mpv2
  • .mpg
  • .mpeg
  • .mpe
  • .mpa
  • .mp2v
  • .mp2
  • .m1v
  • .IVF
  • .asx
  • .asf
  • .avi
  • .wax
  • .snd
  • .rmi
  • .m3u
  • .au
  • .aiff
  • .aifc
  • .aif
  • .midi
  • .mid
  • .wma
  • .wav
  • .mp3
  • .wmf
  • .tiff
  • .tif
  • .rle
  • .png
  • .jpeg
  • .jpe
  • .jpg
  • .jfif
  • .gif
  • .emf
  • .dib
  • .wsh
  • .wsf
  • .wsc
  • .ws
  • .vsw
  • .vst
  • .vss
  • .vsmacros
  • .vbs
  • .vbe
  • .vb
  • .shs
  • .shb
  • .sct
  • .scr
  • .scf
  • .reg
  • .pst
  • .prg
  • .prf
  • .pl
  • .pif
  • .pcd
  • .ops
  • .mst
  • .msp
  • .mshxml
  • .msh
  • .msc
  • .mdz
  • .mdw
  • .mdt
  • .mde
  • .mdb
  • .mda
  • .mcf
  • .maw
  • .mav
  • .mau
  • .mat
  • .mas
  • .mar
  • .maq
  • .mam
  • .mag
  • .maf
  • .mad
  • .lnk
  • .ksh
  • .jse
  • .js
  • .its
  • .isp
  • .ins
  • .inf
  • .hlp
  • .grp
  • .gadget
  • .fxp
  • .exe
  • .csh
  • .crt
  • .cpl
  • .cmd
  • .chm
  • .cer
  • .bat
  • .bas
  • .app
  • .adp
  • .ade
  • .xbap
  • .xps
  • .pdf
  • .pot
  • .hta
  • .xlt
  • .pps
  • .xlw
  • .dot
  • .rtf
  • .ppt
  • .xls
  • .doc
  • .xml
  • .hta
  • .docx
  • .mrwref
  • .indd
  • .rofl
  • .mpqge
  • .vfs0
  • .mcmeta
  • .vpp_pc
  • .arch00
  • .itdb
  • .mddata
  • .sidd
  • .sidn
  • .pkpass
  • .ibank
  • .dazip
  • .blob
  • .layout
  • .menu
  • .ztmp
  • .syncdb
  • .mdbackup
  • .hkdb
  • .hplg
  • .hvpl
  • .icxs
  • .docm
  • .xlsx
  • .xlsm
  • .xlsb
  • .pptx
  • .pptm
  • .accdb
  • .jpeg
  • .desc
  • .litesql
  • wallet
  • .rgss3a
  • .forge
  • .asset
  • .litemod
  • .d3dbsp
  • .tiff
  • .txt
  • .bak

マルウェアは、以下のファイルを開きます。

  • %Desktop%\_ReCoVeRy_.HTM
  • %Desktop%\_ReCoVeRy_.TXT
  • %Desktop%\_ReCoVeRy_.png

(註:%Desktop%フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Desktop"、Windows Vista 、 7 、8、8.1 、Server 2008 および Server 2012の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\Desktop" です。.)

マルウェアは、以下のファイル名を使用し、暗号化されたファイルを改称します。

  • {original file name and extenstion}.mp3

マルウェアは、以下のファイルの属性を隠しファイルおよびシステムファイル属性に設定します。

  • {dropped copy of itself}

マルウェアは、実行後、自身を削除します。

マルウェアは、感染したコンピュータ内に以下として自身のコピーを作成し、実行します。

  • %User Profile%\Documents\{random filename}.exe (ユーザが非管理者の場合)
  • %Windows%\{random filename}.exe (ユーザが管理者権限を持つ場合)

マルウェアは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

  • HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\ Windows\CurrentVersion\Run {random} = "%System%\cmd.exe /c start "" "%Windows%\{random filename}.exe"" (注:管理者権限の場合)
  • HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\ Windows\CurrentVersion\Run {random} = "%System%\cmd.exe /c start "" "%User Profile%\Documents\{random filename}.exe "" (注:非管理者権限の場合)

マルウェアは、以下を実行します。

  • マルウェアは、以下のコマンドを実行してシャドウコピーを削除します。
    • %System%\wbem\WMIC.exe" shadowcopy delete /nointeractive
  • マルウェアは、以下の文字列を含むプロセスを終了します。
    • askmg <- Task Manager
    • rocex <- Process Explorer
    • egedi <- Regedit
    • sconfi <- MS Config
    • cmd <- Command Prompt
  • マルウェアは、以下の文字列を含むファイルは暗号化しません。
    • recove
  • マルウェアは、ハードディスク、リムーバブルドライブ、ネットワークドライブ、共有ドライブ内のすべてのファイルを暗号化します。
  • マルウェアは、マルウェアが暗号化するファイルが存在するフォルダに_ReCoVeRy_+{random 5 letters}.png、_ReCoVeRy_+{random 5 letters}.txt、および_ReCoVeRy_+{random 5 letters}.htmlを作成します。
  • マルウェアは、暗号化が終了した後以下の脅迫状を表示します。

  • マルウェアは、以下のディレクトリ内のファイルは暗号化しません。
    • Windows
    • Program Files
    • %All Users Profile%\Application Data (Windows XP以前)
    • ProgramData (Windows Vista以降)

マルウェアは、以下の情報を収集して、自身のサーバへ報告します。

  • 感染状況
  • 「Bitcoin(ビットコイン)」のアドレス
  • 暗号化されたファイル全体のサイズ
  • マルウェアのバージョン
  • オペレーティングシステム(OS)の情報
  • インストールID

  対応方法

対応検索エンジン: 9.800
初回 VSAPI パターンバージョン 12.410.03
初回 VSAPI パターンリリース日 2016年3月18日
VSAPI OPR パターンバージョン 12.411.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2016年3月19日

手順 1

Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

このマルウェアもしくはアドウェア等の実行により、手順中に記載されたすべてのファイル、フォルダおよびレジストリキーや値がコンピュータにインストールされるとは限りません。インストールが不完全である場合の他、オペレーティングシステム(OS)の条件によりインストールがされない場合が考えられます。手順中に記載されたファイル/フォルダ/レジストリ情報が確認されない場合、該当の手順の操作は不要ですので、次の手順に進んでください。

手順 3

「RANSOM_CRYPTESLA.LD」で検出したファイル名を確認し、そのファイルを終了します。

[ 詳細 ]

  • すべての実行中プロセスが、Windows のタスクマネージャに表示されない場合があります。この場合、"Process Explorer" などのツールを使用しマルウェアのファイルを終了してください。"Process Explorer" については、こちらをご参照下さい。
  • 検出ファイルが、Windows のタスクマネージャまたは "Process Explorer" に表示されるものの、削除できない場合があります。この場合、コンピュータをセーフモードで再起動してください。
    セーフモードについては、こちらをご参照下さい。
  • 検出ファイルがタスクマネージャ上で表示されない場合、次の手順にお進みください。

手順 4

不明なレジストリキーを削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_CURRENT_USER\Software
    • zzzsys
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software
    • {Installation ID}

手順 5

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • {random} = "%System%\cmd.exe /c start "" "%Windows%\{random filename}.exe"" (Note: with Administrator Privileges)
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • {random} = "%System%\cmd.exe /c start "" "%User Profile%\Documents\{random filename}.exe "" (Note: with non-Administrator Privileges)
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Policies\System
    • EnabledLinkConnections = "1"

手順 6

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性の場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • %Desktop%\_ReCoVeRy_.HTM
  • %Desktop%\_ReCoVeRy_.TXT
  • %Desktop%\_ReCoVeRy_.png
  • recover_file_{random letters}.txt
  • _ReCoVeRy_+{5 random letters}.html
  • _ReCoVeRy_+{5 random letters}.txt
  • _ReCoVeRy_+{5 random letters}.png

手順 7

Internet Explorer(IE)のセキュリティ設定を修正します。

[ 詳細 ]

手順 8

最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、ウイルス検索を実行してください。「RANSOM_CRYPTESLA.LD」と検出したファイルはすべて削除してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


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